7月の山行

大雪山 旭岳2290m~トムラウシ山2141m 縦走




  トムラウシ山頂/ヒサゴ沼避難小屋
(マウスを写真にのせると入れ替わります。)

◆実施日:2012年7月12日(土)~15日(火)(ホテル1泊、山中2泊)

◆参加者:4名 (女性3名、男性1名)

◆コース・タイム:
12日 我孫子4:43・・・羽田空港6:00/6:50・・・旭川空港8:50/9:10・・・タクシー 旭山動物園9:30/12:50・・・タクシー 道の駅みちくさ館13:00/13:17・・・バス 旭岳温泉ロープウエイ14:00・・・15:00ホテル着

13日 ロープウエイ6:45・・・姿見駅7:00・・・姿見の池7:25・・・旭岳9:30・・・間宮岳・・・北海岳12:00・・・白雲岳分岐13:45・・・白雲岳避難小屋15:00
                                 (歩行8時間)

14日 起床4:00/5:50・・・高根ヶ原分岐7:00・・・忠別岳9:40・・・忠別岳避難小屋分岐11:00・・・五色岳11:50・・・化雲岳13:30・・・ヒサゴ沼避難小屋14:30
                                (歩行8.5時間)

15日 起床3:00/4:50発・・・北沼分岐8:10・・・トムラウシ山9:15・・・前トム平11:00・・・コマドリ沢分岐12:00・・・カムイ天上分岐14:00・・・短縮コース登山口15:20・・・藤本さん車でトムラウシ温泉15:40/16:25・・・タクシー とかち帯広空港16:10/19:10・・・羽田空港20:55・・・我孫子22:40
                                (歩行10.5時間)

◆費用/人:飛行機 約46000円、タクシー約8000円、バス約1000円、ロープウェイ1600円、避難小屋1000円、ホテル:約13000円、他約2000円           合計 約72,600円


◆概要

◇出発前
 初日12日の悪天候下での山行を止め、スタート地である旭岳温泉で前泊し、13日からの行動開始へと行程変更し、宿泊地も、雨天時の避難小屋泊りを想定し、「白雲岳避難小屋」と「アサゴ沼避難小屋」とした。


◇12日(雨)
 旭川は予報通りの雨天であった。9時頃に空港に降り立ち、3時頃までの自由時間を充てて旭川動物園へ行ったのだが、動物好きの女性陣には大いにうけたよ
うだ。
動物園

 その後バスにて旭岳温泉ロープウェイ駅に行き、翌日の下見をする。そこで話しかけた売店店長は、山のレンジャー経験もある方で、丁寧に明日以降の状況判断について説明いただく。「①今日は朝一番でロープウェイが動くも、その後は強風(風速18M以上)のため運休した。(*当初予定のまま来ていたら、上にあがれず立ち往生するところであった) ②明日も同様の強風が想定され運休するかもしれない。③もし運行されて上がれても、旭岳山頂前後の尾根上は、20m~30m/hの強風が吹く可能性もあり、今日の様な(地上17度)冷たい雨の中だと引き返す判断も必要である。」

◇13日(くもり時々小雨)
 旭岳登山口駅のロープウェイ始発時間に合わせ、午前6時に駅に到着するが、昨日同様、強風のため運休となっていた。一縷の望みを持って待っていると、幸運にも6時45分に乗車できた。ロープウェイは10分ほどで姿見駅に到着。いざ出発!


 雨はほとんど降っておらず風もないが、ひどくガスっているため視界は全く無い。旭岳に向かって、ガレ場の山道を黙々と数時間歩く。

 九合目辺りから風が強くなり、金庫岩を過ぎると間もなく旭岳の山頂2290mに到達した(9:30)。山頂はガスが立ち込めており見通せない。

 旭岳山頂にて、今日明日の気象条件から山行の続行を決断し、間宮岳を目指す。裏旭岳東斜面を下って暫くすると大雪渓が残っていた。雪面も硬く、踏み跡が薄くルートもはっきりしないのでGPSを頼りに歩き、大いに有難味を感じる。アイゼンが無いが2本ストックで体のバランスを取りながら下りきる。雪渓を越えると裏旭岳のテント場が表れ、ここらから、チングルマ、キバナシャクナゲなどの花々がいたるところで見られるようになってきた。 


 間宮岳、北海岳を過ぎて白雲岳分岐にきたが、ガスっているため白雲岳には行かず、直接避難小屋に下ることにする。白雲岳避難小屋は小高い丘の上に建っている。途中の水場で5Lほどの水を摂り、15:00に小屋に到着する。


 管理人に暖かいからと勧められた2階に4人スペースを確保する。テント場は小屋近くにあるが、今日は天候も良くないので数張りのテントが見えるだけ。管理人に明日の天気予報を確認すると、「今日と同じ程度ではないか」とのこと。まもなく、持ち寄ったつまみに各自の好みのアルコールで乾杯して夕食が始まった。メインはアルファ米にレトルトカレー(180g)。覚えていないうちに寝入ってしまう。

◇14日(曇りのち晴れ)
  2日目。朝4時起床。ラーメン、スープ、お茶・コーヒーなどで朝食を済ませ、5:50に出発。昨日よりガスが少なく、白雲岳の雄大な姿が小屋からも見えていた。

 早々に、エゾツツジ、コマクサが高根ヶ原台地に咲いていた。タカネシオガマ、ミヤマリンドウも見られる。この辺りはヒグマの出没エリアで、三笠新道につながる高根ヶ原分岐(7:00)には、「ヒグマ出没のため通行禁止」の看板が出ていた。間もなく、忠別岳や手前の忠別沼が見え、忠別岳山頂(1962m)に到着する(9:40)。

 忠別岳からの下りから、チングルマのお花畑が随所に広がっていた。ハクサンチドリ、チシマギキョウ、エゾノハクサンイチゲ、エゾコザクラなども咲いている。暫くして忠別岳避難小屋の分岐となる(11:00)。ここからは五色岳への緩やかな上りになりハイマツが生い茂っている。急登をこなして五色岳山頂(1868m)に立つ(11:50)。五色岳から化雲平へもハイマツが群生しており、その中を藪漕ぎの形で進むと木道が登場する。化雲分岐を経由して化雲岳山頂(1954m)に到着(13:25)。


 しばらくして、トムラウシ山の方向に下り、今日の宿泊地であるヒサゴ沼避難小屋に到着した(14:30)。収容30人であるが、余裕があり2階にスペース確保する。テント場は小屋と沼の間にあり、テントも既に4-5張りあったが、地面が少しぬかるんでおり避難小屋泊りにする。このころから雲がすっかり切れて青空が表れて明日の好天を予感する。沼の周囲を散策したり、思い思いにゆっくりと過ごす。17時頃からアルコールとつまみで夕食開始し、各自好みのレトルトとライスなどでとりながら19時ごろに就寝する。


◇15日(晴れのち曇り)
 最終日。3時起床。朝食後、4時50分に出発しトムラウシ山に向かう。トムラウシ山に向かう道程は、天気に恵まれると最高のものになると聞いていたが、今日は期待通り。しかし一方で3年前の09年7月16日悪天を突いて歩いた遭難者のことが頭をかすめる。ヒサゴ沼畔の木道を戻り、昨日下りてきた分岐点から先に進み、すぐに雪渓を直登するルートになっている。アイゼンが無くても登れそうだが、右に迂回して岩の上を通過する。ここでナキウサギにも出会う。振り返ると、ヒサゴ沼や避難小屋が朝日に輝いていた。

 1時間ほどで天沼を過ぎ日本庭園にやってきた。ここを一旦下り鞍部からは急登になる。登り切ると前方にロックガーデン。ロックガーデンから振り返ると化雲岳や五色岳が見えていた。ロックガーデンを通過し北沼分岐に下りてくると、畔にはエゾコザクラやミヤマキンバイなどの花が咲き、水辺のお花畑が展開されている。ゆっくり時間を取りたいが、40分以上の遅れが気にかかる。

 ここからトムラウシ山へは巨岩帯を登る。ここでもナキウサギ。ルート迷いから30分以上の時間ロスをし山頂(2141m)に到着する(9:15)。20名くらいの登山客。初日に見ることができなかった旭岳や、石狩岳、ニベソツ山などを確認する。 
 山頂に別れを告げて、オプタケシケ・十勝岳への分岐に出る。さらにトムラウシ公園に向かう。周辺はお花畑になっており、エゾツガザクラ、メアカンキンバイ、エゾノハクサンイチゲ、チングルマなどが一面に。公園を過ぎ、前トム平経由し、長く柔らかな雪渓の上を滑るように降りながらコマドリ沢分岐に下る。沢を渡り川の右岸沿いに進むと、いきなり右手に急登になり、登りは無いと思っていたので精神的に参った。このルートは、以前は川沿いに下っていたのが、04年から新道が付けられたとのこと。持っていたGPSルートは旧道になっていたので少し戸惑う。ここからカムイ天上まで、泥水で登山靴が沈んでしまうくらいのドロドロ道が1時間以上続き、流石に辟易した。更に悪いことにIさんがここでヒザ関節辺りを痛める。全員疲れで気持ちが負けそうになりながら短縮コース分岐点(短縮登山口まで0.7㎞)までくる。予定していたトムラウシ温泉まで3.3㎞あるので、トムラウシ温泉で合流を予定しているタクシーを、短縮登山口に回したいのだが携帯がつながらない。困っている時に、帯広市から山行中のFさんに話しかけられ、事情を話すと、短縮登山口からトムラウシ温泉まで車で送っていただけることになった。この方のお蔭で、遅れを1時間ほど取戻してトムラウシ温泉登山口に着くことができた(15:40)。国民宿舎「東大雪荘」で垢を落とし、タクシーで「とかち帯広空港」に行き、まもなく、機上の人となり、夕日に映える十勝岳を眺め、無事帰途に就いた。                      以上


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