2013年9月の山行

真名井沢




                        簡単な沢をスタスタ登る/小滝の釜にドボン!

真名井沢

■実施日: 2013年9月21日(土) 天気:晴
■参加者: I、O、K N(L) 
■コースタイム:我孫子5:41=神田=国分寺(青梅行き乗換)=青梅(奥多摩行き乗換)=川井8:17バス発 8:24=上日向8:35 真名井橋8:44・・送電線8:53・・とりがや橋 9:10・・入渓点9:38・・530m左岸から小沢10:25・・630m二俣11:12・・魚止めの滝(5m)11:18・・滝の上12:00/20・・奥の二俣830m・・右岸登る900m 13:52・・登山道(赤杭尾根)14:20/50・・古里16:40/17/25 =神田経由=我孫子20:10
■費用:交通費のみ 休日おでかけパス2600円+バス220円  計2820円
■装備:沢靴、ハーネス、シュリンゲ、ザイル(30m)、ヘルメット、行動食、コンパス、笛、
■地図:武蔵御岳、原市場、武蔵日原(1/25000)  


■記録
会山行として、2003年7月に遡行しているのでちょうど10年ぶり。
川井からバス。10分ほどで上日向下車。そこから5分くらいで「まない橋」。真名井沢の出合いらしき流れが確認できない。ここしかないよなと思い、橋を渡ると反対側の欄干には「真名井橋」と書かれている。生い茂った木々の下の方に水流が見えた。これが真名井沢だ。林道が大きくU字形に曲がって真名井沢を「とりがや橋」で横切る。橋を渡って、真名井沢の右岸沿いの道を進む。20分ほどで沢の準備をして入渓。この林道は、ネットで国土地理院の地形図を見ると、書かれていてその林道は赤杭山の中腹まで伸びている。あらかじめネットで最新の地形図を見ておけばとりがや橋の位置もわかったはずだ。
    



「魚止めの滝をなんとか登りましょう、ザイル持ってきたし」軽口をたたきながら先頭から、K、I、O、Nの順で歩く。
入渓後、すぐにワサビ田があった。右にも左にもあって、右側のワサビ田では作業している姿が見えた。こんなところで、と言ったら失礼だけど、まだワサビを作っているんだなあと驚く。
U字型に重機でくりぬいたような川床があったり、どうも雰囲気が今一つだが、だんだん普通の川らしくなる。小さな堰が3~4つあってそれらを乗り越える。堰の一つに、『平成21年の真名井沢復旧治山工事』の看板が貼り付けてあった。ちょうどこの堰がいくつかあるあたりの右岸に、赤杭山へのかなり明瞭な沢があるはずだけど、気がつかなかった。


倒れた大木の根っこが河原から2m近いところに子供の頭くらいの岩が挟まっていたりする。豪雨の時は水量があの高さを上回るくらいになるんだろうなと、Oさんと話す。近頃の異常気象はホント気をつけないといけない。特に沢の増水はこわいが、まあ今日はそんな心配は全く無用だ。
Kさんは地下足袋(わらじなし)で歩くのだ。どんな滝も、実に簡単にへつったり、いとも簡単に登ってしまう。じっくりと足元はよく見ている。よーしあのコースで通過すればいいのか、とまねようとしても、手掛かり足がかりが思うようになかったりするようだ。「ようだ」・・・というのは、私は4人の最後尾なので、Kさんが軽々乗り越えても、後続の、Iさん、Oさんが、苦戦するのを時々眺めて、それなら、もっと簡単なルートをと、探したりする。今回、標高480mくらい(地形図の真名井の名の字あたり)で小滝があった。Kさんは、右岸の岩をちょっとだけ、時間をかけて、越えて行く。その後を、Iさんが続く、同じ処を登り始めるが、どうもつまってしまう。Kさんの登り方は、何とも微妙な岩の凹凸とか、斜面をうまくとらえているのだが、実際その後登り始めたIさんは、うまくいかずに、途中でずり落ちてしまう。私は乗り越えて行く姿をとらえようと、カメラを構えていたので、小滝下の釜へ、ドボンと落ちて左肩まで水につかるIさんを激写。
    

    

私は危険をおかさず左岸を登る。左岸は簡単。今回のKさんは、なるべく困難そうなルートを選んで楽しんでいるようにも見えた。少年のようなOさんは、Kさんのルートをがんばる。
    

530m付近で左岸から流入してくる小沢は、確認できた。高度計はIさんのを時々チェック。今回は、高度計を歩き始めにきちんと会わせておけばかなりの精度で現在地の確認ができると実感した。なかなか雰囲気のいい階段状の小滝が続く。
    

標高570m付近で左岸から流れ落ちる白糸状の滝があった。高さは約10m、壁のような岩面をを幾筋もの水が飛沫を上げて流れている。その前でOさんを写したが、一体ここはどこなんだと地形図とGPSなど照合して、場所を特定した。私の地形図に書いた水線でない、ほんの小さない凹状の地形だった。こんなところを普段も水が流れているんだろうか?(他の人のHPでも 水は流れているのを帰ってから確認した)
    

滝が連続すると緊張するが、傾斜もゆるやかになると、周囲の緑を楽しむ余裕も出てくる。


標高630mの二俣で、左へ。二俣の写真など写していると、三人はどんどん先へ進んでしまう。
すぐに魚止めの滝。


真名井沢の本命と言うか、滝らしい滝だ。Kさんが偵察。「ここ・・・登りますか?」登れるとも登れないとも微妙な発言。私も滝の下まで見に行く。登るとすると水流の右側で、斜めにクラックが走っていて、まずそこに取り付いて、クラックを左斜め上に登り、途中から、垂直に上へ登れそうだが、逆層になっているようだし・・などと各人がじっと眺める。結局安全第一に、私が高巻きして上からザイルを投げますからということになる。滝の左側(右岸)をよじ登り、滝を右下に見ながら、滝の上に出る。滝上から、5mくらいのところに、しっかりした立木があったので、セルフビレーをしてから、ザイルを垂らすが、どうも下までとどかないようだ。30mザイルなので届くわけだからと、落ち着いてもう一度、立木のビレーをやりなおす。今度は大丈夫だろうと思ったら、今度はザイルがからんでいるので、整理して束ねる。慣れないので、時間がかかる。あとで聞いたら、Iさんは一時間くらい前の小滝で身体を濡らしているために、待っていて寒かったようだ。私自身はザイルワークをもう少し練習しておかないといけないなあ。笛の合図で、まずKさんが登り始める。かなりザイルのテンションを気にしながらKさんの登りに合わせて、ザイルを引っ張る。Kさんの次は、Oさんが登ってきた。最後はIさん。ザイルがあると、なんとか登れてしまう。下からみているよりもホールドはあったようだ。


魚止めの滝の上で昼食。12:20出発して10分ほどで両側の谷が狭まりゴルジュっぽくなる。ここからは数mの滝で、まともに水をかぶりそうな滝は、簡単に巻いてピッチも上がり、2~3mの滝はどんどん越えて行く。ゴルジュの間に向こうから陽がさして、その間を先行の3人が登っていく。


標高760m付近の流木が流れに平行に2本立てかけられているような滝に遭遇。Kさんは、丸木を利用して登っていく。2番手のIさんは、ここでは丸木を使わずに、流れの中をまっしぐらに登り始める。カメラを構えるが、しぶきで身体がよく見えない、赤いヘルメットだけが、写真には写っている。岩肌が若干黒っぽくなってしまうために、次回の沢はシャツも赤、青、黄、黄緑 とか、カラフルがいい。あとから写真を見てそう思った。ところで登り始めたIさんは、しぶきの中で必死に登ろうとする。赤ヘルだけが見え隠れする。あの流れの中では、ホールドやスタンスが見えるんだろうか?2回ほど下までずり落ちる。2時間ほど前に濡れてしまっているから、怖いものなしなんだろう。後から登る時の状況を確認したのだが、先頭のKさんが、丸木づたいに登り、上部でずるっと滑りそうになった、それを見たIさんは、Kさんが滑るのではあのルートよりも、水流をダイレクトに登ろうと登り始めたそうだ。しかし水をかぶりながら登っていくと、目は開けられない、呼吸はできない、息が苦しくなる。思わず水から顔を出して、呼吸をしようとすると、胸に直接落下してくる水があたり、その水圧に耐えられなくなり、下に落ちてしまったという。高さで言うと1m強くらいの高さなので、怪我をするほどではない。そんなのを2回も繰り返して、ずいぶん水も冷たくて、寒かったようだ。それを見ていたOさんは、水流ダイレクトも厳しいので、Kルートを丸木を利用して登り始める、丸木を抱きかかえるようにもしていたようだ。Oさんも難なく登る。ここは丸木利用ルートしかないなと、Iさん、Nとそれに続いた。
    

Kさんが登ったルートで、Oさんが動けなくなり、上からKさんが助ける。しかしOさんも怖いもの知らずだ。私は写真をうつしてから、簡単な左岸を登る。


標高820m、最後の二股だ。ここは左にはいってあと少しで沢から離れる。みんな満足感いっぱいで終盤の休憩。


ガイドによると、900mを越えたくらいから左の赤杭尾根に逃げた方がいい、そのまま本流をつめると、ガレ場になったり危険だというので、900m付近から左の斜面を登り始める。籔はなくガレ場でもないが、柔らかい落ち葉と土で、登りにくかったが、ゆっくりと登る。


14:20縦走路。「この登りが一番きつかったと」とKさん。30分ほどで着替えなどを済ませ、赤杭尾根を古里までくだる。10年前の記録では、尾根に13:35に着いている。今回の方が45分時間がかかっている。10人も参加者で、よくその早さで遡行をしたもんだと感心した。みんな若かったんだなあ。

さあ赤杭尾根を下るだけだ。途中、すすきの穂に傾いた陽があたり、その向こうに見覚えのある本仁田山が見えた。古里では16:46の電車に頑張れば乗れたが、近所の酒屋へ立ち寄って、店の中のテーブルで乾杯。350ml私が飲み干す前にKさんは、1000mlを軽く飲みほしていた。

                                      N 記                  
                          

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