●日程 | 2019年8月9日(金)~13日(火) | ||||||||
●参加者 | 男性6名 女性1名 | ||||||||
●コース&タイム |
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●装備 | (共同)テント2(6人用、4~5人用)マット5枚、コッヘル大一式、コンロ3(予備1)ガス缶5個、ランタン(ガス使用)2、ガス缶4、ランタン2(LED)ツエルト1、その他(ナイフ、ライター、ビニール袋、まな板等 (個人)雨具、薄手の防寒着、下着上下、帽子、靴下、シュラフ、ザックカバー、マット、個人薬、ストック、スパッツ、水1.5L以上、水容器2L,ヘッドランプ、食器、日焼け防止クリーム、地図、磁石、カメラ、携帯電話、紙、温泉セット |
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●食料 | 共同食2、山小屋食1、行動食7、外食2、嗜好品 | ||||||||
●経費 | 交通費(バス、タクシ-14670円、JR7560円、テント代3000円、飲食代5780円、燃料代340円、入浴代600円、1人計31950 |
山行の概要 |
この縦走ルート(富山県、長野県、岐阜県に跨る)が私にとって印象的なのは、我孫子山の会に入会したのが2011年6月であり、その翌月に最初に参加した縦走登山である。その時には天気も良く非常に感動しましたので、今度はメンバーが違えども、北アルプスに秘められた美しい思い出のひとかけらが拾える山域であり、もう一度行く計画をしました。 しかし、8月7日山行を決行するか、決行しないかの判断の日、日本列島は台風8号、9号、10号に取り囲まれ、特に大型台風10号が日本列島を直撃する予報が出ていました。悩んだ末の判断は台風の速度が遅いのでなんとか逃げ切れる(台風の影響をあまり受けない)ことで行くことにしました。運良く山行4日間とも晴れ~曇りで(山行中は雨が一滴も降らず)天候に恵まれました。 北アルプス中央部の雲の平周辺の山々は個性的なくせもの揃いなのだ。黒部五郎岳、薬師岳、水晶岳、鷲羽岳、槍ケ岳、穂高連峰、笠ヶ岳等の名立たる百名山の山々の展望は素晴らしく、又雲の平の溶岩台地と山々の間を切り裂いて流れる谷が素晴らしい。再度目に焼き付けることが出来ました。このテント装備をして、非常に暑い中、変化のある縦走は非常に大変でありましたが、亀のように一歩々、でもいつの間にか遥かな峰々、奇岩、沢を歩き通して、来し方を振り返る時、厳しかったがパーティが一丸となり、協力し合って行動し、頑張って困難を乗り切り、目標を達成することが出来、夏山縦走の醍醐味を一杯味わい、達成感は格別で、満足感で一杯です。 |
8月9日・・・・晴れ |
男性6人は我孫子駅21時31分発にて新宿に向かう。バスタ新宿にてKdさんと待ち合わせ、全員揃い、乗車手続をする。お盆の帰省客、旅行者、登山者でごった返しのバスタ新宿である。23時15分発金沢、富山行のバスは3列シートと4列シートの中間の価格帯でリラックスという名称で、シートは4列であるが頭を隠せるフード(カノピー)付リクライニング最大140度でシート幅、座面44㎝です。従来の4列シートよりも寝やすかった。 |
8月10日・・・・晴れ時々曇り |
富山駅前のコンビニで必要な物を購入して、予約していたジャンボタクシーに乗り込み一路折立に向かう。標高1350mの折立が縦走の出発地点である。 登山準備をしてAM8時25分に薬師峠のキャンプ場向けてSLのFさん先頭に出発する。樹林帯で最初から急登の太郎坂を汗かきながらひたすら登って行く。 やがて富山平野、有峰湖の展望の良いピーク1871m三角点に出て景色は開け気持ち良くなる。そこから上は更に展望が良くなり草原と樹林帯を何度か繰り返し登って行く。暫く登って行くと体調不良者が出ましたので、キャンプ場確保のために先行隊(Iさん、Tkさん、Kmさん)に先に行ってもらい、後方隊はその後を追いかけ、太郎平小屋を通り薬師峠キャンプ場で合流しました。予想通り、お盆の時期なので薬師峠キャンプ場はテントの張る場が無いぐらい満杯の状態でした。先行隊の皆さんのご努力のお蔭で、乱立するテント群の雑踏から離れたところで、水場、トイレの近くにテントを張ることが出来ました。 夕食前に乾杯し宴会が始まる。本日の共同食はKdシェフによる夏野菜カレーで味も良く疲れた体にピッタリの食事でした。 体の疲れも有、明日の起床も早いので皆さん早めに寝床に就く。 折立登山口 太郎坂と有峰湖 太郎坂(1) 太郎坂(2) 太郎平小屋 小屋から薬師峠キャンプ場へ 薬師峠キャンプ場(1) 薬師峠キャンプ場(2)➡拡大写真 野菜カレーの準備をするKさん 出来上がった野菜カレー カレーをいただく |
11日・・・・晴れ後曇り |
4時起床、朝食は昨夜のカレーを利用して行動食と一緒にとり、テント撤収して6時30分、雲の平に向けて本日は、私が先頭で薬師峠キャンプ場を出発する。緩やかな斜面を登りきるとそこはもう、太郎兵衛平の一角で眼前に広い草原が展開する。暫く行くと太郎兵衛小屋に着く。周りが開けていて、眼前に山体は大きく、ゆったりと薬師岳の量感溢れる巨峰群を観ながら清々しい早朝の山の気分を満喫する。 太郎兵衛小屋にて天気情報を聞くと、本日は4時頃から曇り、明日は晴れとのこと。太郎兵衛小屋から100m少しで分岐(右は北ノ俣岳から黒部五郎岳、左は雲の平)を通り、木道を歩き、左俣出合へ下る。途中渡渉点があるが、天気が良すぎて非常に暑いので水場は心も体も癒される。先を進むと沢の音が大きくなり薬師沢小屋に着く。ギラギラ太陽の中、休憩を取り水分を十分補給し吊橋を渡り、雲の平への急登の直登ルートを登って行く。 大きな苔むした岩がゴロゴロしている中を重いザックを背負って汗をかきながら登って行く。この縦走の中で1~2番目に厳しい登りであり踏ん張りどころでもある。 やがて急登も終わり、木道が始まる。広々とした高原の雲の平は、アラスカ庭園、奥日本庭園、ギリシャ庭園と続き、ようやくお洒落な雲の平山荘が見える。皆さんお疲れで一服したいところで有りましたがテンバ確保が一番大事であることからKdさんの力強い言葉、「山荘に行く必要がなく、テンバに行きます」により私とF(会計)さんを山荘に残し約30分離れたキャンプ場に向かう。 ここも予想通りお盆の時期で特に人気のある雲の平はテントが既にぎっしりで、テント2張りを同じところ張るスペースは無く、かなり離れた場所で条件も良くない場所にて皆さんで整備してなんとか寝床を確保しました。夕食は5月に予約していました雲の平山荘に行き石狩鍋で乾杯して漸く身も心も満足感を得る。 太郎兵衛小屋前にて➡拡大写真 太郎兵衛小屋前から(1) 太郎兵衛小屋前から(2) 薬師沢小屋に向かう木道➡拡大写真 薬師沢への途中にある徒渉箇所 薬師沢の清流 薬師沢小屋 薬師沢前の吊り橋 雲ノ平アラスカ庭園 奥日本庭園にて 雲ノ平山荘を目前に➡拡大写真 雲ノ平キャンプ場➡拡大写真 雲ノ平山荘での夕食(実は石狩鍋) |
12日(月)・・・・晴れ後曇り | ||
本日は雲の平~双六小屋までの縦走で所要時間が一番長くかかる日である。 4時起床しテント撤収後合流してKmさん推薦(荷物の軽量化)のお湯を掛けるドライ食品と行動食ですませ、まずは祖父岳に向かう。木道を登ったり、下ったりしながら前進する。途中に山頂から中腹まで大きく抉られたカール地形が目につく黒部五郎岳、雲の平を取り巻いている山の中で最も筋肉質の水晶岳が見える。又、この時期でも雪渓の残っている所を避けて進む。祖父岳に登る途中、右手に昨夜過ごした雲の平キャンプ場が小さく見える。祖父岳の頂上からは風景が変わり、遥か彼方に槍ヶ岳、穂高連峰の姿がはっきりと見える。 木の梯子を下り、ワリモ岳分岐を超えると鷲の羽根を広げたような姿に特徴が有、火口湖が有、黒部川源流地点でもある鷲羽岳の全貌が見える。厳しい環境に耐える花、リンドウの群生に安らぎを感じる。鷲羽岳の登り、下りは砂と岩のざれた斜面です。浮石、落石に注意して登る。鷲羽岳の頂上に11時20分に到着。天気が良く、360度の眺望が最高ですので、早速カメラをパチリ、パチリ、槍ヶ岳、と鷲羽池との組み合わせ、相変わらず素晴らしい黒部五郎岳等々周りの素晴らしい壮大な美しさを見ながらゆったりと至福の時間を過ごす。鷲羽岳の下りはルートの中でも滑落のないように特に慎重に下る。 暑さが貼り付くような天気の中、13時10分に三俣山荘に到着。水分補給を十分して休憩する。ペットボトル何本飲んだか分からない位水分補給する。その分汗で発散している。幸い出発点、折立から終着点、新穂高温泉までは山小屋が点在し、又水場も有、水の補給には苦労しなかった。三俣山荘を13時40分に出発し、遅れ気味なので三俣峠の分岐で予定を変更して巻き道ルートをとり、双六小屋に向かう。途中両側にお花畑が有、すごく綺麗なカールを眺めながら歩ける絶景ポイントを通る。Kdさん大喜び。Kdさんに花の名前を説明していただくが、しばらくすると、花の名前が混じり合って忘れてしまう。 進行途中に山から湧き出る宝物{水}に出会う。順番に湧き水にむしゃぶりつき英気を養い終盤の活力になる。 巻き道も最後は厳しい登りも有、ようやく双六小屋に到着。こちらの小屋もテンバも満杯の状態。そんな中、非常に感激した出来事がありました。二張同じところに張る場所がない所、場所探しをしていた時に、1つは山口大学の学生が4張り張っていたテントを自ら4張り、移動して我々に1張りのテンバを開けて頂きました。又、もう1張りは関西の若者2人が、テンバを探している我々のところに来られ、彼らのテントを自ら横にずらして頂き、ギリギリで我々のテントを張ることが出来ました。テントを移動して頂きました2つのグループの若者の心の優しさを強く感じ、自分たちもこういう場面に出くわせば人に譲る必要がある事を痛感し人情を深く感じました。 夕暮れの中、山小屋のベンチで乾杯し、今夜の共同食はIさん、Mさんコンビでバター味のスパゲッティとクリームシチューをお疲れの中、作って頂き味もバタ‐味で良く、十分にお腹を満たし満足出来ました。 雲ノ平~祖父岳間からの水晶岳 雪渓を避けて祖父岳に向かう 祖父岳への上りで 薬師岳➡拡大写真 祖父岳山頂から(1)➡拡大写真 祖父岳山頂から(2)➡拡大写真 祖父岳山頂から(3) 祖父岳からの下り
鷲羽岳山頂にてくつろぐ 鷲羽岳山頂から(1) 鷲羽岳山頂から(2)➡拡大写真 鷲羽岳山頂から(3)➡拡大写真 鷲羽岳山頂から(4) 鷲羽岳山頂で➡拡大写真 三俣山荘 三俣蓮華岳 三俣蓮華岳~双六岳間の巻き道 双六小屋~キャンプ場へ キャンプ場で(1)➡拡大写真 キャンプ場で(2)➡拡大写真 キャンプ場で(3)➡拡大写真 キャンプ場で(4)➡拡大写真 |
13日・・・・晴れ後曇り |
4泊5日の雲の平~鷲羽岳山行の最終日午前3時起床、テント撤収し、赤い屋根の双六小屋前で合流、朝食は各自の行動食で取り、4時35分ヘッドランプで道を照らしながら弓折乗越えを目指して登って行く。そこは笠ヶ岳、双六岳、鏡平の分岐点で有り、槍ケ岳、穂高連峰が一望できるポイントでもある。やっぱり槍ヶ岳、穂高連峰のパワーは凄いですね。見ると体にパワーがみなぎってくるような気がします。又偶然にも可愛い雷鳥を見ることが出来た。そこから下に45分下れば鏡平山荘に着く。名物のかき氷を食べた人、水分補給を十分した人、休養した人と好きに時間を過ごし、槍ヶ岳、穂高連峰が映るといわれる池に行くが、太陽の位置、時間の関係で残念ながら見えず。 そこから樹林帯の中のゴロゴロした沢にそって下る。後方のTさんより「スピードを上げて」とハッパがかかる。遅れ気味のところに鞭が入り、全体の歩くスピードが上がり、わさび平小屋に10時30分に着き、小休止し、新穂高温泉に向け平坦な道を急ぎ足で進む。途中に笠ヶ岳登山を目指す笠新道の登山口を右に見て進む。やがて縦走の終着点、新穂高温泉に予定時間に近い11時30分に到着し、温泉で約1時間、たっぷり汗を流し、着替え、休憩し、ロープウエーの店にてビールで乾杯し、約1時間、反省で盛り上がる。 この後はバスで松本バスターミナルまでゆっくりと寝て行けばと思っていましたが、然にあらず。途中から渋滞に巻き込まれ、バスが40分遅れ、16時25分、松本バスターミナルに到着し、ザックを受け取り、16時30分発あずさ28号の出発する松本駅目指して、走る、走る・・・。駅に30分に着きもうだめかと思ったが、電車が2分出発を待ってくれて乗り込むことが出来ました。1分勝負の戦いでした。 弓折岳への分岐 ライチョウ 鏡平山荘 鏡池➡拡大写真 わさび平小屋 新穂高温泉バス停へ 新穂高温泉にて反省会 |
後記 | |
今回の縦走は夏には何年ぶりというほど天気の良い日が長く続き、雲の平とその周辺の山々の壮大な景色はうっとりとさせてくれた。SLのFさんはじめ、参加者が各自の役割を含め、非常に協力的なお蔭で縦走の目標を達成出来ました。又、全く見ず知らずの若い人からの親切心(テンバを移動して頂く)に人情を強く感じ、勉強にもなりました。 又、山の良さとして、お盆の時期、ルート上で人の登りと下りの交差するところが数えきれないほどありました。その時、どうぞ、お先に、有難うございましたとお互いに気持ちの良い言葉が発せられ、気持ち良く縦走が出来ました。 ご一緒に縦走していただきました皆様には大変お世話になり、感謝、感謝です。 最後になりますが、長い間集中連絡先を引き受けて頂きましたTさん、どうも有難うございました。
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