1月山行

八ケ岳北部(東天狗2,640m)



東天狗岳山頂にて/樹林帯から垣間見る光景
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《山行報告=会山行》   1月山行 

    
1.実施日 2011年1月15(土)-16日(日)
2.天候 曇り時々雪
3.参加者 6名(女性1名、男性5名)
4.費用 一人当たり12,400円(電車・バス・キャンプ場使用料・食費)
5.コース&タイム 15日:我孫子6:18―新宿駅北口7:30 -(特急あずさ)-9:51茅野10:25―11:22渋の湯(1880m)/12:00登山口~14:50黒百合平キャンプ地(2400m)
16日:起床/6:30 黒百合平8:00~10:00東天狗山頂~11:50黒百合平/テント撤収12:50~14:30渋ノ湯14:55-15:52茅野16:20-(特急あずさ)-18:36新宿―20:00我孫子  
#時間・天候の関係で計画の西天狗(2646m)は未登
6.山行概要 ■プロローグ
「感謝されない医者~ある凍傷Dr.のモノローグ」(金田正樹著、山と渓谷社刊)という本に、凍傷の原因は、初歩的ミスがほとんどと書かれていた。また、凍傷が一番多いのは八ケ岳だとも書いてあった。そして、「トムラウシ山 遭難はなぜ起きたのか~低体温症と事故の教訓から」(羽根田修他著、山と渓谷社刊)を読んだ。先ず低体温症を知らなかった。「エネルギーの摂取量の不足、行動中に定期的に食べるという登山技術の基本という知識や経験不足」といったことが書かれていた。事前にもっと勉強しておく必要があることを痛感した。
大きな問題が天気である。天気予報は、週末は低気圧が張り出してきて大荒れだという。ともかく、最終決定として、黒百合平までは樹林帯なので、そこまで行ってから次の日の行動を決めようということになった。13日(木)、参加者と集中連絡先にメールし、いざ行くぞと気持ちを奮い立たせた。

■山行
15日、曇り。6時18分我孫子の電車に乗り、新宿で特急あずさに乗って茅野へ。バスの時間まで30分あまりある。そばを食べる人、マーケットを覗く人など。毎日食べているよというおばあちゃんのお勧めで長野県産の干しあんずを買った人、そして熊本産の生きんかんを買った人。バスは日に3本、行程に依っては帰りのバスの時間が合わない場合はタクシーにするということで、往復でなく片道切符を購入。
バスは、座席にザックを置くと、丁度満席状態となり、渋の湯着。気温マイナス10度。トイレに行ったり用意をしたりして、12時発。キュッキュッという音をさせながら、雪の中を歩く。黒百合平には、予定より1時間近く遅くなり、14時50分着。キャンプ場使用料金は1,000円/人、ちょっと高めだ。休んでいると、手先が直ぐに冷たくなってくる。当初は、天狗ノ奥庭ピーク往復、あるいはピッケル・アイゼンワークの練習と書いていたが、着くのが遅くなり、寒いこともあって、すぐにテントを張った。設営中、テントが飛ばされる一コマもあった。
直ぐに食事の支度に入る。キムチ鍋。翌朝のおじや用を残して丁度の量、辛さ控目、なかなか美味だった。アルコール控目で満腹、お話と多くのおつまみもあり、至福の時だった。夜は粉雪が舞い、風がテントを揺すった。

16日、曇り。何時も良く眠れるという人も、良く眠れなかったと言う。夜はチリチリと寒かった。キムチ雑炊の朝食を食べ、やっと冷たさから解放された。
8時出発。気温マイナス16.6度。樹林帯を抜けると、強い風と寒さで、指の先が凍る。歩くほどに指先も温まるが、止まるとすぐ冷たくなる。
東天狗山頂近くになると大きな岩がある。鼻や頬が凍傷に掛かりかけているので注意するよう、指摘を受ける。強風の中、記念写真を撮る。下り、ブリザードで道が分かり難く、危険を感じた。黒百合平11時50分着。沸かしたお茶を飲んで暖を取る。体もほころんでホッとする。
バスの時間に合わせるべくテントを撤収し12時50分発、渋の湯14時半着。気温マイナス11度。バスは、良い天気の雪原を走り、茅野で蕎麦を食べ、特急あずさでは少しアルコールを入れる。全員、手の指先が痺れているという。痺れはあるものの、無事、20時前、我孫子に到着した。

■エピローグ
いろいろな難関があった。でも東天狗までであるが、行けたという充実感が残った。
帰っても両手の指先は痺れたままであった。鏡を見ると、頬は黒ずんでおり、特に右頬は少し水ぶくれになっているようで、薬を塗って寝ることとした。
翌日、皮膚科へ行き、血行を良くする塗り薬と服用するビタミンEを貰った。参加者からは指先や頬の凍傷のメールが続いてあった。本当に厳しい山行だったと言える。八甲田山死の彷徨に似た面があるのか、雪山を甘く見た気持ちがあったのかもしれない。「予防策はまず敵を知ること」、もっと注意が必要だったのだ。この経験は、今後の山行に活かせるだろう。


樹林帯を行く
樹林帯から垣間見る光景
雪で出来た造形
山頂へ向かう
樹林帯を抜けて
少し日が差した時の眺望
頂稜部・頂上に先行部隊
一つ岩場を乗り越えて
雪と岩場
東天狗岳山頂にて

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