キャビンより岩手山を望む |
外輪より噴火口跡 |
・実施日:2017年7月9日(日)~11日(火) |
・参加者:3名(男性1人 女性2人) |
・行 程: |
9日 (東北新幹線)上野駅7:42発→盛岡駅9:52着~レンタカーの手続後10:20<市内巡回バス>― 石川啄木・宮沢賢治青春館10:35-盛岡駅⒓:00-(昼食)―盛岡⒔:00―岩手山焼走り 国際交流村キャンプ場15:00(天文台観測体験17:00~19:00) |
10日 焼走りキャンプ場登山口6:00-第1、第2噴出口跡8:00-ツルハシ分かれ10:15-平笠不動避難小屋 ⒒:45-岩手山(薬師岳)⒓:55-平笠不動避難小屋⒔:35-ツルハシ分かれ14:15-第1、第2噴出跡 15:30キャンプ場登山口17:40―八幡平温泉郷宿泊地所18:10(八幡平ハイツ泊) |
11日 宿泊所8:00―黒谷地湿原(P)8:45―熊の泉9:00-安比岳分岐9:50-源太森10:00-陵雲荘10:30 -八幡平⒒:00(昼食)⒒:30―陵雲荘⒒:40-源太森⒓:00-安比岳分岐12:10-熊の泉12:25- 黒谷地湿原(P)12:40-道の駅⒔:10-温泉入浴15:10-車両の返却17:00- (東北新幹線)盛岡駅17:50発―上野駅19:58着―<ときわ>上野駅⒛:30発 |
《概 要》 9日 晴れ 朝早くから都会の雑踏と熱気の中、上野駅の新幹線乗り場でMHと私はHさんを待った。 笑顔で手を振るHさんと合流して7時42分<はやぶさ3号>に乗り盛岡に向う。 全指定席で穏やかに会話が弾む旅の始まりとなった。盛岡駅前でレンタカーの手続き済ませ、 一旦、車は留め置き、市内巡回バス『でんでん虫号』に乗り20分程で《啄木・賢治~青春館》をめざした。 この重厚でおしゃれな建物は明治43年に竣工した旧第九十銀行本店を保存活用して石川啄木と 宮沢賢治が青春時代を育んだ盛岡の街と二人の青春時代を紹介されていた。 重要文化財の建築物の中で三人はほっとするひと時を過ごした。盛岡駅へ12時に戻る。 気温は35度、暑いこと暑いこと!『ご当地グルメ』の(じゃじゃ麺~チータンタン)昼食だがその味覚は 私の口に遭わないかな? 13時、レンタカー<ワンボックス車>で国道4号線から西根ICに 向かう途中の大型スーパーに立ち寄り、食材と飲み物の調達をした。国際交流村の(焼走りキャンプ場)に 15時に到着した。この施設には温泉施設と天体観測を体験できる天文台、そしてオートキャンプ場と キャビン村。真正面にドンと岩手山がそびえ立つ姿は圧巻だ。泊り客は私達だけだ。 「焼走りの湯」で汗を流した後の楽しみは自炊ステーキ、刺身、サラダ、おつまみなどの夕食を済ませ 1分程の所にある<岩手銀河ステーション天文台>に向う。 予約制だ。(19時~21時まで) 『2時間の体験ができる。天気も良い。初めての体験でワクワクする!』爽やかな風。この時期には木星、 土星が観測できるらしい。受付を済ませ三階に登る。観測室に入ると天文台長らしい方と若い家族の 三人が既に来ていた。望遠鏡は500ミリ反射望遠鏡で凄い設備機器に圧倒される。 星空のファンタジーの世界が始まった。月、木星(2,1等)土星(0,0等)そして北斗七星の上から 2番目の星の斜めに隠れている「ミザル」も確認した。オーロラ観測では肉眼では見る事が出来なかった 「ミザル」を観測! こんなに輝いていたとは!~感激した。 満ち足りた思いでキャビンに戻る。 |
岩手山焼走りキャンプ場<キャビン> | |
岩手銀河ステーション天文台 |
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天体観測 | |
10日 晴れ 4時起床、朝食を軽く済ませ、おにぎりを作り、行動食、常備食として各自は持つ。他、装備を確認する。 このコースは水場がないので少なくとも2ℓ以上の水が必要な道だ。朝からこの暑さ、水分補給が重要な鍵と なる山行と思った。Hさん、MHも十分な水を用意し私も3,8リットルの水をサブザックに入れ山行に臨んだ。 焼走りキャンプ場と隣接している駐車場に車を置き登山届を投函して6時に登り出す。緩やかな登りの樹林帯が続く。 風も無く汗が吹き出す。(平日のせいなのか登山者の姿も少ない。)やがて丸太柵の階段状の登山道が現れ傾斜も 徐々にきつくなるが、なかなか高度があがらない。水分補給と休憩をこまめに入れて焦ること無く登る。 ミヤマカラマツ、ミヤマハンショウヅル、ハクサンチドリ、ヨツバシオガマ、キバナノコマノツメ、ヤマオダマキ、 サンカヨウなどの花々が咲きシラネアオイの花も・・花に元気をもらう。2時間程で登山道の脇に溶岩の流れた 第2噴出口跡・第1噴出口跡を抜けると視界が開け心地良い風にほっとする。火山帯のザクザクした 砂礫の斜面をスリップしながらひたすら登る。『きつい!!』1時間位だろうか。 遂に高山植物の女王【コマクサの道】に出る。両斜面に満開のコマクサに圧倒される歩きが延々と40分位続く。 興奮する。『来て良かったー!』しかし山頂はまだまだ。 ツルハシ分かれの分岐(上坊神社コースと合流)この辺りから暑さと傾斜のきつさに再び汗を流すが、 歩調を整え高度を上げる。標高1700辺りから山腹の西側に回り込む樹林帯の道を抜けて平笠不動避難小屋に 着いた。小屋の外で昼食。凛とそびえ立つ気迫に負けそうになるが『頑張る』との思いを秘めて山頂を目指す。 凡そ40分「薬師岳」に登頂した。山頂には7~8人の人がいた。山頂は噴火口を回わる(御鉢巡り)で 昨年の7月に登頂した雌阿寒岳に良く似ているなと思った。頂を踏んだことに喜びでいっぱいだ。 設定時間より大幅に遅れている。のんびりとせずに下山に切り替える。 平笠不動避難小屋を下った辺りから空模様が怪しくなり雷鳴を聞く。MHは雷雨の危険を感じたのか、 ツルハシ分かれの分岐を過ぎコマクサロードで写真を撮ろうとしたが、『窪地が多数あるこの下の道まで少し急ごう!』 とのアドバイスで登りは40分かかった不安定な傾斜のある溶岩地帯の砂地を15分で下り、樹林帯に入りほっとした。 足場の悪いところを必死に下ったせいだろうか。足に力が入らない。ほどなく傾斜が少しゆるくなると足の感覚も 戻る。空は明るくなり一安心するが蒸して暑い。体力をどんどん奪われていく感じがする。きつい下りだ。 こまめに休息を入れながら第2噴出口跡から2時間ほどで焼走り登山口の駐車場に着いた。 545m地点から登り出しの標高差1493mのロングコースに加え、気温は35度はあろうか? 11時間40分の行程となった。久しぶりにきつい山行だった。 『Hさんと一緒に、がんばったね。バンザイ!!』駐車場から30分程、車を走らせ今夜の宿「八幡平ハイツ」の 湯で汗を流した。夕食は美味しい料理と「おすすめ地酒」と生ビールで乾杯。 (三人は温泉と美酒に酔う) |
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焼走り登山口 | 溶岩の流れた第1、第2噴出口跡を過ぎる |
ツルハシ分かれ手前 | 平笠不動避難小屋 |
平笠不動避難小屋より岩手山を望む
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ウコンウツギ | ヨツバシオガマ |
カヨウサン | ミヤマキンパイ |
コケモモ | 薄いピンクのハクサンチドリ |
コマクサの道 |
11日 晴れ 8時に宿を出発。八幡平アスピーテラインを経て30分で1432m地点に位置している黒谷湿原バス停の駐車場に着いた。 爽やかな風が吹いて心地良い。なだらかな小道を15分歩くと水場「熊の泉」を過ぎ、整備された木道を20分程行くと 安比岳分岐、黒谷地湿原に入る。火山から噴出物が川の流れをせき止めてできた湖面には青空を映す。 アオモリトドマツに囲まれワタスゲの花が一面に咲いている。こんなにも沢山のワタスゲを見るのは初めてだ。 ハクサンチドリ、チングルマ、ニッコウキスゲ、ミヤマキンポウゲ、ハワハゼ、カラマツソウ、ミズバショウの花々も 負けずと咲いている。花の楽園。今日は足取りも軽やかで鼻歌でも歌いたい気分になってくる。 源太森から陵雲荘へ原生林に囲まれた八幡沼、沼を見下ろすように平らな頂上に展望台がある。 ここまで40分の道のりだ。沼と岩手山を主に360度に山々を一望できる展望台で一休み。 (昨日の山行がよみがえってくる。)ここから八幡平まで5~6分。八幡平への合流点で徐々に登山者も 多くなって来た。11時に八幡平に着く。ピークは無く木立に囲まれていて広い。 見晴らし台に上ると2~3人の人が休んでいた。私達も昼食とした。(湿原の中に長いポールがあちらこちらに 立っているのを不思議に思っていた。)ここの見晴らし台の脇にも同じ高さ3メートルの<300>と 書かれた記号のポールがあった。地元の登山者の話では八幡平は、なだらかな山々のせいで、 冬になるとその番号ポールが目印の位置標識となっていると教えて下れた。何メートル間隔で立って いるのかは分からないが八幡平<300>ここを起点にして数字の数が減っていく事が分かった。 黒谷地湿原周辺では<280~270>の番号となっていた。30分後、来た道を散策しながら下り「熊の泉」で 冷たく美味しい水を飲み、木道の分岐で右の木道へ曲がらないと行けないのに直進してしまった。 すぐに気付き12時30分に駐車場に着いた。昨日お世話になったホテルで入浴をして 松尾八幡平の道の駅により松尾八幡平インター経由で盛岡駅に17時に到着してレンタカーを返却。 17時50分発<はやぶさ28号>に乗り19時58分上野駅着。 常磐線⒛:30発<ときわ>に乗り、最後の思い出話に花を咲かせた。 (MS記) |
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黒谷地湿原の登山口 | 稜線を歩く |
黒谷地湿原、一面のワタスゲ<逆光の写真です> | 沼の奥に岩手山 |
八幡平見晴らし台 | 八幡平山頂 |
コバイケイソウ | イワカガミ | アカモノ |
ワタスゲ | チングルマ | ヨツバシオガマとミヤマキンポウゲ |
ハクサンチドリ | ニッコウキスゲ | ミヤマカラマツソウ |