ロープ操作訓練


                                                                   2014/07ページ作製 我孫子山の会

 ◇日時:2012年12月23日/2013年12月23日(いずれも午前10時~2時半)
 ◇場所:我孫子市内 


 2012年12月23日                                                            
ロープ操作訓練の意味
  ロープの訓練は、山行の行程の中で危険地帯の通過を余儀なくされる事態に遭遇したときに、そこが安全に、あるいは可能な限り危険を小さく通過できること、さらには、もしロープの技術とその装備を備えていなかったなら通過ができなかっただろう場所(そこで山行が終わりになる)を通過し、山行を先に進める、または脱出することを目的に行うものです。
  よく登攀技術、岩登りの実践技術が訓練として行われますが、それと同 時に重要なのは、ロープによる危険回避の仕組みを知識、理論として身につけることです。その仕組みは、一連の「システム」として成り立っており、また適用するので、一連の操作として体得しなければならなりません。頭の中で操作の知識、手順をしっかりイメージトレーニングをすることが大切です。付属器具類も含めた用法をトータルでものにしましょう。 
ロープの操作の構成
  ロープ操作過程の全体としての成り立ちは次のとおりです。 ①危険地帯への接近の察知、②適用する技術の種類と装備類、③その実践に移る前の準備(自己確保と装備類の確認)、それから④先行するメンバーと確保をするメンバーとの役割分担の明確化、⑤先行者の実際の通過と後続者の通過(固定ロープ方式の適用)、⑥安全地帯への到達の確認、⑦装備の収納----以上です。⑤が実際のロープ操作の技術 内容となります。
  今回はロープの体への連結法、簡易式のロープの連結法、ハーネス装着時のロープの連結、ロープを使った下降法(懸垂下降)、自己確保のとり方などを練習しました。 


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ザイル操作(ロープワーク)講習

 

   午前中は、ザイルに関連する基本や考え方、仕組みをおさらいします。

 1)登攀(クライミング)の意味

  ①危険地帯(岩山、雪山、その他)通過時のザイルの効用

  ②自由登攀(フリーfreeクライミング)と人工登攀(エイドaidedクライミング)

 2)登攀に使う器具・装備類の種類と目的

  ①ザイル(ロープ):太さと長さ

  ・国際山岳連盟(UIAADie Union Internationale des Associations d’Alpinisme)規格

  ・長さ:20305060メートル、太さ58811ミリ

  ②ハーネス

  ③カラビナ:2

  ④スリング(シュリンゲ):ロープ型とテープ型、その他

  ⑤確保器具(ATC;8字環)

  ⑥その他:登高器、プロテクター、ハーケン、ボルト、カムなど

 3)各種装備・器具の使い方(総論)

  ①ザイル

  ・ザイルのハーネスへの連結

  ・ザイルどうしの連結

  ・ロープの結び方各種

   -ブーリン結び(もやい結び)

   -8字結び(エイトノット)

   -インクノット(マストノット、クローブヒッチ)

   -二重フィッシャーマン結び

   -その他

  ・ザイルの処理(余分の部分の処理法、運搬時の持ち方や回収時処理法)

  ・ザイルのしまい方(収納法)

  ②ハーネス(ウェストハーネス)

  ③スリング(シュリンゲ)

  ・作り方

  ・持ち方

  ・各種の用法・用途

  ④カラビナ 

  ⑤8字環(エイト環)とATC、安全環付きカラビナ

  ⑥登高器(アッセンダーascender

  ⑦その他

 4)ザイルシステムの仕組み(構成)

   ①固定ザイルとアンザイレン

   ②連続continuous登攀と隔時(間欠)staccato登攀

  ・タイトロープ法

  ③確保(ビレイbilay)の意味と確保のとり方

  ・自己確保(セルフビレイ)とシステム確保

  ・ランニング確保(ランニングビレイ)

   ・確保の技術

   ※〈言葉〉確保:行為類型をビレイ、プロテクションともいい、その点(ビレイポイント)をアンカー、

    確保点、支点、プロテクションなどという。

   -確保点をとる場所:通常は立木、枝、岩角、ハーケン、草つき、ボルト、雪上ではデッドマン、スノ

    ーボラード、スノーバーなど

   -確保点に対するセルフビレイのとり方(各種)

   -確保点と主ザイル(メインザイル)の連結法

   -確保点からザイルを伸ばす際の先行者(トップまたはリーダー)の確保

   -中間者(ミッテルMittel)の確保

   -最後者(ラスト)の確保

 5)下降法

  ①懸垂下降

  ②ロワーダウン


 午後は階段を使い、実践を模した訓練とします。

 6)ザイルの伸ばし方、ザイルの下ろし方

 7)ランニングビレイの方法

 8)懸垂下降

 9)ロワーダウン

  10) ザイルのしまい方
 




2013年12月23日
  
ハイ、よくできました。簡単に体にロープを結ぶときに以前によく使われた結び方で、ブーリン結びです。末端処理をすれば、有効な連結法です。下はクローブヒッチ(インクノット、マストノット)で確保点(ビレー点、アンカー、プロテクション)をとっているところ。メインロープでとる場合と、下の写真のようにスリングからとる場合とがあります。
                    
          
流動分散方式によるスリングの通し方。ペグはハーケンやボルトと仮定しています。カラビナに通すとき、1回だけスリングをひねるのが要領です。 木をアンカーにとった場合の自己確保。固定点から1メートル程度の長さをとるのが適当です(場所しだいで、その長さは異なります)。
     
固定ロープ方式を採用した場合の自己確保から、先行者にロープを送り出す場合。 十分な傾斜じゃありませんが、原理は同じです。下降器(8字環;エイト環とATC、安全環付きカラビナなど)の使い方、および体重をロープに乗せて下る練習。
   
ロープに体重をかけて、感触を知っていくのも一法です。


長い時間、お疲れさまでした。この日には、夕方から忘年会が予定されていました。「喉が乾いたなー」という声が!



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