9月の山行

南アルプス 聖岳3013m~茶臼岳2604m




 
小聖岳より望む前聖岳


快晴の前聖岳山頂(3013m)に立つ


日程:2011年9月14日(金)~17日(月)(ロッヂ1泊、テント2泊)

◆参加者:男性5名

◆コース・タイム:
14日  JR我孫子駅北口ロータリー集合、6:30出発、車移動・・・畑薙第一ダム
14:20/15:00 バス・・・椹島ロッヂ16:00(ロッヂ泊)

15日  起床4:00・・・朝食5:15・・・ロッヂ発6:30 バス・・・聖沢登山口6:40/6:45・・・聖沢吊橋8:25・・・聖平小屋14:05(幕営)  (歩行6.5時間+休憩1時間)

16日  起床3:00/3:35発・・・薊畑4:00・・・小聖岳5:00・・・前聖岳6:15・・・聖平小屋8:30/9:25・・・南岳11:15・・・上河内岳の肩12:05・・・茶臼小屋テント場14:10(幕営)(歩行8.5時間+休憩2時間)

17日  起床3:00/4:40発・・・6:30横窪沢小屋・・・中の段7:20・・・ウソッコ沢小屋8:05・・・畑薙大吊橋10:00・・・茶臼岳登山口(バス停)10:10/10:40・・・畑薙第一ダム駐車場11:00・・・白樺荘11:20/12:50・・・我孫子19:30(歩行6.5時間+休憩45分)

◆費用:車代13000円、高速代7250円、ガソリン代10600円、ロッヂ宿泊40000円
テント場代5000円、入浴代2500円、その他9150円
合計 87500円、一人当たり:17500円




 当初予定の、飯田線平岡駅から易老度に入るルートは工事による通行止めのため、静岡―椹島(さわらじま)からの入山ルートにて計画。結果、東海フォレストのバスを利用し系列小屋へ1泊する必要があり、小屋1泊テント2泊の計画にした。





 

◇初日(14日)晴れ時々曇り

 我孫子駅をTAさんの車にて6時半に発ち、14時半に畑薙第1ダム横の臨時駐車場に到着する。(走行ルートを車のナビ任せにした結果、少々遠回りになり、且つ工事道路へ入り込むことになってしまう。道路通行止め情報をもとに最適ルートを把握し、ナビに入力のうえ確認が必要。)

雨量が少ないためだろう、ダム水量が極端に少ない。ここから東海フォレストのバスに乗り16時に椹島ロッヂに入る。このロッヂは部屋数も多く、一人当たりのスペースも十分にとられている。

一風呂浴びてから夕食までの時間を食堂とは別に設けられたレストハウスにてくつろぐ予定でいると、奇遇にも、ツアーガイドの仕事でこのロッジに来られていた倉岡氏とバッタリ出会う。20分ほどの夕食時間を挿んで19時半ごろまで、海外・国内の山話で時間を忘れ盛り上がる。

翌日からの倉岡氏のツアー行程は我々とは異なり、赤石~荒川を4泊しながらゆっくり回る予定とのこと。明日からのお互いの健闘を誓い心残りであったが幕とする。

         

◇二日目(15日)晴れ時々曇り

 6時半、ロッヂのバスにて聖沢登山口まで送ってもらう。ウォーミングアップ後、NAさんに先頭をお願いする。出だしは急登、1時間程度のジグザグ道で汗を流す。
やっと平らになる頃、造林用の出合所小屋跡が左手に出てくる。聖沢を渡る吊橋まで小一時間のなだらかな巻き道が続き、橋からは尾根道に取り付き、そこから標高をかせぐ。

お花畑を通過し、やがて2本の滝を見下ろすことができる岩頭滝見台に出ると、そこからは緩やかな道が聖平小屋へと続く。

小屋は広々とした平坦地にあり、テント場も広く整備されており、水場の水も豊富でトイレも水洗である。14時からのテント二張り設営後、15時過ぎからビールの乾杯で始まった宴も、普段の山行ならばもう少し飲みたいが、翌日の3時起床を考慮して、きっちり19時半にお開きになる。

 
        

◇三日目(16日)晴れのち曇り

 未明の3時に起床する。満天の星空が輝いており今日の好天を確信する。気温は15℃くらいであろうか。風もなく意外と暖かい。
朝食は摂らずにサブザックに飲み物や行動食、防寒具などを持ち、テントは残置して3時半頃に出発する。睡眠不足の割には身体の調子も良さそうである。

前聖への分岐である薊畑を右折して小聖岳に向かって歩く。小聖岳2662mを過ぎたころから薄っすらと明るくなってくる。森林限界を抜けると聖岳の山頂部が迫ってくる。蒼黒い富士山の向こう側から太陽が顔を出そうとしており、その神々しさに思わずシャッターを押す。多少のアップダウンの後、登り切ると聖岳(前聖岳3013m)の山頂である。

山頂は360度の大展望だ。北側眼前の赤石岳が何といっても大きくて立派だ。左手の中央アルプスの後方には御嶽が見てとれ、左端に恵那山も頭を出している。ずっと遠くには北アルプスの峰々、右手には笊ヶ岳、その右奥に富士山が見える。これから向かう後方(南面)の上河内岳が赤石岳に負けず劣らず大きい。

今日はロングコースで、のんびりとはしていられない。奥聖岳2978mへの往復は省き、来た道を下る。夜明け前に登った行程を、もう一度振り返りながら聖平小屋まで戻る。
 
 テントを片付け、軽く食事して、再び重くなったザックを担ぎ稜線を南へ向かう。少し雲が出てきている。南岳2702mを過ぎたあたりから雲が厚くなり、上河内岳2803mからの展望も全く期待できないため登頂するのを止め、上河内岳の肩から山頂方面を眺め通り過ぎる。
アップダウンを繰り返しながらひたすら歩く。ハイマツやダケカンバ、岩礫や奇岩竹内門、亀甲状土やお花畑など、変化に富んだ縦走路である。
少し登り返して茶臼岳2604mの分岐に着いたが、展望が無いのでここも登頂をやめることにする。

この時間帯になると、早朝の行動開始から10時間近く経過しており、私を含め全員の顔にも疲れが見え精神的にもかなり萎えてきている。分岐を道標に従って左側の横窪沢・畑薙方面へ10分ほど下ると茶臼小屋に着く。テント場はそれほど広くは無いとのことで心配したが、数張りしかないため問題なく設営する。
しかし水場の水量はチョロチョロで、1Lボトルを満杯にするのに数分かかる。小屋泊まりの人達も、小屋横の水場が枯れていて我々と同じ水場に来ている。しかしここで、明日下山する茶臼岳登山口から臨時駐車場まで、井川観光協会登山者送迎バスの運行があるとの情報を得る。うまくいくと1時間以上の短縮になりそうである。
ところがこの後、小屋の缶ビールが品切れ、冷やす水がないので飲料は総て無いとのこと。テント場に着いたあとのビールの美味しさを期待して頑張ってきただけに全員ショック。気を取り直し、残り少なくなってきたアルコールを持ち寄り宴会開始する。

そして、「明朝が雨天の場合は朝食を摂らずに出発」、とのスケジュールを確認し19時過ぎに横になる。

        

◇四日目(17日)大雨のち曇り

 深夜からの風雨が徐々に強まる中、3時に起床して出発の準備にかかる。風でテントが体に押し付けられる。大変な悪天候で気が重い。気持ちを取り直して外へ出る。強い雨の中、急いでテントを畳んでザックに仕舞う。今日の行程は横窪沢、ウソッコ沢を経て畑薙大吊橋まで約6時間、2400mから950mへの一気の下りである。強い降雨の下、特にスリップ事故がないように要注意だ。道幅も狭い。下山開始から1時間もしないうちに雨が雨具を通して太ももあたりから浸み込んでくる。しかし雨脚も徐々に弱くなり、181.7mの畑薙大吊橋(181.7m)のたもとに着いた頃にはほぼあがる。

ここで相模市からのご夫婦とお互いに記念写真を撮り、吊橋を渡りきった右手のバス停に10時10分に辿りつく。30分後に井川観光協会登山者送迎バスが来るとのこと。
駐車場まで徒歩1時間30分以上かかるところがバスでは20分。定時に来たバスには空席があり、一緒に待っていた十数名全員が幸運にも乗車する。(空席が少ないと予約者優先で事前予約が望ましいようだ。) 

お昼には、近くの「白樺荘」という地元公営の赤石温泉でゆっくり汗を流し、お蕎麦をいただき我孫子への帰路に着く。
  


 今回の山行での心残りは、上河内岳山頂から聖・赤石・荒川の三山が見れなかったことであるが、それを除けば概ね天候に恵まれ、出会いのハプニングがあり、そして5名全員がスケジュール通りに無事帰還することができ、山の神と同行者に感謝したい。皆さま本当にお疲れ様でした。




              
   初日 14日
 畑薙ダム夏期臨時駐車場
椹島ロッヂ&送迎バス 
 倉岡さんとロッヂで偶然の再会 
 
 二日目15日
 聖沢登山口への車中から見えた赤石
聖沢登山口 
 いくつかの橋を渡る
 
 よく整備された聖沢小屋テント場
三日目16日              
富士山の向こう側から夜が明ける 
 
快晴の前聖岳山頂(3013m)に立つ 
 からの富士
山頂からの赤石方面 
 下山途中に前聖岳を振り返る
小聖岳(2662m)から前聖岳 
 小屋への分岐にて一息
 
 聖沢小屋
分岐から南岳に向かう 
 奇岩竹内門
亀甲状土近辺 
 
茶臼小屋テント場 
 四日目17日
 ゴールの畑薙大吊橋(全長182m)にて




聖の花
我々を出迎えてくれた花々





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