≪山行報告⇔会山行≫
武尊山(2158.3m)
1、実施日: 2013年6月8~9日 (山中1泊)
2、参加者: 男2、女3 (5名)
3、行 程:
8日 (曇り)
5.37天王台 ― 5.41 我孫子 ― 6.15/6.26上野 ― 8.15/8.24高崎 ― 9.29
水上/9.40 (タクシー) ―10.15/10.30武尊神社・登山口 ~11.05/11.10
林道終点分岐 ~13.05手小屋沢避難小屋着/20.30消灯 (ドーム型避難
小屋、宿泊)
9日 (晴)
4.00起床/5.00出発 ~ 7.27/7.50 武尊山・(沖武尊) ~8.15水場 ~9.05/
9.25家ノ串山 ~ 9.50川場剣ヶ峰・鞍部 ~10.15/10.40前武尊・分岐 ~12.55
/13.00川場野営場・下山口(タクシー) ― 13.40/14.24沼田 ― 15.11/
15.31高崎 ― 17.14/17.24上野 ― 18.00我孫子
4、共同装備: テント一式(モンベル6人用)、共同マット(2枚)、コッヘル、
(コンロ・ガソリン仕様、カートリッジ仕様)、(らんたん、
LED)、GPS、他
個人装備: 宿泊山行一般 (雨具、寝袋、個人マット、軽アイゼン、スリング)、
他
食事計画: 8日夕食 = ベーコン・野菜炒め、合いびき肉・野菜鍋(うどん)、他
5、経 費: JR 5,880円、タクシー代 3,300円、食材700円、他 1人/10,000円
6、集中連絡先 :Nさん宅
≪感想≫
8日・山行当日、昨夜から降っていた雨は家を出る明け方にはやんでいた。
我孫子駅のホームで、KさんとHさんとともに天王台駅から乗って来るIさんを待っていると目の前の車両(7号車)の中からIさんが手を振っていた。柏駅からはTさんが乗り合わせて5名のメンバー全員が合流、高崎線乗換えの上野駅に向かう。
水上駅にて下車すると、予約していたタクシーの運転士さんが既に駅構内で待っていてくれた。中型5人乗りタクシー1台の荷台に、大きなザック5個を括りつけた。運転手さんは、山道に入るからとザックを再度確認し、いよいよ出発である。雨上がりの車窓から、藤原湖ダムを左側に見ながらさらに奥地へ進み、武尊神社前にて下車。
身支度を整え、思い思いに準備体操をし終えてから、10:30いよいよ登山開始。
登山口、武尊神社前より山の守り神様に無事を祈願し、鎮守の森から林道終点まで進む。新しい感じの標識の付いた手小屋沢避難小屋への分岐地点に差し掛かる。分岐を左への山道に分け入り、周囲は巨木のブナ林の深い森林に変わり蒸し暑く、汗が流れ出る。道中、急登も続いていたが、GPS指示分岐から尾根まで標高差は500mとのこと。下りてくる2組のパーティーと出合い、単独の方の言によると、真っ白な霧のため山頂には行けなかったとのことだった。歩きやすい山道から尾根上に出ると、間もなく眼下に避難小屋が目に入った。標識があり、そこから少し下りて、13:05手小屋沢避難小屋幕営地に到着した。
ザックの荷を降ろしテント場を探すが、避難小屋の周囲は残雪と倒木などであまりきれいではなく、とても残雪の上にはテントを張れそうもないので諦める。やむなく、鉄製の湾曲した避難小屋に泊まることとした。避難小屋は新しく建替えたばかりのようだったが、床板の広さはテントマット2枚敷くのが精いっぱいで、寝る際には5人分の個人マットを重ね合せるようにして敷き詰めてやっとであった。
水場は近くに流れる沢の水を使用した。食材は“食事計画・担当を任せてくれ”と申し出てくれたHさんが調達してくれた。中身については、現地に着くまで誰も知らなかったが、小分けにされた食材を分担して皆さんに担ぎ上げて頂いた。
晴れ上がった午後2時頃から、暖かい日射しを受けながら調理が始まった。最初の一品は野菜炒め。まずゴマ油でニンニクを炒め、彩り豊かに玉葱、キャベツ、ニラ、人参、椎茸など多くの野菜とベーコン、塩コショウで味を調え本格派男の手料理を美味しく頂いた。まだ日も高い午後5時半頃、寒くなり避難小屋に場所を変え、料理第2弾の野菜鍋の準備に取り掛かった。適量の水に昆布をひき根菜、椎茸、白菜、しらたき、それに生姜を利かした合いびき肉を肉団子風に丸めて入れる。これも格別美味しく煮上がり、またもや冷たいビールで乾杯となった。締めはダシの利いた汁に煮込んだうどんでお腹いっぱい。皆、満腹感に浸りながら就寝となった。
9日・早朝4:00起床、早々にザックのパッキングだけを済ませて5:00出発。
空はきれいに晴れわたり、五月晴れの爽やかな朝であった。コメツガや雑木林が続く山道を快適に登って行く。目先にニリンソウの草花、深紅のムラサキヤシオ、ガマズミ、そして真っ白なコブシの花などが咲き誇っていた。途中、鎖や梯子が続く岩場を慎重に登り詰めた一角に雪渓が広がっていた。明るく見晴らしのよい場所でしばしの休憩、朝食を摂る。後方を振り返ると、そこには青空に映える美しい越後方面の山や谷川岳連峰、尾瀬の山々が望めた。左手前方には、中ノ岳が見えていた。やがて、登山道の木々がハイマツ帯に変わっていた。気づくと開けた武(ほだか)尊山(沖武尊)山頂であった。山頂からは360度の素晴らしい眺望が得られた。頂きには数人いただけ、可憐な山桜の花に見送られるように山頂を下りる。まもなく中ノ岳の山腹を巻いて行く眼下にも雪渓が広がっていた。雪渓を下りた先に水場があり、ホースを通して水が流れていた。「菩薩界の水」と書かれていた。美味しい水で喉の渇きを潤すことができた。この雪渓の下辺りは、池塘が位置するところなのかも知れない。ぬかるみの山道で学生のパーティーとすれ違った。生徒の1人から残雪が多いので気を付けるようにと声を掛けられた。中学生なのか!? 可愛らしい男子生徒からなので、ちょっぴりうれしい気持ちになった。そうこうして何時の間にか家ノ串山に着いていた。そして川場剣ヶ峰岩峰群の鞍部と標されていた稜線歩きからの眺めも素晴らしかった。しばらくはアップダーンが続く道中の両側にも山桜が満開だった。奥深い山に咲く花々に出合うたび、その美しさには感動するばかりであった。
10:15 前武尊の分岐地点に到着すると、Hさんが体調不安を訴えられ、当初予定していたルートの不動岩の岩場越えは無理とのことであった。そこでメンバーの皆さん一人一人に意見を聞きくことにした。結局、皆さんもHさんに合わせるとの返事で、下山口、行き先を変更することにした。このあとすぐにKさんがコースタイムを修正し、旭小屋から川場野営場に変更する時間を示してくれた。その時間に合わせて、早速タクシー会社に携帯から電話を入れ、予約していた時間と場所を変更したい旨連絡し、了解を取り付けた。
メンバーの隊列は、GPS担当のKさん、Iさん、Tさん、そして私。写真撮影担当のHさんにはしんがりを務めて頂いた。前武尊山頂に建つ日本武尊の銅像を拝し、川場野営場を目指す。下山道の途中には結構、急降下の場面もあったが、所要タイム通り約2時間半を切る12:55に到着。そこにはタクシーが待ち受けていてくれた。
13:00 タクシーに乗車。奥利根湯けむり街道一路、川場村の田園風景を車窓に見ながら沼田駅へ向かった。
ご同行くださった皆さま、ありがとうございました。心に残る素晴らしい山旅になりました。
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