10月の山行


蓬峠~谷川岳縦走


谷川岳山頂 トマノ耳で     左に一ノ倉沢の大岩壁。奥に谷川岳山頂の双耳峰が


1.実施日: 2018年10月20日(土)-21日(日) 
2.参加者: 男性4名 女性1名 計5名
3.行 程: 
      初日: 我孫子(4:43)→(上野・高崎経由) 水上(8:50/9:00)バス→土合橋(9:14/9:35)→JR見張小屋(11:00/11:15)→白樺避難小屋(13:35/14;00)
           →蓬ヒュッテ着(15:35) 宿泊
     2日目: 起床(4:30) 出発(6:10)→武能岳(7:10/7:20)→茂倉岳(9:40/10:00)→一ノ倉岳(10:25/10:35)→谷川岳オキノ耳(12:25/12/30)→熊穴沢避難小屋             (14:00) →天神平ロープウェイ駅・土合口駅(14:45・15:40) →バス水上駅(16;15/16;47)→(高崎・上野経由)我孫子着(20:34)
4.費用:  16,220円
(内訳)交通費:8,720円 (JR6,040円、バス 1.450円、ロープウェイ1,230円)
      山小屋(1泊2食)7,500円
.装備:  秋季山小屋泊装備、防寒着、ストック等
6.標高差: 初日:登り約850m、2日目 登り約450m、下り約670m(単純標高差)

                                            
土合から蓬峠を経て武能岳、茂倉岳、一ノ倉岳から谷川岳に至る紅葉時期の縦走コースが、テレビで紹介され、稜線から眺める草紅葉と紅や黄色に染まった山腹の見事なコントラストに感激し、是非紅葉の頃このルートを登ってみたいと思い実現した山行だ。


男女4名の参加者と共に前夜来の雨に濡れた土合橋の登山道入口を出発。黄葉が始まりつつあった周りの木々が雨の雫でしっとりとした雰囲気を醸し出していた。 登山道の前半は湯檜曽川沿いに切られており、途中数か所の徒渉地点があるので昨夜来の雨による増水を心配したが問題なし。途中のJR見張小屋を出るとやがて道は川を外れてだんだん急になる。そのあたりの周りの山々は黄葉が見事だ。
雨は出発以来降ったりやんだりを繰り返し、その度にレインウェアを着たり脱いだりと忙しい。途中小さな滝が流れる滑りやすい岩場のトラバースポイントがあり、落ちれば岩の斜面を20m程も滑落することになるので緊張するが、道は全体として良く整備されており、所どころぬかるみはあるものの歩きやすい。縦走の会山行は初参加のIMさんMTさんも雨の中、着実に歩を進めておられ全く問題は無さそう。

歩き始めて約4時間、雨が強くなった頃白樺避難小屋に到着。5人がやっと入れる程の小さな小屋だが、外は風も強くなってきておりこれを凌げるのは有難い。20分程休んで風雨の納まるのを待ったが止みそうにないので出発。1時半程で蓬ヒュッテに到着した時には全員レインウェアもビショ濡れ。薄暗く火の気もない小さな小屋だったが、雨を凌げるだけでも有難かった。 初日の登りは終盤雨と強風で結構厳しかったが、この雨模様のルートは素晴らしい。また来たいと気に入ってもらった参加者も居て、内心ほっとした。


土合橋登山道入口で

湯檜曽川を離れ尾根道へ 白樺尾根をたどる
尾根道で一服 蓬ヒュッテで夕食前の一杯


翌朝は4時半起床、予報通り雨はやんでいたが、小屋周辺はガスが立ち込めていて、果たして晴れるか?との思いがよぎる。 小屋の管理人によると、気温が上がってきたらガスは晴れるでしょうとの事で、少し安心して6時過ぎに出発。
最初のピーク武能岳へは笹原の中にきれいに刈り込まれた登山道を歩く。期待していた紅葉だが、今年は到来が早めの上に台風で山頂近くの葉はかなり飛ばされたとのこと。しかし草紅葉は残っていて、稜線のガスの切れ目からうっすらと山腹の黄色が伺えた。

ガスの残る武能岳を経て次の茂倉岳に向かうと、1時間程経ったころから段々晴れてきた。ガスは稜線を新潟から群馬側に越えたあたりから順次薄まって行き、その向うに昨日登ってきた黄葉に染まる湯檜曽川沿いルートがはっきりと見えると、思わず歓声が上がった。更に進むと茂倉岳への稜線がはっきりと見えだし、周辺のガスも消えて前方の景色を遮るものはなにもなくなった。展望の良い稜線の平坦部で一休み。 すっかり晴れて風もなく、白毛門、笠ヶ岳、大烏帽子岳、朝日岳等所謂馬蹄形縦走ルートの山々がクッキリと姿を見せていた。こんなにすっきりとした休憩は今回初めてと皆で写真を撮る。

茂倉岳山頂は、平坦部が広く360度の展望が楽しめる。北の新潟方面はまだ雲が残っていたが、南の谷川岳方面は見事に晴れ上がり、谷川岳から万太郎山、仙ノ倉山、平標山に続く見事な稜線と、黄葉に染まった山肌が何とも言えない美しい姿を見せていた。
この地域の山々は豪雪地帯のせいか谷筋が深く切れ込んだ山容のものが多く、独特の雰囲気を持っている。今回の計画は紅葉を目的とした縦走を謳っていたが、これら山々の姿を見ただけでも来た甲斐があると思えた。

茂倉岳から一ノ倉岳を経て谷川岳に至る道は有名な一ノ倉沢の大岩壁の上部を通る。一ノ倉岳からの下りで左に一ノ倉沢の岩壁が切れ落ちた急な場所があり、ヒヤヒヤしながら慎重に降りるとすぐ「ノゾキ」が現れる。 岩から身を乗り出して下をのぞくと、一ノ倉沢の大岩壁が真下に見える場所だ。我々も恐々のぞき込むと、はるか下方に2人パーティーが岩に張り付いているのが見えた。当会にも比較的最近ここを登った女性会員がおられたが、この1100mにも及ぶ峻険な岸壁を登る人は全くスゴイ。

怖い思いをしていよいよ谷川岳最高地点オキノ耳に向かうと、そこは今までの登山道とは人口密集度が全く違う。下る人・登る人共に格段に多い上に、両者が同じ岩稜帯の狭い道を通るので、行き違いで大渋滞が生じていたのだ。やっとの思いで山頂に立つと、山頂標識の前での写真撮影にまた行列ができていて、それを待って全員の記念写真を撮った。次の双耳峰の一方「トマノ耳」にも渋滞の中を登り写真を撮ったが、谷川岳頂上は景色を拝むこともなくアッという間に終了した。

 下りは天神平ロープウェー駅までの道。 それまでの縦走路と少々違い、笹原の道が終わると岩混じりの登山道が続く。 道は前日の雨で濡れている所も多く、滑りやすい。緊張する岩の道が終わると熊穴沢避難小屋に到着。 更に1時間程の下りを経て無事天神平のゴールに着いた。 

 紅葉シーズンの快晴の日曜日という事もあって、観光客・登山客が順番待ちに長蛇の列を作っており、我々も約45分待って乗ることができた。 ロープウェーからは紅葉の最盛期を迎えた中腹部分を見ることができ、赤いナナカマドが点在するコントラストに富んだ景色を楽しみ乍ら山行を終える事ができた。


2日目、ガスの中、蓬ヒュッテを出発。

武能岳山頂。 まだガスが

茂倉岳への道から湯檜曽川方面を。草紅葉が美しい  茂倉岳への登山道。うっすらとガス。  笹とナナカマド

奥に白毛門、笠ヶ岳、大烏帽子岳、朝日岳のパノラマ 右新潟側にはまだガスが
茂倉岳山頂で
左に一ノ倉沢の大岩壁。奥に谷川岳山頂の双耳峰が 一ノ倉岳から谷川岳への下り。奥に仙ノ倉山から平標
一寸怖い一ノ倉岳からの下り。下りた左は一ノ倉沢 ノゾキ 一ノ倉沢の大岩壁が見下ろせる
左に万太郎山、その奥には平標山が
谷川岳山頂 オキノ耳で 右から中央に万太郎山から平標山に続く稜線が
天神平への下り道から見る左上に谷川岳山頂双耳峰
山頂からの下り



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