個人山行


白山連峰


御嶽山方面からの日の出 ➡拡大写真




日程 20199年10月31日(木)夜から11月5日(火)朝
現地行程 往路 10月31日 ゆめみ野-(関東鉄道)-取手-(JR)-上野 上野近くバス停22:05-(東北急行バス)-6:30金沢駅前 金沢駅7:26-(JR)-7:30西金沢 新西金沢7:45-(北陸鉄道)-8:13鶴来8:20-(加賀白山バス)-9:01瀬女9:12-(白山市バス)-9:32白山一里野
復路 11月4日 白川郷萩町バスターミナル17:50(20分遅れ)-19:10金沢駅前22:10-(JR西日本バス)-5:35池袋駅前-日暮里-取手-11月5日 6:50ゆめみ野 
山行経過 11月1日 白山一里野9:35-ハライ谷登山口-檜新宮-しかり場分岐-15:50奥長倉避難小屋
11月2日 奥長倉避難小屋6:30-奥長倉山-天池室跡-四塚山-七倉山分岐-大汝峰-御前峰-15:30白山室堂 白山荘(冬季小屋)
11月3日 白山室堂 白山荘(冬季小屋)6:00-御前峰-(中宮道)-お花松原-北弥陀ヶ原-地獄覗-三俣峠-13:10ゴマ平避難小屋
11月4日 ゴマ平避難小屋5:40-(念仏尾根)-妙法山-野谷荘司山-(鶴平新道)-登山口-14:15白川村(白川郷) 白川郷散策、白川郷の湯入浴
歩行時間 1日目6時間15分、2日目9時間、3日目7時間、4日目8時間35分(休憩時間ふくむ)
費用 19340円・・・・・(内訳)ゆめみ野-上野 880円、上野-金沢駅前 5500円、金沢駅-西金沢 190円、新西金沢駅-鶴来 500円、鶴来駅-瀬女810円、瀬女-白山一里野 100円、白川郷-金沢駅 2000円、金沢駅-池袋駅 8400円、池袋-ゆめみ野 960円
(宿泊費)0円
持ち物特記 予備メガネ、三脚、カメラ、交換レンズ、スマートフォン、スマホ充電池、テント一式、寝袋2個、マット、火力器具、軽アイゼン、地図、など


【概要】
 カレンダーが三連休なので最低現地2泊する山行をしたいと考えていて、台風の上陸も途切れることを期待し休暇1日追加して現地3泊でどこかに行こうと考えていた。北アルプスが第一候補ながら雪は昨年より少なく中途半端と考え、以前から実施したかった白山に照準を定めた。
 過去二年にわたって2回計画するも悪天で中止にした白山の個人山行。このときの計画はいずれも別当出合からの入山でした。それでは面白くない気がしてきて縦走登山の考えが強くなっていった。白山は霊峰であり地元では白山神社が多数あり加賀、美濃、越前からの禅定道があるので、禅定道を含めた行程を歩きたい、そして白川郷に下りていきたいとの考えも強くなっていった結果の今回の行程となった。鶴来駅から瀬女へのバス乗車中にこの周辺はとても文化性の高さを車窓から感じていたら白山ひめ神社(白山神社の本宮)の前を通り過ぎた。後にここから白山への加賀禅定道が始まることを知った。
山中3泊で全て避難小屋宿泊計画とはいえ降雪、積雪の懸念がある季節でツエルトを所有していないこともありテント持参、寝袋も2枚、軽アイゼンも持参となり荷物は重くなりました。寝袋2個の理由はテントより避難小屋のほうが寒いことの警戒です。警戒し過ぎましたが。そして三脚、交換レンズが加わった。


❖10/31-11/1
白山連峰で3泊して充実。11月に入り既に白山室堂の大規模な小屋も営業終了し登山者はとても少ない。
登山開始は白山北部のスキー場の近くで白山白川郷ホワイトロードに通じる国道360号から歩き始めました。加賀禅定道に通じる檜新宮参道を歩いていく。途中、水場御仏供水で水を翌日の分まで汲んだことでさらに重量が増した荷物を背負い檜新宮に到着し手を合わせ、ほどなく加賀新道との分岐に到達。
ここに至るまでに積雪時期であればテント張れるほどの場所が何か所か登山道そのものにあった。そして奥長倉避難小屋で宿泊。雲が多く星空どころではなかった。この日は自分一人の宿泊。2階に上がり折角もってきたので小屋内にテントを張った。朝、多少テントの内側に露で濡れていたので防寒効果はあった。寝袋も2個持ってきていたので寒さは全く問題ない。贅沢すぎて重さが自分を苦しめました。日の出前には星空になっていた。


ゴマ平避難小屋の夜


幻想の池


❖11/2
 翌日は朝から晴れてすがすがしく歩いて行った。石室跡に到着。テントいくつも張れる場所で白山白川郷ホワイトロードとは反対側の山々をみることができました。しばらく歩いていくと百四丈の滝が見える分岐。当然見に行った。周辺の台地から流れ落ちる様は絶景です。滝は近くから見るのも迫力あってよいが、この滝は遠景ゆえの良さを感じた。雄大な風景と滝。すばらしかった。白山連峰の大きさを感じる。雄大な風景は今年夏に歩いた知床の山々にも似たものを感じました。急な箇所は少ないものの白山の懐の深さを大汝峰まで感じました。山頂付近に点在する池と山のコンビネーションにうっとり。
 ここまで来ると何人もの登山者を見かける。前日は金曜日だったこともありすれ違った人も一切いなかった。地元から来た人と話したが、この人も親子連れも別当出合からの日帰り登山でした。この時期であれば別当出合に駐車できるらしい。
最高所の御前峰までまわり道するように近づいていく。このあたりは薄っすら積雪もあり厳しさを感じる風景。油断せず淡々と歩を進め登頂。眺めよく美しい白山です。室堂まで30分程度降りていく。このあたりはとても整備されている。名古屋から来た登山者と話すと南竜避難小屋で宿泊とのこと水が豊富で避難小屋も快適とのこと。
 室堂にある避難小屋の白山荘を見つけ中に入ってみる。入口は2階からのみで、入口も小さいので大きなザックを背負っての入室はしにくい。屋根裏のような2階から入り、この2階は中腰程度で頭がつっかえてしまう。きゅうくつなので階段で1階に降りる。1階は立ち上がっても頭は付かない。1階で寝ることにした。
 この日は土曜日で山頂に近いので15人ほど宿泊。この小屋は大きめなのでまったく問題ない。1組の親子が宿泊していたが、子供は10歳くらいの女の子。親が登山好きだからとはいえ、こんな子供が避難小屋宿泊経験するとは驚きです。


御嶽山方向からの日の出 ➡拡大写真


御前峰直下 ➡拡大写真


下界の紅葉と鳩谷ダム湖 ➡拡大写真


翠ケ湖の朝 ➡拡大写真


蒼明の御前峰

❖11/3
現地3日目は白川村方面へ向けて歩いていくが、まずは御前峰に再度登る。小屋から御前峰までは40分程度。前日の北部から歩いていく際にも案内があったが、白山御拝道と案内ある大きな大きな白山神社奥宮の社殿の横から登っていく。御嶽山方向から朝日が上がってきた。天気は上々。別山も存在感ある姿です。加賀の名峰白山を堪能できた。早朝で光の差し込む角度が浅く、かつ優しい光が素敵な風景を演出してくれる。山頂付近の池は氷が張り冬の接近を感じさせる。山頂部とは別れ北東方面を歩いていく。誰も歩いていない。この日の歩行時間も短めだしゆっくり慎重に歩いていく。雪が残り凍っている箇所もあるところを下っていく。お花松原は7月ごろであれば花を堪能できそうな場所。細い水場があり飲んでみた。おいしい。地獄覗は白山の荒れた斜面を望むことができる。豪快である。ガレたトラバース道も40分ほど続いた。これを過ぎると斜度がやや強い下りを歩いていくと避難小屋に到着することが地形図から読み取れた。
遭難は許されないと思いながら歩いた。途中、目につく山を何度も見ながら歩いた。三方崩山です。名のとおり三方が崩れている。登山道もあります。ゴマ平避難小屋に到着。中に入るまえに近くにある水場で水を汲む。やや危なっかしい足場が続くところにあった。水量は豊富で沢と言えるほどだった。明日はここからさらに進んでいくことになる。水場では避難小屋にすでに到着して宿泊する福井県からの登山者が現れた。靴を見てトレイルランニング系の登山者だとわかる。彼とのお話しは興味深いものがあった。スノーボードが好きでバックカントリースノーボードをやるそうです。その際、ボードを担いで登る必要があることが登山を始めるきっかけだったそうです。日頃は近くの山でトレイルランニング系の鍛錬が多いらしい。舗装した道を日頃走ることはないそうです。登山ではコースタイムの6割ほどで歩くことが多いそうです。剱岳の長次郎谷などでバックカントリースノーボードをゴールデンウイークにすることもあるそうです。雪崩で友人も亡くしているそうです。だんだんやることがリスクの高い行為に変化していくことがあると言っていた。人間の欲望は尽きない。避難小屋では彼と自分のみが1階に宿泊し、1組の男女と1人の男性の計5人が宿泊。1階の彼と男女は中宮温泉に駐車して歩いてきたので白川郷に歩いていくことはない。もう一人の男性だけはどこに行くのかわからない。


早朝の別山


宿泊した奥長倉避難小屋 ➡拡大写真


大汝峰から


念仏尾根から見た鳩谷ダム湖


百四丈の滝 ➡拡大写真


❖11/4
 現地最終日は行程が長め、温泉入りたい、白川郷散策したいので早めに出発。出発30分くらい前から雨も降ってきた。雨の中歩き始めた。まだ暗いしヘッドランプ点灯させ急な斜面を慎重に歩いて行った。倒木があったりして歩きにくい箇所も度々あった。
 歩き始めて2時間くらいすると雨から曇りさらに晴れていく変化であることを感じることができた。徐々に遠景を楽しめるようになっていった。晴れ過ぎても単調な景色になってしまい面白くない。変わりゆく雲の動きと配置と山との調和が織りなす絶景を期待しながら歩いた。妙法山の手前には地図に池と書かれた場所がある。ここの景色が良かった。このとき雲のなかで見通しは良くなかったものの幻想の池を演出してくれた。写真を何枚も撮った。
 妙法山到着時点もまだ雲が優勢で遠景はなかった。この後くらいから晴れが優勢になっていく。野谷荘司山を越えると鳩谷ダム湖のエメラルドグリーン、紅葉する木々が美しい深い。わっと叫ぶ景色です。この景色を求めて白川郷から歩く日帰り登山も十分すぎる内容になります。そして、遠くには白川村も見える。絶景でした。しかし、岩稜の細い尾根歩きがあり気は抜けない。下り基調な道が続いていくと紅葉真っ盛りな場所に入っていった。滑りやすい足場を横歩きなどを多用してブレーキ重視で歩いて行った。登山口まで降りやれやれ。途中でかかと付近が痛くなった。足底筋膜炎になった。帰宅してサロンパスを3日間貼り付けて治った。
 最終日で食料もわずかになり重量は軽くなったものの下りにかかとに何度も重みがかかるとこと、縦走4日目ということから負担が増していったんでしょう。
 ついに車道に出た。白川郷のバスターミナル付近まで残り1時間となった。白川郷に入ると観光客が多い。この日は3連休の最終日だが14時ごろなので人は引けていない。外国人も多い。散策、写真撮影をしていると火事のサイレン。燃えてないところでも放水しているので訓練だと思った。でも本当に火事があったことを温泉入浴後の休憩室のテレビのニュースで知った。白川郷の湯では肌がツルツルになった。
 白川郷から東京方面へはバスで4時間程度かけ名古屋まで行き新幹線、高山-岐阜と行き岐阜から新宿までの夜行バス、富山までバスで行き新幹線か夜行バス、金沢までバスで行き新幹線か夜行バスといった方法が考えられる。自分は金沢経由を選んだ。金沢へのバスは満席で乗客の9割は外国人でした。このバスは高山-白川郷-金沢の路線で彼らはおそらく高山宿泊後に白川郷に寄り宿泊は金沢にして翌日に金沢観光するんでしょう。自分は金沢到着後に夜行バス乗車まで3時間ありANAクラウンプラザホテルの夕食ブッフェを事前予約しておいてゆったりした座席空間でザックの置き場に困ることなく食事をしました。事前予約することで2割引きとなる。2割引きとはいえ3800円ほどします。駅ビルとか近辺の食堂となると大きなザックが煩わしく窮屈な思いになるし、他の客にとっても煩わしいと考えた結果です。山中3泊して粗食続きから解放されました。7時入店予定がバスの遅延で遅れた。
 金沢到着後に新幹線利用すれば23時過ぎ帰宅できる。しかし、今回起こったようなバス遅延を考慮すると新幹線で当日帰宅できるか危ういこともあり得る。新幹線取りやめて夜行バスとなると3連休最終日の夜発となると座席があるかは確信できない。事前予約が安心です。事実乗車した夜行バスは満員でした。


念仏尾根から見た鳩谷ダム湖 ➡拡大写真


百四丈の滝


 白川郷の放水路➡拡大写真


暮れゆく白川郷 ➡拡大写真



 今回の山行は重い荷物を背負って4日間歩いたことが起因して4日目後半に足底筋膜炎を起こしたものの、転倒ないよう気を付けて歩きました。
 滑らないよう、転倒しないように歩くコツは重心の真下に足を置く、足を出すのに合わせて重心を移動させる、重心の真下に足を置くことで足裏全体を一気に着地させることができ摩擦抵抗を一気に強くすることにつながる、下り坂では横歩きを多用する、体の向きは前向きでも足は70度以上横を向ける、体の向きを含めて横を向く、下りの斜度が急な場合には横歩きに加えてジグザグに歩き実質斜度を緩くする、周囲の木などを使う、それでも危険な場合には後ろ歩きなどです。これらを選択しながら歩けば無事に歩ききれる。一般登山道であれば。
【おわりに】白山には登山道がたくさんあるものの山中の営業小屋は室堂と南竜のみで避難小屋が多い。これを有効に使うと良いと思うが人気の季節は混雑が懸念されるので今回のような季節は狙い目だと思う。今後も季節や行程を変化させて白山登山したいと思いました。来年度は荒島岳・別山・白山の会山行の予定があります。このときも別当出合は使わず別山にも登るつもりです。




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