~9月の山行~


五竜岳~鹿島槍ケ岳~爺ケ岳


剣岳・立山を背景にした、紅葉の種池方面(爺が岳南峰より)/朝日を浴びる鹿島槍ヶ岳と冷池山荘


◆日程:2017年9月22日(金)夜行~9月25日(月) (バス1泊、山小屋2泊)
◆参加者:3名・・・ 女性1名、男性2名
◆コース・タイム: (日の出5:35、日の入17:45)
 22日 我孫子22:33-上野23:10/京成上野駅前バス停23:40(夜行バス)
 23日 松本バスターミナル5:35/JR松本5:57-神城7:50/8:00(シャトルバス)-とおみ8:15(テレキャビン・リフト)-地蔵の頭8:45/9:00-小遠見山10:12‐大遠見11:45-西遠見12:28-五竜山荘14:30(小屋泊)  (標高差:約950m、歩行:約5.5時間)
 24日 4:00/5:00-五竜岳6:05/6:30-北尾根の頭8:52-キレット小屋10:40/11:20-八峰キレット12:00-鹿島槍ヶ岳13:55/14:15-布引岳15:10-冷池山荘16:25(小屋泊)   (歩行:約11.5時間)
 25日 4:00/6:00-冷乗越6:13/6:20-爺ケ岳南峰7:45/8:15-種池山荘9:05/9:32-黄金岬10:06-扇沢バスターミナル12:40/13:30(バス)-JR信濃大町14:05(入浴)/15:05(特急あずさ)-新宿18:36-(夕食)-我孫子20:37  (歩行:約6時間)  
◆費用:バス 約6,000円、JR 約8,500円、小屋 約20,000円、その他 約3,000円、合計 約37,500円


9月22日(晴れ時々曇り) 
 参加者3名が京成上野駅前バス停で集合し、松本に向け、23時40分に夜行バスで出発する。3列のリクライニングシートで、短時間の乗車の割には眠れた。

9月23日(曇り時々小雨)
 松本駅近くのバスターミナルに到着の後、JRで移動し神城駅で降り立つ。駅前にエスカルゴ(テレキャビン乗車口)までのシャトルバス(秋季の週末のみ運行されている)が待機していた。テレキャビンとリフトを乗り継ぎ、「地蔵の頭(1,673m)」へ。ここから長い遠見尾根の登りが始まる。
 曇り時々小雨のお天気で展望は無い。小遠見(2,007m)、大遠見(2,106m)、西遠見(2,268m)と尾根を登り続けると、突然、左前方の雲間から見事な紅葉が目に飛び込んできた。白岳と五竜岳をつなぐ稜線の下辺りかと思うが、周りは雲の中である。山雑誌の表紙のような、岩稜と紅葉と雪渓が見事に配置されている。しかし30分も経たない内にまた雲に覆われてしまう。その後、白岳(2,641m)を通過して、予定より1時間程早く五竜山荘(2,487m)に到着する。
 疲れもそれほどなく順調なペースで登ってきた。受付を済ますが混雑ぎみのようだ。5時頃になって、7人部屋に9人が入ることになり、それほど?でもなくホッとする。喉を潤すために早々に冷えたビールで乾杯し、18時の夕食までゆっくり時間を過ごす。4班に分けられた夕食メニューはカレー&お味噌汁(どちらもおかわり自由)であった。食堂横の売店には、見たことのある、「山が好き、酒が好き」と大きくプリントされたTシャツ(五竜山荘のオリジナルのようだ)が売られていた。明朝はロングコースで5時出発予定のため、朝食に代えてお弁当(鮭、野菜天、鶏のから揚げなどが入ったお弁当)をお願いする。


テレキャビンの前で


西遠見手前の池塘にて


雲間から紅葉と雪渓が


白岳への最後の上り


眼下に赤屋根の五竜山荘


どこかで見たことのあるTシャツ


9月24日(曇り時々小雨)
 4時に起床する。3人ともよく眠れたようだ。今日は五竜岳、鹿島槍ヶ岳を越えて冷池山荘へ至る、約10時間の長い行程になる。
 夜明け前の5時に五竜山荘を発つと、早々に五竜岳山頂への登りが始まる。星が出ており好天が期待できそうである。しばらくすると雲海の中から朝日が昇り始める。北東の方角には、「火打・妙高」や「戸隠連山」が顔を出している。神秘的で浮遊感のある、いい時間帯である。
 小屋を出てから約1時間で五竜岳山頂(2,814m)に到着する。振り返ると、遠くには白馬岳や唐松岳、そして行く手には鹿島槍ヶ岳へ向かう稜線が延々と続いている。 


夜明け前の五竜山荘テント場

朝日の左側には「火打・妙高」、「戸隠連山」が

唐松岳から白馬岳への稜線

五竜岳の山頂で

これから向かう、岩稜帯の多い鹿島槍への稜線

夜明け前に発った五竜山荘

 山頂を後にし、今日の核心部、八峰キレットを越えて鹿島槍を目指す。五竜岳山頂からの下りは急であり、注意深くガレ場を下り、G4、G5、北尾根ノ頭等の、大きな岩稜帯を慎重に通り過ぎていく。4時間ほどで、ようやくキレット小屋(2,518m)に到着し長めの休息をとる。悪天候時にはここに逃れる人も多いのだろう。
 小屋を過ぎると、鹿島槍への登りになり、いよいよ八峰キレットに入る。危ないところには鎖や梯子がついている。切れ落ちている崖のようなところを越えて、1時間ほどで核心部を通過する。三大キレットの一つという実感はなかったが、多分に、背負う重量とも関係ありそうだ。その後、双耳峰である鹿島槍ヶ岳の北峰(2,842m)へ登頂し、吊尾根を渡り南峰(2,889m)に到着する。暫く休憩し、今夜の宿泊先・冷池山荘に向かう。一旦下り、再び布引山(2,683m)へ登っていく。後立山連峰特有の気象現象らしいのだが、10時頃から長野県側からガスが上がり、眺望が全く無くなっている。一方、富山県側は快晴で、右手に立山・剱岳の景観を楽しみながら、午後4時半ごろに冷池山荘(2,413m)に到着した。
 今日は日曜日で布団の空きもあるようだ。夕食は大きな皿の上に5-6品もあり、充実した食事に大いに満足する。

G5(2,645m)

G5を下降中

北尾根ノ頭(2,560m)

小屋手前の大きな岩稜帯

大きな岩稜帯を回り込む

キレット小屋に到着

八峰キレット通過中

岩稜帯を無事に通過して

鹿島槍ヶ岳 南峰 山頂にて


9月25日(晴れ)
 朝食を5時に終え、当初予定より1時間早い6時に出発する。今日も朝から快晴で期待できそうである。 今日は爺ヶ岳を越え、種池山荘経由して扇沢へ下る。
 冷池山荘を後にしてまもなく、赤岩尾根と合流する冷乗越(2,488m)にさしかかる。振り返ると、朝日に輝いている冷池山荘と鹿島槍ヶ岳が見え、あらためてその雄大な姿に感動する。向かう爺ヶ岳には3つのピークがあるが、最初の2つはトラバース道を通過し、最後の南峰山頂(2,653m)に立ち寄る。南方には槍ヶ岳や穂高が見えている。この辺りから西に向かって歩くのだが、行く手正面には、立山・剣岳を背景にした、赤い屋根が象徴的な種池山荘(2,460m)が視界に入り、周囲の紅葉している草原の中にあって素晴らしい光景を描き出している。あらためて後立山連峰の稜線歩きの素晴らしさを実感する。

後にしてきた鹿島槍ヶ岳と冷池山荘


爺が岳南峰山頂にて(鹿島槍を背にして)

遠くには槍ヶ岳や穂高岳の姿も!

これから向かう種池山荘方面(3人の影も)

鮮やかな色の紅葉

種池方面からの爺が岳


 種池山荘前でしっかり休憩の後、稜線ともお別れして柏原新道を下る。扇沢のバスターミナル(1,424m)に到着し山旅も無事終了する。

 以前から気になっていた縦走コースだったが、同行のメンバーや好天に恵まれ、難所と聞いていた多くの岩場も何事もなく通過でき、とてもいい旅になった。扇沢のレストハウスで昼食をとり、路線バスで信濃大町駅へ移動し、駅近くの旅館風呂に浸かり、運よく信濃大町駅から「新宿行き特急あずさ」に乗り、順調に我孫子に戻ることができた。
 同行のお二人のご協力、大変有難うございました。 (KM 記)


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