5月の山行


鳴虫山
―読図・集中山行―


山頂で全員集合/標高1000メートル付近のシロヤシオ
写真にカーソルを載せると、別の写真が出ます。


実施日: 2015年5月17日
参加者:Aグループ・・・ IT、IN、K、N、H、MA、MU、Y、S ・・・ 男4人 女5人
      Fグループ(A、O、K、F ・・・男2人 女2人  山頂合流までは別に報告)
Aグループ 
我孫子発 5:31(柏経由の場合)===東武日光駅着 8:25 (540m)
東武日光 8:55…志渡淵川8:55…尾根末端9:37 (570m)…平らな尾根9:52(640m)
…展望地10:22(770m)…古い標石10:45(840m)…急登 11:13…北尾根合流11:47 (1032m)…登山道11:49 (1058m標高点)…鳴虫山頂上12:08(1103.6m)
 ◆Fグループ
 8:55含満淵9:05-10:40独標10:50-11:35合峰11:45-12:10鳴虫山(合流)
 山頂到着 12:09  昼食12:10~13:35 …頂上発13:38…神ノ主 山15:22(842m) 
 ◆下山および帰路
  東武日光駅  16:15 /16:31 =19:27 (春日部、柏経由)
    行動時間 7時間25分(休憩含む)
    計画時間 6時間15分(休憩含む)
グレード: B  標高差564m
費用:交通費 東武1750円+我孫子~柏 320円 計2070円
       柏、春日部乗り換えの場合  北千住経由は若干アップ
       食費(共同):250円/人    
個人装備:雨具、ライト、昼飯・行動食、水、救急セット、コンパス、(ストック)
共同装備:ツェルト コッヘル バーナー マット
地図:昭文社 日光   地形図:日光南部(1/25000)
登山届:東武日光駅から100mほどの日光警察駅前交番へ提出

  Aグループ
女峰山を見ながらスタート 今日はここから登りません
日光天然氷の製造プール 山頂への標識、ここでいいでしょうか?
尾根の末端から登ります 急登を登ればなだらかに
と思ったらまた急な登り 770mで展望が開けます
840mで古い石の道標 ヤマツツジはもう散ってます


  Fグループ
登山口の含満淵  木漏れ日の中小休止
 独標にてほっと一息 合峰にて最後の休憩


 グループ~~~山頂でグループと合流

 読図は、山へ行く前に地図をじっくり見る(読む)ことから始まります。参加者には事前にいくつかのPointを書き込んだ地図を送りました。その中で特に注意すべきPointでは、主尾根の角度や、枝尾根の角度の確認をしておくようにお願いしました。
 今まで何度か、コンパスの使用方法を説明してきましたが、初心者もいるのでおさらいです。

 【初心者向け コンパス使用基本の「き」】
 日光駅でまずAグループは、鳴虫山がどちらの方向にあるのか、地図とコンパスで把握してもらいます。
① コンパスの長辺の左側または右側を東武日光駅と鳴虫山の方向へ合わせる。
② コンパスと地図がずれないように、強く押さえながら(ここが重要)回転盤を回して、回転盤矢印と磁北線の北をそろえて平行にさせる。地図の北と南を間違えないように。(ここからは、地図をはなしてコンパスだけを持ちます。)
③ コンパスを身体の前に置いたら、回転盤の赤い矢印と磁針の赤い針がぴったり一致するまで、体ごと回転する。顔を上げれば自分の正面が鳴虫山の方向になる。
④ この時に、プレートの大矢印に回転盤の角度目盛りが何度か?この数字を角度と言っています。東武日光駅から鳴虫山の方向は、235度くらいになればOK。235度というのは、磁北から時計回りに235度回転した方向が、鳴虫山ということ。 
 今回のルートは、志渡淵川上流の尾根を登ります。目的地周辺で注意すべきことは、地形図に記されていることを一つ一つ確認して、進路を確定します。まず、イ)志渡淵川が屈曲している、ロ)志渡淵川が二股に分かれている、ハ)堰堤がある。二)送電線がどの方向に走っているか。
 
 事前にどの尾根を登るのかは、わかっていますから、地図上でその尾根の角度を読みとります。そしてこの尾根だろうというあたりをつけた尾根のなるべく中央に立って、地図で合わせたコンパスを自分の前に持ち、身体を回転すれば、尾根が真正面に来るので、間違いなくこの尾根を登ればいいということになります。(ワンポイント:冬などはあらかじめ、地図の注意すべきポイントに角度を書いておくと、地図にコンパスを当てたりする手間がはぶけます)
 
 すぐに尾根のとりつきが見つかりましたので、ゆっくりと登り始めます。もう少し藪があるかと期待していた人は、なあんだ普通の登山道だねというような感じで登っていきます。あまり尾根の屈曲はないので、見晴らしのいいPointでは、枝尾根の方向を先ほどの要領で地図上の角度と実際目の前の小さな枝尾根の角度を確認したり。高度計と枝尾根の角度などから、現在地の確定ができます。ここからは男体山、大真名子、小真名子、女峰山がよく見えます。
 
 貸し切り状態で落ち葉でふかふかの道をシロヤシオやヤマツツジを愛でながら登ります。登りは上へ上へと登れば頂上付近についてしまいますが、下るときは要注意で、うっかりすると、主尾根を歩いてしまい、主尾根から右や左へ下る尾根の分岐を見過ごします。それがこういう場所ですというような説明をしながら、一般の登山道へ。
 
 ここからは、根っこだらけの登山道になります。頂上には着きましたが、1分後には含満淵からのFグループも登ってきて、ほぼ予定どおりの合流となりました。山頂はアカヤシオが満開の頃(4月末から5月1週)は、登山客が一杯のようですが、今日はちらほらといったところ。ゆっくりと昼食を食べる。MUさんとITさんが準備してくれた、デザートの御汁粉を頂く。新人Oさんの歓迎の御汁粉でした。ここは、南への尾根のど真ん中で登山道ならこんなゆったりは座れないが誰も通らないので、我々で占有。予定の電車には乗れないけどいいですかと皆さんの了解を得て、頂上での休止時間延長(一時間半)下山は今回は読図山行なので、何か所かあらかじめ地図上のPointを指示して、現在地がその地点についたら「ここです」と言ってもらうようにしました。

  東武日光発、東照宮の流鏑馬客の帰りで満員の16:31に乗りこみ、下今市で鬼怒川方面からの電車が連結されて、そちらへ移動したら、ガラガラで、全員着席。ゆったりとビールを飲むことができました。
 藪もないし、危険個所もなく、誰にも会わない静かな尾根でした。低山の読図山行は、脳トレにもなるので、頭の体操と思ってこれからも楽しんでいきたいと思ってます。読図が身に着くと、楽しさが倍増しますし、道迷いも防止できます。 N記

標高が高くなると咲いてました 我々以外は一人も歩いてません
歩きやすい尾根でみんな余裕です ヤマツツジが満開の木もありました
1000m付近の急登です あと少し、がんばれ!
緑のシャワーを浴びて 期待してなかったけど、シロヤシオも
こういう尾根に迷いこみやすいです 登山道に出ました、頂上まで一息
Oさんの歓迎も兼ねて 御汁粉で乾杯
下山前に山頂標識で記念撮影準備 足取りも軽く、全員で下山



 参加者の声
Aグループ
Hさん・・・・あらかじめ地図上に確認ポイントが明記されており、実際に山で行動しながら、自分が何処にいるのか、を考え、周りの状況を見ながら、その確認ポイントを探し出す。このやりかたは非常に良かったと思います。地図読みの力、極論すると(今、自分が何処にいるのか)が地図上でピンポイントで判るということです。読図は登山では必要な力であると思います。より,精度良く、現在地が特定できれば、コンパスで方向を確認して、行きたいところへ行けます。精度が悪ければ、又、地図読みが分からなければ、道迷いして、間違えた尾根を下がって、遭難する危険性を含んでいます。我孫子山の会の一つの力(地図読みの力)の底上げのために、毎年の山行計画には読図シリーズとして何回か計画に組み入れる必要性を感じました。
Kさん・・・今回宇都宮アルプスについで、2回目の読図登山となりました。首からコンパスと地図をぶらさげて、常に地形をチェックしながら歩いたつもりが、ミスと呼べない勘違い思い込みの多さにあきれる登山となりました。石に刻まれた数字を勝手に標高にしたり、コンパスの北と南を逆さにしたまま、度数を計ったり尾根を見つけられなかったり・・・読図の難しさを痛感しました。来年また、読図山行に参加した時に成果が発揮できるよう頑張りたいと思います。でも、Nさん!高度計有り無しの差は大きいですよ~   風薫る5月、東照宮ではやぶさめがあり、鳴虫山(本当にセミが鳴いていた)ではコンパスの矢を射ながら過ごした楽しい1日でした。皆様ありがとうございました。
Oさん・・・鳴虫山は以前から行きたい山でもあり入会して一週間後の初山行でした。上りは2グループに分かれ初参加の私を含め4名で含満ケ淵からスタートしました。一般道にお付き合いして下さつたKさん、Fさん、Aさん有難うございました。コンパスの指導を受けながらあっという間に頂上 、満開の山ツツジと新緑、2000m越えの日光連山をながめられとても感激しました。山頂で合流して皆さんと囲んでの昼食、暖か甘~い善哉のサプライズを事前に準備して下った皆さん有難うございます、ご馳走様でした。今後とも宜しくお願いいたします。
Sさん・・・快晴の山行でいい汗をかきました。下山の道迷いがどうして起こりやすいのか、改めて学びました。このような山行を年に数回していけば、標識の少ない山でも心配せずに入れるとおもいます。
Mさん・・・地図によるルートファインディングはなかなか難しく、かなり慣れが必要と改めて感じましたが、基本的な読図ポイントは身につけられたと思います。


Fグループ
FUさん・・・Aグループと日光駅で別れ登山口の含満淵にタクシーで向かう。含満淵にあっと言う間に着き、身支度をしてKWさんを先頭に、OGさん、ABさん、FRの順で歩き始める。早速新人のOGさんにKWさんが地図読みのレクチャーを始める。私もやるべき立場なのだが教えるほど知識が無いので助かる。
 急な登りが多いが道は整備されていて歩き易い。一部滑りやすい急登りがありロープが張っている場所があったが、慎重に行けば問題無い。
 OGさんの足取りは軽く、体力は十分に思える。又、すっかりメンバにもうちとけた感じで嬉しい限りである。
 ポイント毎にゆっくり休憩をとり、ゆったりと歩く。Aグループは難路なので時間が掛かるだろうと踏んでいて、時間調整の意味合いもあった。道は新緑が綺麗で山つつじが美しい。アカヤシオがなかったのは残念ではあるが。
 合峰を過ぎ、山頂に近づいた頃、聞き慣れた声がする。どうやらAグループと合流した様だ。意外にもAグループは早く、測った様にぴったりの合流であった。
 合流後は山頂でゆったりした時間を過ごす。新人歓迎のお汁粉が妙に美味かった。又、女性陣が漬物を持ってきてくれたので、色々な味が楽しめた。新人のOGさんも、同世代の女性が多かったこともあり、すっかりうちとけた様子であった。
 尚、その後NKさんから地図読みのレクチャーを受けたが、目が点になる話があった。私が如何に直線しか見ていないかということが解った。四方八方に目を配らねば。渋い山好きを自負している割には地図読みの基本ができていなかった。良い勉強になった。