5月の山行
宮之浦岳山頂にて/白色、ピンク色が鮮やかなヤクシマシャクナゲ(背景は永田岳)
◆日程:2018年5月25日(金)~28日(月) (避難小屋2泊、民宿1泊) ◆参加者:7名(女性3名、男性4名) ◆コース・タイム:全長約23km (日の出5:16、日の入 19:14)
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25日:曇り・・(我孫子~白谷山荘) |
我孫子駅、柏駅、羽田空港、鹿児島港で、順次合流する。高速船からは桜島の噴煙が見える。また、すぐそばの海上に頭を出している潜水艦にもびっくり(海上自衛隊の訓練海域のようだ)。屋久島宮之浦港に到着すると、迎えのジャンボタクシーで、近くの「ライフセンターヤクデン」に立ち寄り、二日分の共同食や行動食、ガス缶、アルコール類を購入し、再びタクシーで白谷雲水峡登山口へ入る。登山届を提出し、共同装備を分配し、「環境保全協力金」(日帰りは1,000円、山中宿泊は2,000円)を払い登山開始となる。 白谷雲水峡は「もののけ姫」のモチーフになった場所としても知られている。苔が密生し、一面が緑色で神秘的な雰囲気である。屋久杉はとにかく大きい。大きな岩を包み込むように茂っているものもある。1時間半くらい登ると、今日の宿泊先である白谷小屋(避難小屋)に到着。数人が先着していたが、がらがらで安心する。個室状態になっている部屋に7人が入る。さすがに水場の水量も豊富だ。また、トイレが綺麗で夜間には明かりも点灯。早速に小屋の前のテーブルで夕食(女性陣提案の「チゲ鍋」)にする。外国からの登山者も含め、同宿の人達と鍋を囲んで楽しいひと時を過ごす。 |
桜島
潜水艦!
登山口案内所で環境保全協力金を払う
登山口にて
白谷雲水峡
屋久杉の森へ
屋久杉の潜り抜け
白谷小屋での夕食
26日:雨・・(白谷山荘~新高塚小屋) |
今日は朝から雨模様だ。辻峠までは登りが続く。峠にある太鼓岩は、晴れていれば宮之浦岳を遠望できる所らしいが、この天候では期待薄だ。皆の要望で行ってみたがホワイトアウト状態だった。辻峠から「楠川分れ」に向かう。しばらくは下りが続く。お目当ての、屋久島固有種、白やピンク色の「ヤクシマシャクナゲ」に所々で出会い始める。一方で雨足も強くなり雷も聞こえる。増水して激流となった川を渡渉しなければならない所が2ヵ所登場する。とうとう1ヶ所では靴の中へ浸水してしまう。楠川分かれからは平坦なトロッコ道歩きとなる。この道は、屋久杉を運搬するために引かれたレールで、元は枕木や砂利道であったが、現在は整備されて木道が敷かれ歩きやすい。この辺りから、ツアー登山者らしい人達と何回も行き交う。大株歩道に入ると急坂になり、「ウイルソン株」、「大王杉」と続き、今日の一番お目当ての「縄文杉」に到着し暫らく休憩する。しかし激しい雨の中では行動食もゆっくりとれない。この頃から、雨具の中に侵入した雨や自分の汗で着物が濡れ、体温が少しずつ奪われていくのを感じる。そして「縄文杉」を過ぎた頃から疲れも感じる。その後2時間ほどで新高塚小屋に着く。しかし、心配していたことが現実になり、尋常ではない込み具合だ。50人ほどの宿泊者にお願いして、何とか4人は滑り込むことができたが、3人は通路になってしまう。我々のパーティの女性3人を迎え入れてくれた場所で、7人揃って、NTさん調理の、「寿司飯と、茄子炒め」を美味しくいただき、一息つくことができた。このスペースは、地元のツアーガイドの方が、「この小屋は皆のものだから」ということで、テント場へ移動して空けてくれたもので、大いに感謝する。 |
白谷小屋を早朝出発
雨の中のシャクナゲ
あちこちの清流が激流に変わる
大粒の雨
渡渉で靴の中に水が!
トロッコ道
ウイルソン株の中で
縄文杉で
27日:曇りのち晴れ・・(新高塚小屋~民宿) |
今日のお天気は曇り予報。小屋を5時頃に発つときは霧雨模様だったが、暫くして止んでくれた。宮之浦岳に期待できそうである。更に進んで森を抜け出すと、このタイミングに合わせたかのように青空が顔を出し、宮之浦岳や永田岳方面への展望が一気に開けてきた。山頂に向けて笹原が広がり、その間から群生しているシャクナゲの花があちこち顔を出している。思わず「わ~っ」と歓声が上がる。屋久島を訪れるのに一番いい時期、と言われているだけのことはある。巨岩、奇岩がゴロゴロしている。気持ちの良い稜線歩きの3時間がアッと言う間に過ぎてしまい、9時半に山頂に到達する。近くには永田岳、遠くには、雲海上に開聞岳(!?)が見える。しばし山頂で眺望を楽しんでから下山する。眼下にシャクナゲを見ながら、ゆっくりと進む。周りの木々が背丈よりも高くなると、白やピンク色のサクラツツジの花が目立ってくる。屋久杉の間から差し込む陽光が、しゃくなげやサクラツツジに当たって光っている。昨日は目に入って来なかったものが今日は迫ってくる。栗生岳、翁岳、安房岳、投石岳、黒味岳などの山々を見ながら、国内最南端の高層湿原、「花之江河」に到着し暫らく休憩する。広々とした湿原で、花々は見あたらないが、とても落ち着いた雰囲気である。その後、15時半頃に淀川小屋に到着し暫らく休憩する。小屋裏を流れる淀川が水場になっていたが冷たくて美味しい。そして、今日の下山先である淀川登山口には16時40分に着き、待たせていたタクシーと合流する。親切な運転手さんで、民宿までの道中名所の「川上杉」と「紀元杉」に立ち寄り、ガイドもして頂き、民宿到着時間は夕方6時前になった。お風呂に入り、美味しい魚介類と地元の芋焼酎「三岳」をいただき、しばらく振りに布団の上で横になる。 |
雨あがる。
シャクナゲ群生①
シャクナゲ群生②
シャクナゲ群生③
宮之浦岳を背にして
宮之浦岳山頂にて
花之江河にて
ハイノキ
陽光とサクラツツジ
「紀元杉」にて
28日:曇り時々雨・・(民宿~我孫子) |
午前中は観光。民宿前のレンタカー店でハイエースを借り、大川の滝、千尋の滝、中間ガジュマルを周り、スケールの大きな景観を楽しんで帰路につく。
ヒヤリハットも怪我もなく、大雨にも晴天にも出会い、言い尽くせないほど山盛りの山行を楽しめた4日間でした。皆さんのご協力に感謝します。(KC記) |
大川の滝
高速船で帰路につく