赤石岳(3120m) 悪沢岳(3141m)縦走........
私の記憶にあるあらゆる頂上の中で、赤石岳のそれほど立派なものはない。 (左奥赤石岳) 荒川岳の続きとみるにはあまりにこの山は立派すぎる。南アルプスでは屈指の存在である。 (手前右悪沢岳)(深田久弥著日本百名山から) |
概要 でかい、深い、高い、長い、静謐!7月末には北アルプスの魅力を堪能した。 今回は南アルプスの神秘的かつ厳しさを備えた魅力を十二分に楽しめることができた感激的な4日間であった。 赤石岳(3120m)小赤石岳(3081m)前岳(3068m)中岳(3083m)悪沢岳 (3141m)丸山(3032m)千枚岳(2880m)3000m超6座2880mの千枚岳と計 7座の山頂を踏むことができた。 今回もISLの好リードと参加3人の足並みの揃った歩調でほぼ予定通り または若干短いコースタイムで歩くことができた。2日目、3日目と強風に見舞われ一時はどうなることかと危惧したが、3日目午後から素晴らしい好天に恵まれ360度のパノラマ眺望を心ゆくまで楽しむことができた。お花畑も素晴らしかった。お花好きのKさんは特に千枚岳の手前ではほとんどハイテンションで楽しんでくれた。赤石小屋・荒川小屋・千枚小屋ともに極めてきれい。布団毛布も乾いており快適。従業員も親切、トイレは外の別棟でまずまず清潔。小屋のつくりは赤いギザギザの屋根が特徴的でほぼ共通。初日生姜焼き2日目荒川小屋名物カレー3日目ハンバーグいずれも美味しかった。また3日目夜千枚小屋での降るような星空の美しさには心を奪われ絶句しばらく眺めいった。素晴らしい5日間であった。同行いただいたIさんKさん本当にありがとうございました。 ・実施日 2017年8月23日(水)~27日(日) ・参加 ISL・K・HL ・費用 高速バス 往復17000円 赤石小屋・荒川小屋・千枚小屋9000円*3(1泊2食)27000円 計44000円他昼食・飲物・風呂 23日(水) 23:00竹橋発→途中数回トイレ休憩→井川ダム・白樺荘で各30分時間調整。 最高尾3列シートのためリクライニングがあまり効かずかつエンジン音が大きい。 更に山道で揺れが激しくほとんど眠れない。 24日(木) 6:15畑薙第一ダム夏季臨時駐車場着。東海フォレストバス6:30発の臨時バスに運よく乗れた。 我々3名が最後で28名満席。乗車時3000円支払い小屋代金と相殺。 7:40椹島ロッジ着(途中白い髭のおじさんから景観や花他のガイドあり) (当日は見られませんでしたが唯一林道から赤石岳が見えるスポットからの映像が「南アルプスライブカメラ(HP)」で 見られるとの案内あり。直前の映像が見られます。一度是非観てください。) 8:30椹島ロッジ(1123m)出発・曇。登り口に登山届を入れる。鍵はない。さび付いており何か心もとなし。下山時確認 すると他の1通とそのまま入っており回収する。 鉄のはしごを登る。ジグザグのいきなりの急登。展望は何もない樹林帯のウッソウと苔むした道を延々と登る。 歩き始め3時間位のところで私の左右の膝の上に違和感を覚える。どうも痙攣の前触れのようだ。 漢方の芍薬甘草湯を飲みしばらく行くと両ひざの上げ痙攣ををおこしてしまう。 2008年5月奥穂高以来。奥穂の時は左右の太ももの痛みがグルグル回ったがその時ほどひどくはないようだ。 塩分水分を補給し両足をマッサージお二人には早めの朝食を摂ってもらう。私もマッサージをしながらおにぎりをほお ばる。結局 30分くらい休みをもらい迷惑をかけてしまう。おかげさまでその後4日間何とかもってくれた。 寝不足のせいか。 その後も眺望のない樹林帯を延々と登る。 歩荷返しを通過。「小屋まであと30分だよ」の標識に励まされ予定より早く 15:00過ぎに赤石小屋(2535m)に到着。 早速テラスで乾杯。長かった。そのうち雲が晴れてきて赤石岳が姿を見せて くれる。でかい!! 遠くに奥聖岳、その後に一段と高い聖岳が美しい姿を見せる。まさに至福の時。 初日の夜風が凄い。小屋の中でもゴーゴードカンドカンという感じ。 明日はどうなることか。 正味歩行時間5:30 総歩行時間6:30 標高差1412m |
ロッジ出発 | |
樺段 | 椹島と赤石小屋の標識 |
歩荷返し | 赤石小屋で乾杯 |
25日(金) 朝になっても風は止まず。外の様子 を見ながら他のグループの方も不安そうにしながらも出発の準備をする。 幸い雨は降っていないが風が凄い。 6:30出発。稜線に出るまで風は静か。岩場の登り、油断はできないそのうちベテラン風な人も含め何人も引き返してくる。 口々に「風が強く立っていられない。エスケープする。」どうする。とにかく稜線に出よう。何とか赤石岳の山頂は踏んで赤石岳避難 小屋でしばらく様子を見ようとの結論で山頂に向かう。10:50何とか山頂着。もちろん展望なし。 山頂は雨と風で誰もいない。(3人での写真は残念ながらありません。) 避難小屋に向かう。 昨日から相前後して歩いている埼玉の単独男性が声をかけてくれる。「避難小屋はストーブがあり暖かです。 小屋のご主人に元気を貰いました。荒川小屋に向かいます。」今日初めて前向きな声かけで勇気がわく。 小屋には学生グループや何人かが暖を取っている。 そのうち福島からのご夫婦が荒川小屋から到着。 いきなり奥さんが「死ぬかと思った。大聖寺平の風がものすごく引き返し様子を見てようやく着いた。」途中すれ違ったヘルメットを かぶった男性も「後ろを歩いていた人が2~3m飛ばされた。」と。もうしばらく様子を見たほうがよさそうだ。しばらくすると小屋の ご主人が「だんだん風もおさまるだろう」と。 避難小屋発。 13:50大聖寺平通過。このころから風もおさまり少し周りの景色が見えてくる。 確かにここは風の通り道だ。 14:50荒川小屋(2605m)に無事到着。ホッ! 早速テラス、今日は生ビールで乾杯。遠景も見えてきた。小赤石岳。 遠くに富士山。 正味歩行時間6:30 総歩行時間8:20 標高差70m |
赤石岳山頂 | 赤石岳山頂 |
赤石岳山頂 | 小赤石岳山頂にて |
荒川小屋無事着 |
荒川小屋名物カレー |
26日(土)6:30荒川小屋発 今日も「荒川岳山頂付近の風はすごい。くれぐれも気をつけて」のアドバイスを貰う。」前岳への分岐。行くか、パスするか。 風も雨も強い。 若い男性がせっかく来たんだから荒川三山は踏みたいと」登って行った。行くか。意を決っして風雨の中を進む。 前岳にはすぐ到着。即中岳へ向かう。 中岳も近い。体が冷えてきた。中岳避難小屋へ向かう。程なく到着。 小屋の前に張り紙「ザック・ストック持ち込み禁止」。中は暗く汚くストーブも燃えていない。ご主人も暗い感じで休みに入ってくる 方々に「挨拶はいらない。休憩させてくださいと言いなさい。」と。「休憩も20分迄。」と。ダウンを雨具の中に着込み早々に 悪沢岳に向かう。 最後岩場の直登を経て山頂着。風雨ともにおさまってきた。 眺望もなく下山開始。 本日は雨でカメラも出せず時間が定かでないが丸山山頂12:05。このあたりから眺望が広がってきた。今までの展望のなさと 比べなんと素晴らしい眺望か! 赤石岳、赤石小屋、荒川小屋、中岳避難小屋、前岳、中岳、悪沢岳が一望。 ゆったり降る丸山から千枚岳のお花畑が素晴らしい。 トリカブトの群落他花々が見事。その後千枚岳に向かう急な岩場。 ここを登りで通過するため今回は時計回りでの縦走計画にしたが今年梯子がかけられたと。それでも傾斜が急。 気をつけて通過。その後千枚岳で雨具やザックカバー、ダウンなどを広げ乾かす。四方大眺望。 遠くに甲斐駒、北岳、間ノ岳、塩見、富士山、聖、大無限等々 近くは赤石、悪沢、なんとも素晴らしい。 贅沢なゆったりした時間を過ごし千枚小屋へ(2613m)。小屋の前のテラスで生ビール。 (少し小さい)富士山を見ながら素晴らしい時を過ごす。この日の夜星空が綺麗だった。 翌日は4:30朝食だと。明日も天気は良さそう。 正味歩行時間5:20 総歩行時間8:30 標高差536m |
前岳山頂にて | 中岳山頂に |
悪沢岳山頂にて | 今年かけられたハシゴ |
ハシゴを行くKさん | 千枚岳山頂にて |
千枚小屋到着 | 千枚小屋テラスにて乾杯 |
27日(日) 朝食後、富士山とそのかなり左からのご来光を眺める。 5:30スタート 6:20駒鳥池(百名山のガイドから推薦の神秘な池を木戸さんが記憶) 7:30見晴台 今日は最終日。気をつけて降るが前日までと全く気分は別物。 IさんとKさんの楽しい会話にたまに口をはさみながらのんびり 降る。それでも岩頭見晴など危険そうな岩場もある。鉄塔を過ぎると急な下りの岩場。 その手前でKさんが「アサギマダラ」と声を上げる。ヒラヒラと実に優雅。 11:50長い吊り橋、滝を過ぎ椹島ロッジ着。バスの受付を済ませ生ビールで乾杯。ここでも埼玉の男性と一緒になる。さらに同テーブル に松戸山の会の方が。 現我孫子山の会会長Hさんを「大変誠実な方で」と。今我孫子山の会の会長ですよと。 世の中は狭いものです。 正味歩行時間5:30 総歩行時間6:20 標高差1493m 4日間合計 正味歩行時間22:50 総歩行時間29:40 標高差2018m 13:00畑薙第一ダム臨時駐車場へ 14:15高速バス発 14:20白樺荘でお風呂休憩 ありがたい!さっぱり! 15:30新宿西口へ向けて出発。 22:00渋滞で予定より2:00遅延。 お疲れ様でした。無事で何よりでした。 事前にNさんから送付していただいた2003年8月の千枚岳・悪沢岳・赤石岳の山行の記録を印刷し熟読して臨みました。ありがとうございました。 H記 |
駒鳥池にて | 滝の前 |
椹島ロッジ着 | お疲れ様でした!無事に乾杯! |
荒川小屋からの小赤石岳 |
丸山からの悪沢岳 |
赤石岳への稜線に向かう途中富士山と虹 |
タカネマツムシソウ | ミネウスユキソウ |
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夏を彩る花々 タカネナデシコ シロバナタカネビラン トリカブト
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