~6月の山行~

甘利山~千頭星山~薬師岳
1672m     2139m      2780m


薬師岳山頂から白峰三山を望む/レンゲツツジ咲く甘利山より富士山を望む


実施日:2017年6月17日(土)~19日(月)
参加者:5名(男性:4名、女性:1名)
コース&タイム
【1日目】
 6月17日(土)
布佐5:11-湖北5:19-我孫子5:31-北千住5:53-6:01日暮里6:09-6:30新宿7:00-(スーパーあずさ1号) -8:37韮崎8:50-(タクシー)-9:40甘利山グリーンロッジ10:05→10:20甘利山(1672m)10:30→11:10奥甘利山(1843m)11:15→12:05大西峰(1843m) 12:15→12:40千頭星山(2139m)(昼食)13:10→14:55大馴鹿峠(幕営)
【2日目】
 6月18日(日)
起床4:30大馴鹿峠6:30→9:25苺平9:40→10:10南御室小屋(幕営)11:10→12:20砂払岳(昼食)12:50→13:30薬師岳13:40→14:50南御室小屋
【3日目】
 6月19日(月)
起床4:40南御室小屋6:50→7:30苺平7:35→8:50杖立峠9:05→10:00夜叉神峠10:20→10:40高谷山10:45→11:00夜叉神峠11:20→12:10夜叉神峠駐車場13:00-(タクシー)-13:55甲府(昼食)15:03-(あずさ20号) -16:09立川16:13-16:19西国分寺16:33-17:31新松戸17:34-17:49我孫子
携帯装備:初夏のテント泊縦走登山の一般装備
経費(1人分):合計\14,570
  交通費 \11,310(電車:\8,310、タクシー:\3,000)/幕営料(南御室小屋):\500/その他(食材、ビール、昼食(ほうとう)):\2,760


【プロローグ】
 当初の予定は北岳でキタダケソウに会いにというサブタイトルであったが、広河原までのバスは運行期間外で、更に通行規制中でタクシーも入れない。まさかと思ったがどうしようもない。夜叉神までは入れるが、広河原まで歩くと5時間は掛かる。よって変更せざるを得なく、山行企画係リーダ-のMKさん及び4月例会で参加表明された3名の方と相談し、最終的に当ルートとした。理由として、甘利山は丁度レンゲツツジが満開のシーズン、ということと、千頭星山~大馴鹿峠~苺平のルートはかねてから歩きたいと思っていた個人的希望に因ることもある。
 但し、この大馴鹿峠越えルートは古いガイドブックにしか掲載がなく、果たして通れるのか? という不安が募る。現地に2度問い合わせてみたところ、共に“危険な所は無い。指導標も随所にあるが、道迷い注意すること。”とのこと。危険な所は無いということで、このルートを決行することとした。
 4月例会で参加表明された3名の方は引き続き参加して頂いた。ありがたい限りである。加えて紅一点KDさんが参加されることになり、花が咲いた様である。とにかく信頼できる足並み揃ったメンバーが集まり、山行が楽しみである。

写真の説明の後に*がついている写真は、クリックすると拡大判が見られます。

【1日目】
 7:00新宿発のあずさに乗り込む。かなり混んでいるが、想定通りである。当初鈍行で行く予定であったが、MAさんの提案で特急使用とした。1日目の行程を考えると当然である。
 韮崎より予約しておいたタクシーに乗り込み甘利山登山口に着く。この地点でもうレンゲツツジが目立つ。甘利山山頂には直ぐ着いたが、レンゲツツジが美しい、加えて富士山が綺麗に見える。登山者はかなり多いが、気軽に登れる展望の良い山で、人気があるのも良く解る。

いざ出発* レンゲツツジ咲く甘利山山頂*

 これから若干の登りで千頭星山に向かう。足並み揃ったメンバーであるが、私自身が不調で、性懲りもなく重い食材持って来て重荷になっているのに加えて、リュックの調整を怠り皆に手伝ってもらう失態を。情けないリーダーである。
 ようやく奥甘利山に着く。ここは地味ではあるが、山ツツジが満開で、富士山は正面に見え何となく趣がある。私個人的に隠れ名ピークと思っている。

奥甘利山山頂より山ツツジをバックに富士山を望む* 一般ルートの終点である千頭星山山頂にて*

 
 ここから千頭星山までは牧歌的な気持ちの良い道。ややあって千頭星山の山頂に着く。展望の無い山頂ではあるが、一般ルートの終着点になっているため、5パーティー位がいて結構にぎやかだ。ここで昼食をとりこれからの難路に備える。

 さてここからは苺平に向かう道は今回のメインコース。展望台を越えた後、難路に入り、途中長いロープで補充している危険個所があり、ここはロープ無しでは怖くて下れない所である。その後は危険箇所は無いものの、迷い易い道で、指導標となるテープを見落とさず慎重に進む。テープはかなり古いものが多いがそれでも目安となり有難い。
 ようやく大馴鹿峠に着くが15時頃になっていた。これから先も難路で、かなりの登り。南御室小屋まで行けないこともないが、日没まで着かない可能性もある。全員疲れ気味につき、水も十分あるため、ここで幕営する。全員一致の意見であった。但し、私的にはここでの幕営はある程度想定内で、ネット情報でもここで幕営したケースが報告されている。しかし、さすがにテント場でもないところでの幕営は、計画には挙げられなかった。
 大馴鹿峠は気持ちの良い草原で、NMさんの憧れの地でもある。夜に鹿の鳴き声が響くのどかな所である。幕営中に苺平側から一人の若い登山者が下りてきた。このルートで出会った唯一の登山者で、甘利山登山口に車を置いて未明に出発し、薬師岳までピストンしたとのことで、恐ろしく健脚である。苺平までの道は急登ではあるが、危険箇所はないとの情報をいただき一安心する。
 時間的にゆったりできるので、乾杯をし、KDさん特製の焼きうどんを美味しく味わう。疲れている上酔いが回って、20時頃には床につく。夜中には鹿の鳴き声が怪しく響いていた。尚、明け方近くに雨が降った様だが、起きる頃には止んでいた。

大馴鹿峠にて幕営* お世話になった思い出の大馴鹿峠*



【2日目】
 4時半に起床し、朝食をとって大馴鹿峠を後にする。苺平まで急登りの難路が続くとのことでちょっと身構える。時々不明瞭な箇所があるが、テープが随所にあり見落とさない様に注意すれば迷うこともない。大崩壊地の脇を通ったが、ちょっと離れているので、大崩壊地を間近に見ることはなかった。やや急登ではあったが、道はしっかりしていて、歩き易い。結局、前日の千頭星山~大馴鹿峠間の方が遥かに難路であった。
 ようやく苺平に着きメインルートと合流する。とにかく、無事大馴鹿峠越えルートを踏破したということで、ほっとした。暫くして南御室小屋に着き幕営する。ここのテント場は広くゆったりできる。水も豊富で快適なテント場で、特に美味しい水が有名だ。

 
苺平に着きほっと一息* 展望抜群砂払岳からの白峰三山*

 
砂払岳から富士山を望む* 改装中の薬師岳小屋

 ここから荷物を置いてサブザックで薬師岳まで往復する。やはり空身は楽である。森林限界を超えた後、薬師岳手前の砂払岳に着くが、ここからの展望が圧巻で、富士山や白峰三山、遠くに塩見岳から右手には仙丈ケ岳まで良く見える。あまりにも展望が良いので、昼食はここでとることにした。
 ここから薬師岳に向かう途中、薬師岳小屋は改修工事のため閉鎖になっていた。素朴な山小屋が多かった南アルプスにも近代化の波が来ている。取り残されているのは農鳥小屋だけか?
 薬師岳小屋から直ぐに薬師岳の山頂に着く。鳳凰三山に一角であるこの山は、山頂が広い。残念なのは、僅かの間で曇り気味になったことか。
 テント場に帰った後、雨が降り出したが、山行中に雨に会わなかったのはラッキーだった。ビールで乾杯し、夕食のおでんを食べ、この日も早目に床についた。

 
薬師岳山頂にて* 広い南御室小屋のテント場

南御室小屋をバックに全員集合*


【3日目】
 最終日は夜叉神峠までの快適な道。天気も最高である。途中、杖立峠で小休止をし、夜叉神峠に着く。峠から見る白峰三山は特に素晴らしい。尚、峠で出会った夫婦は何と我孫子在住とのこと。もう少し若ければ入会を誘ったのにと残念に思う。
 峠にザックを置いて、最後のピークである高谷山をピストンする。高谷山には20分程度で着いたが、樹木に囲まれ展望は今一であった。樹木の間から北岳が見えるが、夜叉神峠の方が遥かに展望は良い。当初はここから桃の木温泉に行く予定であったが、難路な上時間がかかるので、峠からのピストンとした。
峠よりタクシーを呼び、駐車場のある夜叉神の森に向かう。最後の歩行で良い道ではあるが、意外と長い。夜叉神の森に着いて一服したら丁度タクシーが着た。甲府駅に着き、名物のほうとうを美味しくいただきゆっくりと反省会でくつろぐいだ後、特急あずさで帰路についた。

【総括】
 天候に恵まれ、又、大馴鹿峠越えのルートも情報通り危険個所は無く、白峰三山の展望は素晴らしく、良い山行になったと思う。思い起こせば、レンゲツツジの楽園~静寂の難路~のどかな草原の峠~白砂の絶景ピーク~鳳凰三山一角の白砂の広い山頂~白峰三山の好展望の峠、とバライティに富んでいた。
 交通手段の関係で北岳に行けなかったのは残念だが、今年の南アルプスは異常に雪が多いとのことで、もし広河原まで行けたとしても、北岳は大樺沢あたりから相当な積雪で、アイゼンとピッケルの世界だった様子であり、かなり難儀な山行となっていたかも知れない。怪我の功名と思える。
 とにかく、今回もMAサブリーダーを初め、参加者の皆さんに大いに助けられた。参加者の皆さん、どうもありがとうございました。“伝説の山行”とまでは行かなくても、“思い出の山行”の一つ位に加えていただければ幸いです。
2017/08/08 FR記 

夜叉神峠にて白峰三山をバックに* 最後のピーク高谷山山頂にて)

夜叉神の森に到着 お疲れ様でした!

 
 
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