11月の山行

木曽駒ヶ岳(2.956m)




千畳敷カールを望む(マウスを写真にのせると入れ替わります。)
中岳からの下り。宝剣岳、天狗荘、宝剣山荘が見えている。


・ 実施日:2010年11月20日~21日

・ 参加者:男性2名、女性2名

・ コース:
20日 天王台 5:06発→新宿 6:10着/6:50発(新宿バスセンター)
    駒ヶ根バスセンター11:10着→駒ヶ根駅11:30発→しらび平12:30着
    (ロープウェイ)→千畳敷12:30着/12:50発→乗越浄土13:50着
    →駒ケ岳テント場 着14:30 テント設営 (就寝 19:30)

21日 起床6:00(朝食)/7:50発→木曽駒ヶ岳山頂8:15着/8:35発
    テント場8:50着(テント撤収)/9:45発→千畳敷駅11:00着/11:29発(ロープウェイ)
    →しらび平11:40発→菅の平12:10着(温泉・食事)
    13:38発→駒ヶ根高速バスセンター13:54着/14:00発→新宿19:50着
    我孫子20:50着

・ 装備:(共同)テント(6人用ダンロップ)、マット2枚、コッヘル、スコップ、ランタン、ガソリンバーナーガソリン、ガスバーナー、ガスボンベ2本 20mロープ
(個人)シュラフ、マット、アイゼン、ピッケル、防寒着、サングラス
食器、行動食、テルモス、

・ 費用:10,000円〔千畳敷カール切符〕・・・新宿京王バスセンターで1ヶ月前から発売。(新宿~駒ヶ根往復高速バス+駒ヶ根駅~しらび平までの往復バス+ロープウェイ往復)+新宿までの電車代+こまくさの湯入浴代600円 生ビール600円、そば500円 



・ 概要:20日の天気は雨の予報がだんだん好転し、結果は20日の入山時には快晴。21日も快晴で、初冬の千畳敷カールの雪景色が青空に映えてすばらしかった。初冬の中央アルプスに手軽に行けるロープウェイで入山し、冬の山行に向けての訓練を兼ねてテント山行を実施した。

20日 天王台5:06発上野行き快速に乗車し、新宿バスセンターには1時間後には着いていた。バスの予約が20分前まではキャンセルが可能な比較的自由な予約切符だったので、20分前までに行こうと思った。発売前の窓口には大勢の人が並びバスの人気が伺えた。センターの地下には待合所があって、売店もあるが、6時40分から開くとのことで、ずっと外で待っていた。11月の下旬にしては暖かく、苦にはならなかった。6時50分に時間通りに出発。
中央道に入り遠足の子供のようにワクワクするねとTOさんと話す。明るい時間のバス旅行は楽しい。しかし楽しいのは渋滞にぶつかるまでで、休日の渋滞にはまってしまった。事故、工事と断続的に渋滞し、1時間遅れくらいで駒ヶ根に到着。

登山客は若いお兄さん1人と我々だけだった。木曽駒ヶ岳にテントを張る人はほとんどいないということがわかった。

駒ヶ根駅からは貸切状態のバスに乗り、一路しらび平へ。順調にロープウェイに乗り継ぎ、いよいよ千畳敷カールへ到着。

いつもロープウェイの乗り場から外へ出ると、ばーっと広がるカールのすごさに圧倒される。今回はもっと雪があるかと思ったが、意外に少なかった。10cmくらい。冬季の直登道ではなく、夏道だった。観光客さえ途中まで行っている。われわれの重装備が妙に浮いてしまうほど、のどかでぽかぽかした小春日和だった。

身支度をして出発。アイゼンを着けたのは私だけ。ピッケルも必要ない感じで1時間で乗越浄土に到着、休むことなく進む。宝剣山荘は営業していた。
   
乗越浄土への道。まだ雪が少ないので、夏道だ      宝剣山荘の左を回って中岳に向かう。

日帰りか小屋泊まりの人たちが降りてくる。軽装だ。アイゼンも4本の人が多い。天候が良いという条件の時には、こういうハイキングも許されるだろうが、いったん天気が崩れたら冬山は恐ろしいということを忘れてはいけない。

天狗荘は閉まっていた。中岳への道も雪は少なく、コマクサの移植地域がまだ顔を出していた。宝剣岳の特徴的な天狗の顔が良くわかる。中岳以降は人は誰もいない。中岳の下りも雪が少ないのでアイゼンが岩に当たる。岩には小さいエビの尻尾がついていた。これからは雪と凍結でエビの尻尾が大きく成長するのだろう。
   
 中岳から木曽駒ケ岳を望む。                 我々のテントのみのテント場。風もなく穏やかな
 山頂山荘の青い屋根が見える。
              日和だった。

駒ケ岳頂上山荘は閉まっている。テント場でよいところを探したが、風が当たらないところはやはり小屋のまん前だ。整地すると最高のサイトになった。

テントを張っていると中岳から若い2人連れが降りてきて、山頂に向かって行った。夕方の山頂もきれいだったろう。すごく軽装に見えた。
やはりここは観光地なのだ。       
  
 三ノ沢岳をバックに宝剣岳の天狗の横顔。      木曽駒ヶ岳山頂を見上げる。思いのほか近く見える。

14:30にテント場に着いたのだから時間が余って仕方がなかった。
テントを念入りに張って4時過ぎには食事の支度を始めた。夕焼けがきれいだ。あまり寒くもなく風もなく、冬の木曽駒ケ岳ではないような天候だった。
夜は恐ろしいほどの月明かりで星も見えないくらいだ。駒ヶ根の町がきらきら見えている。今回はヘッドランプを一度も使わなかった。

みなさんの持ち寄りのご馳走とちゃんこ鍋とうどん。今回はなぜかアルコールをすっかり忘れてきた。みんなのお酒を少しずつもらっていい気分になったところでさっさと就寝にしようと思ったら、TKさんがこんなに早くは眠れないといい始めた。確かに早すぎるが、始まりが早かったのだから仕方がない。19:30にはシュラフに潜り込んだ。夜の長いこと・・・そんなに寒くもなかった。

少し頭が痛くなった。標高2800mくらいだから軽い高度障害なのかもしれない。朝6:00、Beさんが起こしてくれた。外は中岳の後ろが朝焼けで赤かったが日の出は見えなかった。すっかり明るくなって、快晴だ。テントシューズでトイレに行ったらすってんと転んでしまい、岩で背中を打ってしまった。
凍結したときは本当に注意しなければならない。帰りにみんなにザックを担がせてもらわなければ自力で持ち上げることもできなくなった。無事に帰って来られてよかった。

私の不注意の結果、計画を変更して朝食を食べてから山頂に向かうことになった。メンバーの顔ぶれはロープで結び合わなくても大丈夫な人ばかりなのだが、私が不安をかかえてしまったので、TKさんがロープを出してくれた。
タイトロープで各自3mほどの間隔を開けて歩き始めた。夏道をアイゼンを効かせて登れたので歩きやすかった。頂上直下で大きな茶色のウサギが登山道を横切った。こちらを見ながら軽いフットワークでぴょんぴょん登っていった。まだ白くなかった。こんな高いところでウサギを見るのは初めてだった。食べるものがあるのだろうか。
  
 山頂の神社。雪もなく、山行の無事を祈る。        北アルプス方面を見て独り占めの山頂。

30分ほどで山頂に着く。神社も氷はまったく付いていなかった。雪もほとんどなく、地面が凍結している程度だ。
快晴の元、360度の素晴らしい展望だった。宝剣岳から伸びる三ノ沢岳の大きな山容、雪はついていない。遠くは北アルプス、南アルプス、富士山の頭もちょこんと顔を出している。近くには御嶽山、雪をかぶっている
  
 2007年5月の神社。上の写真と同じ場所。        2007年5月の宝剣岳、空木岳方面
 2m近く積もっている。やはり快晴であった。


今回は日にちが足りなくて桂木場へのルートではなく、お手軽コースにしてしまったが、日も短い中、余裕を持って行動できたのがよかった。
雪の量がわからなかったので、水のない稜線を行くには初冬は情報不足で不安がある。2007年5月の雪の多かった時期に行ったが、水の心配だけはなかった。
(参考に2007年5月のときの写真を見てください)

  
 木曽駒ヶ岳山頂からの下り。                 千畳敷カールの下り。
 景色を眺めながらゆっくり下った。              荷物が重いので足場に気をつけて下る。
                                             

20分ほど頂上にいて、写真を撮り今度はアンザイレンをしないで下った。20分でテント場に着きテントをすばやく撤収して一時間後に出発した。道はまだ凍結して滑りやすい。雪はところどころでないので、アイゼンがいらないところも多かった。
  
 山頂からの御嶽山、雪をいただいている。         三ノ沢岳、切り立った尾根が印象的だ。

下から登ってくる人が多くなり、行きかうのに時間を取られるようになった。
若い人や家族連れが多かった。1時間15分で千畳敷ホテルに11:00到着した。早かったので15:00発の高速バスの時間を早めようと電話したが、通じなかった。増発のロープウェイに乗ってしらび平でもバスの増発便に乗って順調に菅ノ平に着いた。

こまくさの湯前で下車し、この時点で帰りのバスまで残り3時間もあった。菅ノ平バスセンターでもらったガイドマップで駒ヶ根の高速バスセンターの電話番号に電話すると1時間早めた2時発のバスに空きが10席あるということで、2時までにバスセンターに行くことにしてこまくさの湯で入浴した。

こまくさの湯は何度も来ているが、本当にいい入浴施設だ。大浴槽や露天風呂からは、今日降りてきた千畳敷カールや宝剣岳が良く見える。入浴後、生ビールで乾杯。クー!おいしい。飲めなかったBeさんが最近はお酒のおいしさに目覚めて、生ビールを飲み干している。
急いでそばやうどんを食べた。

13時38分発のこまくさの湯発のバスに乗ると、人がいっぱい。ところが次のバス停である菅ノ平でほとんどの人が降りた。みんな自家用車で来ているのだ。

駒ヶ根駅のひとつ前のすずらん通りで下車、1時54分、ぎりぎりだ。バスセンターまで走って窓口にたどり着くと4席あるという。良かった。すぐバスが乗り場に到着してやれやれよかったと席に着く。しかし乗客は1人だけ。バス停に止まるたびに東京へ向かう若い人たちが乗り込んでくる。いつも見送りの家族が手を振っている。なんだか東京ではなくなった家族の暖かさがあるような気がした。

ところが伊那市の天竜川沿いの一般道で、いきなり交通事故の発生したての現場に遭遇した。この日はこの事故を初めとして高速道路でも多くの事故に遭遇した。

中央高速はやはり休日渋滞にはまってしまい、大幅に遅延した。双葉サービスエリアではまだ明るかったが、新宿には20時頃着いた。駒ヶ根から6時間かかった。
1時間は遅れたらしい。21時に天王台に到着した。バス利用は楽だけど渋滞が問題だ。時間が読めない

休日の高速道路は渋滞して遅れることは、計算に入れたほうがよい。
この時期の木曽駒ケ岳は、雪の状態などの情報を集めてから行くほうがよいだろう。
ロープウェイに電話すると親切に教えてくれる。



情報:千畳敷カール切符(10,000円)→新宿 京王高速バス予約センター
   03-5376-2217(乗車1ヶ月前予約 電話)
   千畳敷ロープウェイ 0265-83-3107 
   駒ヶ根 高速バス予約センター 0265-83-0007
   丸八タクシー 0265-82-4177
   JR駒ケ根駅 050-3772-3910
   しなのレンタカー(JR駒ケ根駅前) 0265-82-3331

   
                      
                      
2007年5月の千畳敷カール



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