山頂手前 氷柱群 |
1. 実施日: 2017年2月25-26日(土・日) 2.参加者: 男性5名、女性1名 計6名 3.行 程: 初日:我孫子(6:10)(車)→銀山平駐車場(10:10/10:35)→ 一の鳥居 (12:10/12:20)→ 鏡岩(13:30/13:40)→ 庚申山荘(15:10) 2日目:起床(4:45) 庚申山荘発(6:40) → 一の門(9:40/10:00) 庚申山荘(11:15/13:00)→ 一の鳥居(14:05/14:15) → 銀山平駐車場(15:30/16:00)→(足尾親水公園・SAでの夕食後)我孫子駅(21:30) 4.装備: 冬季雪山避難小屋泊一般装備 5.費用: 約6,400円 (会員自家用車関連費用4,230円、宿泊費2,050円、雑費 130円) 6.標高差: 約1,100m(2日) グレードC |
庚申山荘の向うに庚申山が |
8世紀に勝道上人が開山した修験の山で、江戸時代には講を組んでのお山参りで賑わったという庚申山に1泊2日で入山した。 庚申山は冬季入山者が少なく、WEB等の山行情報もほとんどないので、現地情報は日光市の足尾総合支所に頼った。それによると、上部の積雪は多分1mを超えており、トレースがなくラッセル必至でワカン等があった方が良い、ハシゴ等危険な場所もあり注意が必要、できればヘルメットもと親切に教えて頂いた。 ■初日; 6時10分、Khさん車で6名が我孫子駅前を出発した。天気は晴れ、登山口に近い銀山平駐車場(標高約810m)にほぼ予定通りに到着。周辺の積雪はほぼゼロであった。 駐車場をほぼ予定通りに出発。登山道入口の「一の鳥居」(標高約1200m)迄の林道には大小無数の石がゴロゴロ転がっていて、「落石には十分注意して下さい」との足尾総合支所担当官の言葉を思い出しながら歩くと、1時間40分程で一の鳥居に到着。 登山道に入ると積雪は30~50㎝程に増えた。トレースはないがルートは割合はっきりしている。ツボ足のまま進み、鏡岩、夫婦蛙岩、仁王門等を順次通過。天気と雪の状態は良く、歩行は順調に進み3時前に宿舎の「庚申山荘」とお山巡り方面の分岐、旧猿田彦神社前に到着。このあたりに来ると積雪量は1m近くとなった。山荘方面に 向かうと時に膝上まで沈み込むような状態で、役所の情報は正しいと確認できた。 庚申山荘(標高約1500m)は、2階建、40人収容の立派な無人小屋だが、当日は我々6人だけの貸切り状態。1階入口近くには10人程が着席できる木製テーブルと椅子が置かれた部屋があり、その奥には7-8人用の寝室が2つある。 2階にはビニールマットの敷かれた8畳ほどのオープンスペースがあり、その奥には左右に各12-3名程が眠れる続きの部屋が2つ。 昨春菰釣山避難小屋で寒い目にあった経験から、ここは天井が高いのでさぞ寒かろうと想像していたが、2階は1階と比べ2~3度室温が高いと感じる程暖かかった。 早速2階に宴会スペースを設営し、別途寝床を確保して宴会に取り掛かる。 2台のガソリンコンロに着火。1台は闇鍋用、1台は湯沸かしと暖房用である。 ゴーゴーと音をたてながら青白く燃えるコンロの火が美しいと、Tkさんが写真撮影。湯が沸くと各自持ち寄りの材料が鍋に投じられ、乾杯と談論風発の楽しい時間が始まった。鍋は600グラムもの豚肉を持参した人もいて、皆必死で食べたが結局一部が残り、締め用に用意されたうどん玉と共に翌日の朝食に充てることにして1日目の夕食は無事終了した。 狭いテントでの宴のひと時が、何ものにも代え難い幸せと感ずる山男にとっても、これほど広く快適なスペースを独占した宴は、あまり経験したことのないものだったのではなかろうか。 尚、庚申山荘には布団が備え付けられている。湿った感じの布団との情報もあったが、我々が泊まった時は良く乾いており、シュラフにもぐった上で布団の間に入るととても暖かく、熟睡できた。 ■2日目: 4時45分起床。前日に引き続き無風・晴天の絶好の登山日和である。 前夜の鍋の残りを使ったうどんで温かい朝食をとった後、サブザックを持ち6時40分、予定より25分遅れてTkさんを先頭に標高差約400mの山頂に向け出発。ところが猿田彦神社分岐まで戻っても、山頂へのルートが見つからない。暫く探し回った後で、昨年6月庚申山荘に宿泊し、翌日庚申山経由皇海山に登ったKhさんから、山頂へはもっと小屋に近いところを上がった気がするという意見が出され、単独で小屋方面に偵察に戻られた。すると小屋を降りてほんのすぐの場所に分岐点の道標があるのが見つかったのである。当日出発時は気がつかなかったものだが、このために1時間弱の時間ロスが出て、後の行程に影響を与えることとなった。 改めて山頂に向けて登りだしたが、途中凍結したハシゴ場や、キレ落ちたトラバース等、やや緊張する場所が数か所あるとともに、雪の状態は良かったもののトレースがなくラッセルが必要なところが多くあって、スピードがなかなか上がらない。 こうして、やや急な斜面を登って一ノ門と呼ばれる地点に立った時点で9:40になっていた。残りはまだ150m程の急峻な登りがあるので、それまでのペースで行くと山頂到着が11時頃となると思われ、計画に比べ2時間以上の遅れとなっていた。 時間計算をすると駐車場到着が7時頃になり、途中からヘッドランプを使うことになるばかりか、我孫子着が11時を過ぎると思われたため、SLのTkさんと相談した結果、残念ではあるが登頂を諦める決断をし、庚申山荘に引き返した。 山荘に戻り、前庭の雪を被ったテーブルで、Mtさんから頂いたおいしいパンなどの昼食をとったら、あまりの天気のよさと風の無さに眠くなるような幸せな時間を過ごすことができた。山頂に登れなくとも、山にはこういう楽しみがあることに気づけたのは収穫だった。 山頂に登れなかったのは残念だったが、快適な山小屋で皆と一緒に鍋を食べ、お酒を飲んで愉快な会話を楽しむ。また雪の中で身体を動かして良い空気を吸う。 山に来る別の楽しみを味わえた山行であり、良い冬の旅であったと思う。 ご参加の皆様、ご協力どうもありがとうございました。 (Mt記) |