3月の山行

安達太良山(1700M)
                              
                                    
                                   
                                      マウスを乗せると写真がかわります


                 
もう、すぐ頂上だ     
                                                  
安達太良頂上が左端に見えてきた

【会山行報告】  
安達太良山(1699.6m)

1、 日程:2013年3月 9日(土)~10日(日)
2、 参加者:T(食材)、N(L)、MY(記録)、MN(SL)   (同行:NZ)
3、 コースタイム:
 3/9  
我孫子6:01・・上野6:34/6:49・・宇都宮8:18/8:20・・ 黒磯9:10/9:39・・郡山10:40着・・NZ車で安達太良スキー場へ11:41着昼食&準備の後12:45出発 ・・鞍部(烏川)12:55・・View Point13:50(1170m付近)・・小屋15:13着 16:30頃入浴・・消灯21:00
 3/10
5:00起床・・(朝風呂)&食事・・小屋出発7:15・・峰の辻8:00・・山頂8:50   勢至平10:25・・安達太良スキー場:下山11:35・・・岳温泉で昼食・・・(アットホーム大玉で入浴12:50~13:30) NZ車で郡山へ・・郡山着14:40 l 郡山発15:06に乗車(14:24発のが強風の為遅れていた)/黒磯・・・黒磯16:13発/宇都宮着17:10/17:57発・・・
上野着19:42 /19:55 ・・柏20:27

4、参考地図   地形図 1/25000 「安達太良山」
 
5、費用
青春18切符一人当たり往復4600 小屋代4150+(土鍋コンロレンタル代1000÷3)(MNさんとNZさんお礼6000÷3=2000) 立ち寄り風呂400   
夕食材料代(900÷3=300) プラス昼食代とお土産等  実費11780円

6、共同装備  
  ツエルト、小バーナー
  個人装備
  アイゼン(10~12本)、ワカン、ピッケル又は、ストック、冬山対応上下など。

7、記録
例会の後で、安達太良の雪の状態などをNZさんに問い合わせをすると、「一緒に行くよ、美味しいお酒もあるし・・」急遽合流が決まった。小屋に泊まるので、装備の共用もなく食料も別々ということになる。

2013.3.9 晴のち曇り
電車の中で、NZさんなどから入ってくるメールで、山はかなり風が強いとのこと。
強風については、ネットで「山の天気」→安達太良山で1400mと1900mの予測が出ていて、1700mの頂上は風速20mくらいと推定。登れるんだろうか?と一抹の不安もあったが、翌日は小屋で判断すればいいだろうと考えた。郡山で電車を降りると、風が冷たい。

          

私とNZさんとの再会は、2年ぶりだ。安達太良スキー場へ着く。MNさんを探すが、携帯のつながりが悪いので車から出る。ホントに風が強い。半端じゃない。NZさんも、選択肢として、岳温泉へ素泊まりして、そこで鍋を食べるのもなどと言い始める。おいおいほんとか? (NZさんも慎重になるくらいの風なのだ。) 最低でもくろがね小屋まで行かないと。それにMYさんは安達太良初めてなので、なんとか登頂はしたい。昼食後、私が一番遅れてレストハウスの外へ出ると、皆は雪の上で、今や遅しと待っている。ワカンをはこうとするが、風が強すぎて手間取る。スキー場を出発、10分ほどで、烏川の橋上で小休止。
               
この川の上流をつめると安達太良の山頂になる。馬車道を横切りながら登山道はほぼ一直線に登っている。1130mくらいで南西側が切れ落ちていて、NZさん曰くView Pointとなる。安達太良スキー場のゴンドラが見える。
そこから傾斜も緩やかになり、快適な雪上歩行。前方に安達太良連峰の最高峰・箕輪山が真っ白に見
える。

雪の付き方は箕輪山の方が多いのは、安達太良の方が、風が強いせいかもしれない。勢至平の分岐に着くが、標識が見えないほどの積雪だ。しばらくして、くろがね小屋の方、左に曲がる。こんどは前方に鉄山が見えてくる。あの山の下がくろがね小屋だ。(鉄=くろがね なのである。)




「右側注意して滑落しないように!」とNZさんの声が後ろから聞こえる。スキー場を出た時は先頭だったが、早すぎるためラストに回ってもらった。確かに20mくらいではあるが、北側の湯川に向いた斜面が急になっていて、そこは慎重に通過する。くろがね小屋には15時13分着で、まずまず。

 当初、6人で予約していたが、5人になったので余裕。小屋全体では70人くらいということでほぼ満員。予約の時もこれ以上増員はは無理ですよと小屋番から念をおされた。(小屋のHPでは放射線の測定値が2月で0.03μSv/hr《地上1m》と柏よりも低い。)ビールなどでとりあえず乾杯。混雑する前にと、すぐに温泉へ。小屋は満員だが、貸し切り状態。窓を開けて鉄山の岩肌をを眺めながら入る。温泉は熱めで、白濁したいい湯だ。夕飯は、小屋の土鍋とコンロを借りたので、テーブルの上で調理できるようになった。MNさんのメヒカリのてんぷらに焼きうに、NZさんは一生懸命、焼肉を準備する。野菜もたっぷり。ビール、日本酒、ワインなど、満腹になって、食べきれないほど。今日は、MYさんの誕生日ということで、
「Happy Birthday!!」テントだったら、歌も出て一層の盛り上がりとなっただろうに。
食べきれないものは、まわりのグループにおすそ分け。二人のシェフに感謝。









21時消灯。部屋は2階の、そのまた中二階。スペースも寝具もたっぷり、暖かくぐっすりと眠れた。


13.3.10 日 晴のち曇り(ガス)強風

5時起床7時出発の予定。Tさんが外の状況を見に行ってくれる。風はそれほどではないようだ。昨日の鍋の残りにうどんを入れて、食べる。アイゼンかワカンか、どうしようかと思ったが、昨日同様ワカンでスタート。先頭がN、Tさんを2番め、その次が、MYさん、MNさん、NZさん。(頂上直下の写真でそういう順番だが、小屋からずっとその順番だったか、記憶が定かでない)他のグループはほとんど、アイゼン使用が多い。NZさんは昨日からずっとスノーシュー。
 
途中小休止をとろうとしたが、小屋から40mほど標高を上げると稜線から吹き下ろす
風がまともに体に当たるので、適当な場所がない。Tさんが休みたいと言うので、あそこまで行けば、とかあの凹部まで下ればとか言うものの、一瞬風が弱くなったりするが、何処でも一緒、すぐにまた強くなる。何度か繰り返すうちに、風をよけて休む場所はないと言う結論になった。それではどうするか?Tさんは疲れているようだけど、休むと風が強くてたまらない。風が強い。歩くのをやめると、どんどん体温が下がってしまうという、トムラウシでの遭難記録を思い出す。結局休まずに少しづつ登る。峰の辻も通過して(馬の背には行かず)凹部に着いても風は弱まらない。

何度か、風が弱まった処があるので、ここで休もうかと思うがまた吹き始める。このくらいの雪の状態と風なら、ダブルストックが効果的だった。それでも時折吹いてくる強風でバランスを崩して、Tさんが何度か倒れる。MYさんがその後ろからサポートしてくれていたようだ。私も風でバランスを崩して倒れた。それでも風が強くなった時は、少しおさまるまで、身をかがめて待機。細い稜線だったら怖い風だ。トラバースの斜面を登って、安達太良の肩に着く。

安達太良の頂上へ、ワカンを履いたまま登る。結構楽に登れるもんだ。このくらいの雪のある方が登りやすい。Tさんの休んでいる岩も視野にはあるが、人までは分からない。山頂の風も強い、MYさんは安達太良が初めてだというので、記念撮影。風などまるで感じないような、余裕のポーズだ。すごい人だ。

晴れていれば、磐梯山、吾妻連峰などの眺めが素晴らしいんだが。山頂で長居は無用と、Tさんが休憩している岩まで戻った。計画ではゴンドラの上方向へ、下り五葉松平を通って、スキー場の横へ出る予定だったが、1250m~1200mの下りが急な傾斜でちょっと心配なので、往路を、峰の辻まで戻り、勢至平へ向かうことにする。計画ではゴンドラの上方向へ、下り五葉松平を通って、スキー場の横へ出る予定だったが、1250m~1200mの下りが急な傾斜でちょっと心配なので、往路を、峰の辻まで戻り、勢至平へ向かうことにする。

 峰の辻から、勢至平はだだっ広い。地図を出して確認しようとしたが、風も強くてMNさんから地図など見る必要ないと、言われる。予想はしていたが、しょうがない。このあたりからは、先頭がNZさんになる。篭山の北側を東北へ向かって歩くのだが、ガスが出てきて数十m先の篭山が見えなくなってしまう。ホワイトアウトではないが、先へ行く、NZさんMNさんが見えなくなりかけたがトレースはあるので、あとを追う。
 
1400mくらいまで下って少しだけ風も弱まったのでそこで小休止。MNさんから、甘夏をいただく。ザックから出した甘夏を口に入れると外気が冷たいせいか、甘夏が暖かく感じられた。勢至平の分岐に着いたが、方角さえ間違えなければこのルートがよい。
 勢至平からは来た道を下る。ワカンも必要ないだろうということで、外してスキー場まで下る。車で、岳温泉の食堂へ移動。ボリューム一杯のかつ丼などを食べる。郡山までNZさんに送ってもらった。駅前のロータリーに筒状の高さ2mほどのモニタリングポストがあった。
空間放射線量は、0.238μSv/hr と表示されていた。もちろん2011年3月11日の事故以来日本のあちこちの我々が目にふれることができる場所、人の集まる場所に増設されるようになったものだ。福島県内には多くのモニタリングポストが設置されているのだろう。私はあと何回福島の山に登るかわからないが、あと10年か15年か?そんな短い年数でこの値がどこまで下がるんだろうかと思う。
 
今回の強風だってなんだって、明日になれば、おさまってしまうだろう。福島第一原発で一度汚染されてしまった空間、ここに住み続ける人はこのモニタリングポストの数字を見なくても、ずっと頭の片隅にもやもやしたものをおきながら暮らしていかざるをえないのだ。

 郡山からは鈍行に乗り込む。風で大幅にダイヤが乱れていた。電車の乗り継ぎも、スムーズにできるのかどうか心配しながらも、いつしかモニタリングポストのことも忘れて安達太良の山の辛かったけど楽しかった思いにふけっていた。
  
     

★反省点:忘れていた下山報告、帰りの電車の中、19時過ぎにKさんからメールが入った。下山報告をしていないのに気がついて、あわてて無事下山の返信をした。
★安達太良は初心者の冬山コースと言われるが、天気がよければの話で、Nは雪の安達太良が4回目だったが、今まででもっとも強風だった。ガスもあっという間に湧いてくるので、早めの判断と事前に地形(地図)を頭に入れておく必要がある。今回はNZさんが同行のため、ホワイトアウト一歩手前くらいの下山を非常に安心して下ることができた。
郡山山岳会の知人はこの日に、那須の甲子峠を越えて、旭岳[1835m]へ向かったが、1640mで強風のために10:30で撤退したそうだ。10日 那須白河では瞬間最大風速38mを記録している。 
★我孫子山の会HPリンク集→登山仲間→3.郡山からの四季の山行→ブログ(山行記録)→冬の安達太良山行  NZさんの写真がきれいです。

 最後に、安達太良山の全体の写真 2011年3月12日 地震の翌日
 この写真を写した約20分後(15:36)に 福島第一原発の1号機が爆発している。

  

    

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