2023年7月の山行

 立山 劔岳縦走
 
剱御前小屋より荘厳な剱岳の眺望


 早朝、遥か彼方の後立山連峰と朝日②


実施日:2023年7月27日(木)夜~30日(日)
参加者:男性6名 女性2名
行 程:
 27日(木) 我孫子21:07=21:40日暮里21:46=22:09新宿、西口都庁
大型バス駐車場22:45集合/23:05出発(毎日あるぺん号)
    
 28日(金) 7:00室堂バスターミナルー室堂8:00― 9:00一ノ越山荘9:15―10:20雄山神社10:40 ―11:00大汝山―11:50富士の折立―13:05真砂岳―14:15別山14:30―15:00剱御前小舎(泊)

 29日(土) 起床4:00 剱御前小舎5:00―6:20剣山荘7:00―7:30 一服剱―8:40前剱―10:50剱岳― 13:45一服剱―14:40剣山荘15:00―16:40剱御前小舎(泊)
    
 30日(日) 起床5:00 剱御前小舎7:00―8:30雷鳥沢キャンプ場―9:20ミクリガ池温泉11:20―11:40室堂―室堂ターミナル(バス)12:30=21:00新宿=10:38我孫子
費用/人:バス27,500円、小屋料金2食付2泊25,000円、他約4,500円    
   合計約57,000円

 思えば二つの個性ある山、立山(3000mの稜線歩きとその山岳景観)、剱岳(堂々とした風格のある山容と急峻な岩場)を会の皆様と登ってみようと思い2018年に山行計画を出してから(2019年)を除き毎年計画しましたが、雨、台風、コロナの影響で4回中止になり悔しい思いをしましたが、今年こそはと思い実施時期を7月の後半に設定して、漸く参加者の皆さんと私の願いが叶い、充実した、内容の濃い山行を実現することが出来ました。

 立山は日本三霊山の1つとして全国的に尊敬され、ロマン溢れる山(現存する氷河を抱く山)として又稜線から残雪の山岳風景がとても素晴らしい山、剱岳は堂々とした風格のある山容と急峻で高度感の有る岩場が魅力的な山(一般の登山としては日本一厳しい山と言われる)。この二つの個性的な山を27日~30日、一滴も雨に会わず、好天に恵まれ縦走してきました。

 28日(金) 晴  立山連峰を縦走して剱御前小舎 室堂ターミナルでメンバー8人、ゆっくりと身支度を整え、登山届を提出し、ターミナルを出ると室堂は快晴という最高の天気で迎えてくれました。正面には雄山,大汝山、富士の折立の3つのピークが盾上にそびえている。この3つをあわせて立山と呼んでいる。連なる山稜が半円状に立ち並び、山々の素晴らしい迫力を感じる。玉殿の湧き水(雄山の真下、立山トンネルの破砕帯から出てくる水を引いたもの、冷たくて美味しい)で喉を潤し、水を確保し、さあ出発。
 Mtさんを先頭に8人のメンバーが隊列を作り、石畳の道を一ノ越に向かってゆっくりとしたペースで登って行く。一ノ越山荘前から雄山山頂までは高度差約300m急な登りが続く。小石が多く、大勢の登山者が登降するために落石を考え慎重に登って行く。立山に登るというのは普通、この雄山に登ることである。そのために多くの人の姿が目に付く。ここからは遥かに笠ヶ岳 槍ヶ岳 穂高の連峰等の山々の雄姿がはっきりと見られる。頂上で休み、集合写真を撮り、縦走コースに踏み出すと、とたんに静寂の山になる。これまでの喧騒は何だったのか。大勢の人は室堂に引き返すようだ。立山最高峰大汝山(3015m)は縦走路から外れて目立たない所に有。足跡を残す為、狭い山頂に立ち、記念撮影する。この山頂からはグリーン色に見える美しい黒部湖をはっきり見下ろすことが出来る。その先の岩の積み上がったような形をしている富士の折立は荷物をデポして登る。再び縦走路に戻り先へ進む。
 富士の折立から真砂岳に続く鞍部は急な下り、大きな雪渓(真砂カール)が有、お鉢のような美しい形をしている。冷蔵庫の扉を開けた時に出る冷たさの如く、心地良い冷風が体に触れる。気持ちいい。登山道にイワギキョウが力強く咲いている姿が印象的だ。真砂岳への登りは今までの巨岩の道ではなく砂地と小さな岩道に変わる。真砂岳山頂は穏やかで広かった。別山へは相当の登りだが、ザラザラした道を登りきると平らな頂上で小さい祠が有る。別山は剱岳を真正面に眺める展望台である。午後のガスが発生していた中、少し待つと荒々しい重厚な剱岳の全容が姿を表す。あー頂上が見えた、見えた。
 別山からなだらかな道を下り急なジグザグ道に変わると別山乗越で、宿泊する剣御前小舎の横に出る。荷物整理後、共通の欲望であるビールで乾杯、雑談、夕食、夕日の見学と写真撮影で楽しいひと時を過ごす。

29日(土) 晴  別山尾根から剱岳往復
 今日は行動時間も長いので,4時に起床する。朝方、剱御前小舎の周りは刻々と変化する中、準備整え、気持を高めて5時にKさん先頭で出発し、剱岳を目指す。:小屋の直ぐ横の道を通り剣山荘に向かう。途中熱くなったところで衣服調整する。その場所に私がカメラを忘れて出発し途中、雪渓を横断する場所で最後部から隊列の写真を取ろうと思った瞬間、カメラを衣服調整した場所に忘れたことに気が付き、駆け足で戻りカメラを確保して、剣山荘にて合流する。(置き忘れた事反省する)。
 剣山荘の裏手から一服剣に向かう。剱岳頂上まで別山尾根の稜線を歩く。一服剣から見ると行く手に前剱が眼前にそそり立ち威圧的な岩峰に見える。一旦下って武蔵のコルを越えて前剣の登りに差し掛かる。一直線のガレ場は浮石も多く、下りにて事故多発地帯,慎重に行こう。前剣は本峰と間違われる位なかなか堂々とした山頂である。前剣を過ぎるとクサリ場が登りと下りが別コースになり一方通行である。
 左右が絶壁となり、その上に掛けられた約4mの鉄製の横の梯子を渡る。ここから約50m程の断崖をトラバースする。ここには鎖が取り付けて有、慎重に、確実に3点確保で間隔を取り進む。平蔵の頭を越えると直ぐに垂直の下り、クサリが有るにせよ絶壁の岩稜帯の進行は緊張の連続である。上りのクライマックス、カニのタテバエに差し掛かる。順番待ちを予想していましたが、待ちも無く、進行出来る。足場もしっかりとしており、丈夫な針金も取り付けられているので、厳しい岩登り連続ですが、案外すんなりと通過することが出来ました。下降専用ルート、カニのヨコバイの取り付きコースと出会って後、最後の登りとなり10時50分剣岳に到着。やったという達成感に酔いしれる。祠の前で写真を撮り、山岳景色を堪能して下る。
 下山は登りよりもより危険度高く、開始直ぐに表れるのが最大の難所、カニのヨコバイである。足の下は垂直に岩壁が切れ落ちており、しかも足場が見えない所である。丁度我々がカニノヨコバイ通過する時に後から単独の山のベテランが下りて来られ、我々の前に進み、下り方を指南して下って行かれました。初めの一歩が肝心で、クサリに掴まり足を下ろすと足場はしっかりしているので、クサリさえ離さなければ大丈夫で、足の置き場所を確保して通過する。カニのヨコバイ~平蔵ノコルの間は下りの中で最も慎重に行動しなければならない場所である。連続する急峻な岩場を一歩々慎重に進む。厳しい連続する岩場から降りると緊張状態が解きほぐされ、ほっとする。余裕が出て来て、剱岳周辺の綺麗で生き生きとした花々に自然と目が向く。丁度高山植物が咲くタイミングで、白系、赤系、黄色系、紫系の色とりどりの花々が厳しい環境の中で咲き誇り、可愛く、力強く咲いている姿に癒される。
 前剱、一服剱、と往路を戻り剣山荘到着。小屋に着いたら危険地帯を抜けたと言える。水分を補給し、剱御前小舎に向かって登って行く。本日早朝下った道であったが、長い行程と緊張感を持って行動したので、剱御前小舎までの上りは全員が疲れたように感じる。小屋に着き、荷物整理後、ビールで乾杯し至福の時間を過ごす。

30日(日) 晴  剱御前小舎から室堂へ 下山
 5時起床、劔御前小舎の目の前、朝焼けに輝く空の下、重厚な姿で聳える剱岳の雄姿が今日も鮮明に観られる。朝食後7時室堂に向けて出発。雷鳥沢キャンプ場に向かって雷鳥坂を下って行く。立山連山が一望出来、一昨日室堂を出発し、雄山からの縦走した立山連山がはっきり見渡せる。下に目を移すとテントの鮮やかな色が散らばるキャンプ場が遠くに見える。雷鳥平キャンプ場だ。ここからミクリガ池温泉に向かって登って行く。残雪の真砂岳方面の山岳風景も素晴らしい。日本一高いところに有るミクリガ池温泉で汗を流し、ビールで乾杯。気持の良いひと時を過ごし、山行の終着点、室堂に向かう。一昨日の人出とは雲泥の差で今日は日曜日、室堂近辺は観光客でごったがえす。12時30発毎日あるぺん号で新宿に向かう。
 この立山~剣岳縦走では三日間好天に恵まれ、何回素晴らしいと言ったか計算出来ない程、素晴らしい山岳風景に出会えた事、この難関ルートの縦走を全員が無事に達成出来た事で、大きな幸福感を得ることが出来ました。そして良きパートナーに恵まれ、8人のメンバーが立山~剱岳を縦走する事で心を一つにして隊列を組んでの行動する姿は、これぞ正しく山の会という感じでした。参加者の皆様には大変お世話に有難うございました。
                                                
立山登山の玄関口 室堂より,さあ出発 


立山三山の一角(浄土山)   室堂にて


隊列を組んで登って行く 一の越手前にて

室堂平を見下ろす   一の越~雄山間にて


遥か 遠方に北アルプスを望む 一の越~雄山間にて

雄山山頂(3003m)を見上げると 神社前に立つ神主さん


大汝山(3015m)頂上より黒部湖を見下ろす


気持ちの良い稜線と雪渓 富士の折立~真砂岳間にて


別山より剱岳の全貌が見える 


夕方の空に浮かぶ剱岳 劔御前小舎前にて 


 夕日が沈む綺麗な瞬間 劔御前小舎前にて


遠方に朝日が輝く後立山連峰の峰々


早朝 雪渓を踏みしめて剣山荘に向かう


前剱の迫力ある全貌


前剱頂上より残雪の立山連峰を望む


右トラバース 断崖絶壁、クサリを掴み3点確保で進む 


 カニのタテバイを3点確保して登って行く(出発地点)


 カニのタテバイを3点確保して慎重に登って①


カニのタテバイを3点確保して慎重に登って行く② 


剱岳頂上にて集合写真(達成感味わう) 


 カニの横這い、より神経集中して通過


剱岳からの厳しい大きな岩峰の下り


大岩壁(平蔵の頭)に張り付いて登って行く


 早朝、遥か彼方の後立山連峰と朝日①


 早朝、遥か彼方の後立山連峰と朝日②


 剱御前小屋より荘厳な剱岳の眺望

 大日岳 地獄谷方面見下ろす


 残雪の立山連峰 雷鳥沢キャンプ場


 立山連峰とみくりが池


 花(イワギキョウ)と残雪の立山連峰


 (イワツメクサ) 立山連峰にて


(ヨツバシオガマ)一服剣~剣山荘にて 


 (ハクサンフーロ)  一服剣~剣山荘にて


 (チングルマ、アオノツガザクラ) 一服剣~剣山荘にて

IHさんの動画です。


 Topページ      山行履歴