7月の山行

滝子沢左俣
                                 
                        
このルートがいいなあ/扇山の東側から撮った滝子山
                                                     *マウスを載せると入れ替ります

【山行報告】

滝子沢左俣 

 今年の梅雨開けは平年より少し早かった。7月になってから連日の猛暑が続き、一気に夏となり、沢モードとなってきた。沢は、年に数回しか行けないし、初体験のAKさんも参加がきまり楽しみだ。
1、日  程:2013年7月13日(土) 
2、参加者:AK、IK(SL)、KH、NK(L) 
3、行  程:我孫子5:33-新松戸5:46/5:50―西国分寺6:47/6:55―高尾7:22/7:26 ?初狩8:21/35-
 滝子沢出会9:10-入渓点(林道の下100mくらい)10:35(750m)―林道10:40(800m)--
 最初の4m滝10:50?大休止11:30(970m)?‐標高1020m北北東の沢へ入りこんで50分くらいロス---
 二俣13:09(1120m)--何段かのナメ状の滝13:30―二俣13:45--二俣14:00―
 15mスラブ滝14:20(1330m)--7mハング滝14:30‐枝尾根の稜線15:45(1515m)-
 主稜線(頂上から南東一つ目のピーク1600m)16:05---着替え後 滝子山山頂16:30(1620m)
 計画では浜立尾根経由で下る予定だったが、遅くなり、三角点経由(1590m)初狩へ下る。
 初狩駅着 18:00/18:18発→ 我孫子 21:06
4、費 用:乗車券 休日おでかけパス  2600  大月~初狩 190  
         往復合計 2960円         
5、持ち物:共同装備 ツエルト ロープ
     個人:沢用の靴、ヘルメット、シュリンゲ、ハーネス、軍手
        水、行動食 、雨具 
        着替え(一式)
6、記録      
 中央沿線から見える滝子山は大菩薩から連なる小金沢連嶺の南端に位置する、大変カッコいい山だ。
 その頂上へダイレクトに突きあげる沢が滝子沢なのだ。滝子山の写真は、昨年の扇山忘年山行で、
 東側から滝子山を写したもの。






初狩から30分ほど笹子に向かって国道を歩き、JRのガードをくぐると、笹子川に滝子沢が合流する。
そこから滝子沢に沿ってしばらく歩く。標高800mで堰堤があり、そこで滝子沢は左と右俣に別れ、
我々は左俣に沿って登る。鳥居の印の少し先で、身支度。滝子沢は水が少なくて、ゴーロ歩きとか、
水が伏流している部分も多く、今回は平均的な水量か。(11年前は二日前に大雨の影響で、

とんでもなく水量が多かった。まったく同時期だが、水温も冷たくて水が身体に当たって、
ぐずぐずしていると、心臓が止まるようだったという人もいた。
数年後の2回目は雷雨のため早々に撤退)




ルート



現在地を確認しながら登ろうと思い、地図に要所要所アルファベットを書いておいた。
身支度を整えて入渓。AKさんも新品の沢靴を履いて、準備万端。IKさんも今度こそはと言う
意気込みがみなぎる。


林道をくぐると、すぐに4mの滝。すいすい越えて行く。



ルートミスする前の小休止、ここまでは余裕でルンルンに登ってきました。


標高1000mで大きく二つに沢が別れるのだが、その20mくらい上で、さらに右から沢が合流する。
その右からの沢へ入り込んでしまったのだ。水の枯れた歩きにくい岩がゴロゴロする沢だった。
前の記憶ではこんな歩きにくい沢などなかったがとコンパスで確認すると、方角が異なる。
正規の沢まで戻ろうと、標高100mくらいを下る。高度計と地図コンパスで沢の方角を確認すれば、
こんな間違いは、生じるわけがない。分岐の沢に入る時に沢の方角をキチンと確認すべき。
まったく基本がなっていない!!おかしいと思ったら戻る、基本に忠実に・・・・ここまでは良かった。
しかし50分のロス。



どれが、屈曲した30mのナメだか、4段40mのナメだかわからないが、次々に現れるものを越えて行く。
ホールドもスタンスも探せばあるし、指先だけのしっかりしたホールドを探して、グイッと身体全体を
持ち上げる時の楽しさは、何とも言えない。



嫌だった滝は、1200m付近で、全体にのっぺりしており、スタンスが少なくて、右側は枯葉で覆われている。
それほど高さのある斜面ではないけど、斜めに左から右下がりに溝が入っていて、
それ以外に手掛かりがない。IKさんはその溝にそって斜面の右から左側へトラバースして登った。
KHさんも同じルートをとった。AKさんは安全を見てその岩の右側の枯葉の積もった斜面を、
登ろうとしていた。ずるずると滑りやすそうだった。カメラをしまってさあ、登るかと思ったら
既にAKさんは滝の上に上がっていた。私も溝ルートは、ちょっとヤバいかなと思い、
AKさんの落ち葉の上の安全ルートをとる。しかしこれが、一筋縄ではいかない。
落ち葉の下は、ぐずぐずに濡れていてその下は、ぬるぬるの岩盤になっている。
AKさんは良くこんな斜面を登ったな、と思いながら、枯葉の吹きだまりの右端の岩などを
つかんでやっとの思いで上に登る。あとで聞いたら、AKさんはその落ち葉ルートは、
あきらめて先頭の二人と同じく、溝のトラバースルートをとったそうだ。以外と簡単に登れたようだ。
ルートの見極めが大事だなと思う。



1330mの15mスラブ滝は、11年越しの雪辱だし、なんとしても登りたかったが、
時間が遅くなっていてIKさんが何度かトライしたが、厳しそうということで左側を巻いた。
結局会から借りた50mのロープは未使用のまま。



1345mの7mハング滝は、写真で見ると登れそうだけど、安全第一で右岸を高巻き。


さらに小さな滝を越える。


標高1430mの二俣。ここで北北東のスラブを登りつめ、山頂と三角点の間の鞍部に
着く計画だったのだが、1410m地点で、西に向かう沢に入り込んでしまったのだ。
今こうして思いだすと、ありえない方角である。(計画ルート20度、我々のルート280度) 
前回悩んだ地点の少し手前で、自分のたどろうとしたルートから外れてしまったのだ。
それも西に向いた沢に入り込んで、斜面で方角を確認しようと思ったが、コンパスを
ウエストバッグごとザックに入れてしまっていて、斜面で取り出すのが、大変。
あきらかに間違っているなと思いながら、疲れも出ていて戻ることもせずに、すでに明るい稜線が
見え始めていたので、もういいや、早く稜線に出たい、という気分になっていた。
これからはコンパスは、ベルトにでもくくりつけてすぐに取り出せるようにポケットに入れておこう。
いろはの「い」だ。情けなくなる。


頼りない立木につかまったりしながら、なんとか平坦地へ出る。
この平坦地は、滝子山の頂上から西へ100mくらいのピークから南に派生する尾根で
、南に200mくらい下ったところだった。東側も西側も岩のゲジゲジがあるし、その間の細い稜線を
なんとか這い上がる。細い稜線の上は、籔もひどくなくてなんとか、木立につかまりながら登る。
先に行くAKさんが突然、「富士山が見える!」・・・・冗談やめてよ、このむしむしする天気でこの時間だし、
見えるわけないよ、と心の中で思いながら、なんとかその場所に登って振り返ると三つ峠の向こうに
富士山のシルエット。ホントだ!!!。
しかしカメラを取り出す元気もなく先へ急ぐ。なんとか、主稜線上へたどりつく。



計画を変更し、最短の初狩ルートで下山することに決定。
山頂を、16:30過ぎに出発、時折、小雨などがぱらついたが、それも止んでしまい、
駅前のコンビニにも立ち寄り、ホームで乾杯。
初狩発、18:18発に乗車した。


結論:滝子沢出合から頂上までの標高差1100mは、私自身きついなあとつくづく思った山行でした。
(ネットで見ると簡単に登っている記録ばかりだったけど)そして、反省点がたくさんあった沢でした。
初歩的なルートミスしなければ、こんなに疲れなかったかも。

    

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