【会山行報告】
★ 実施日:2014年8月15日(金)-17日(日)(山中2泊)
★ 参加者:3名
★ コース:
<1日目> 8月15日(金)
我孫子5:13-5:26新松戸5:35-6:32西国分寺6:37-6:42立川6:46-8:38甲府9:00-(バス)-12:05広河原12:40-13:15分岐-15:40二俣16:00-16:30白根御池小屋(幕営)
<2日目> 8月16日(土)
白根御池小屋7:30-11:00肩の小屋11:30-12:30北岳13:00-14:50北岳山荘(幕営) <3日目> 8月17日(日)
北岳山荘7:40-9:30八本歯ノコル-12:00二俣12:20-15:10広河原16:40-(バス)-19:30甲府20:07-21:37高尾21:44-22:49神田22:54-23:00上野23:06-23:39我孫子
★ 携帯装備:幕営用具、生活装備など
★ 経費:食費含め約16000円
交通費 10148円(電車:3024円×2 バス:2050円×2)
幕営費:1300円(2泊、1人分 白根御池小屋500円北岳山荘800円)
★ 集中連絡先:TIさん
白峰三山は日本No1の3000m級縦走路だと個人的に思う。高度感、展望、花等どれをとっても一級品である。今年度の会山行で紆余曲折の末、私の担当になった。私自身白峰三山縦走は3度目であり3年ぶりである。
2日前の天気予報では、3日間共に曇りで降水確率は40%。これは甲府市の情報であるが、山の天気は微妙である。判断に迷ったが、途中悪天になった場合、北岳のみのエスケープルートを用意し決行させていただいた。
当日の朝、FJさん、MTさんと合流し、登山口に向かう。ここまでも長旅である。甲府より広河原行きバスに乗るが、今年は悪いことに、夜叉神~広河原間は落石の影響で不通となり、遠回りにより通常より1時間以上時間を要する。仕方ないことだが、ついてない。
バスに3時間以上揺られて広河原に着く。盆にも関わらず、いつもより静かな印象を受ける。やはり道路封鎖の影響かも知れない。
登山口の吊橋を渡り、いよいよ登山開始である。MTさんを先頭に歩き出す。1日目は白根御池小屋までなので、やや楽な行程ではある。とは言ってもやはり南アルプス。途中の小屋までも結構登り応えがある。何とか予定通りの時間に白根御池小屋に着き幕営して落ち着く。
小屋のテラスでMTさん特製の焼肉料理をつついていたところ、FJさんが目敏く3人囲める席が空いたというので移動したら、直後雨が降ってきた。移動後の席は屋根付きで先見の明に感心する。おまけに喫煙所の隣であった。とにかく快適なテラスでくつろいでいたら、いつのまにか周りのパーティはいなくなっていた。最後まで残る所さすが我孫子山の会と胸を張る。
快適なテント場で初日を過ごしたが、どうも雲行きが怪しい。明日はメインルートであり、明日だけは晴れて欲しいと祈ってシュラフにもぐる。
2日目の早朝、ずっとテント越しに雨音が聞こえる。祈り空しく天気は悪い様である。前日、天気によって4パターンの行動を考えていた。
① 予定通り農鳥小屋まで
⇒天候に恵まれた場合で理想である
② 北岳を経て北岳山荘まで
⇒小雨の場合で、翌日好天の場合は空身で間ノ岳をピストン
③ 肩の小屋まで
⇒大雨の場合で、せめて何とか北岳だけはとの思いで稜線まで上がっておく
④ 沈没(白根御池小屋で停滞)
⇒大雨で強風の場合稜線に出るのは危険
7時まで状況を見て、小雨の様なので②のパターンで何とか北岳山荘まで頑張ることにする。しかし、私はザックカバーを忘れる失態を。大きなゴミ袋を細工して何とか代用できたが、皆さんに迷惑を掛けてしまった。
稜線に出るまでの草すべりはコースタイム3時間の長い登りで、雨は降ったり止んだり。最後は8月でも未だ咲き残っているお花畑に癒されながら、何とか稜線に着く。強風を予想していたがさほどでもなくホッとする。岩稜のアップダウンを繰返し、肩の小屋に着く。束の間のオアシスであるが、やたら寒い。私は震えが止まらず、ずぶ濡れのシャツの上からでも1枚重ね着することにした。
肩の小屋を後に岩稜の道に添って北岳に向う。幸い天気は好転し雨は止み、風も弱くなった。ようやく北岳山頂に着く。ガスにより展望が無いのは残念だが、
風はさほどではなく穏やかであった。山頂にいた人は10名程度で天候のせいかいつもより少ない。一先ずこれで悪天の中、ある程度山行としての型になったとホッとする。北岳初登頂のFJさんは、最高の一服を味わった。十数年ぶりに北岳山頂に立ったMTさんも感慨深げであった。
名残り惜しいが、北岳山頂を後に北岳山荘に向ったが、途中道を間違えた若者のパーティにつられて危険な道に入ってしまった。直ぐ気がついて事無きを得たが深入りしなくて良かった。ちょっと時間のロスをしてしまったが。しかし、北岳山荘は思ったより遠い。地図のコースタイムが間違えているように感じる。そんなにゆっくり歩いてはいないのだが。
北岳山荘に着き幕営しビールとおでん鍋(焼きちくわ鍋)で一服すると、初めての晴れ間が見えた。富士山が真正面に見え、先程登った北岳が一層大きく、後ろには仙丈ケ岳が大きく見える。夜は星空が綺麗で天の川が良く見えた。明日は良い天気だろうと期待しつつ床につく。
三日目の早朝は意に反して強風でまるでテントが飛ばされるかの勢い。加えて時々雨音も聞こえる。残念だが、間ノ岳はあきらめざるを得ない。仕方なくゆっくり下ることにした。強風の中、テントをたたむのは難儀ではあった。
幸い雨は止み出発したが、小屋から八本歯のコルに至る道は花が綺麗な美しい道で、一瞬であるがオコジョの姿が見えた。途中キタダケソウの群生地があり、ネットで二重にガードしていた。開花時を過ぎていてキタダケソウの花を見れなかったのは残念で、いつか開花時の6月下旬に訪れたいものである。
八本歯のコルからははしごの連続であるが、危険な箇所はなかった。大樺沢には大量の雪渓が残っていて涼しさを感じた。残念なのは全体的にガスっていてバットレスが見れなかったこと。MTさんが昔登ったルートを是非見たかった。
大樺沢は花の宝庫で、ハクサンフウロやミヤマハナシノブ等多色刷りのお花畑が美しい。しかし、下りは急な上岩が多く、私は両足の親指の爪を傷めてしまう。足が痛くて二人について行くのがやっとの状態であった。
ようやく広河原に着き、3時間の長いバスに揺られて甲府に着き、甲府から鈍行列車でビール片手に談笑しながらまったりと帰り山行を終えた。
天候に阻まれ、三山縦走はならなかったが、北岳のみでも十分堪能できたと思う。山の大きさ、おおらかさ、厳しさと険しさ、懐の深さ、美しさ(花の名山である)どれをとっても日本アルプス屈指の名峰と思える。三人共にその素晴らしさを体感できたのは良かったと思うし、私も改めてこの山に惚れ直した思いである。
今回は3人と少人数であったが、上手く協力し楽しいパーティであった。私のリーダとしての至らない部分は二人にカバーしていただいた。同行のお二人に感謝しつつ、心に残る山行として刻んで於きたい。 FU記
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いざ出発
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大樺沢の分岐
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初日テント場白根御池 |
立派な白根御池小屋
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まずは乾杯
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白根御池小屋のテラスでくつろぐ
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草すべりのうさぎ菊
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草すべりでみつけたきれいなラン系の花
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ついに北岳山頂に立つ
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北岳の雄姿
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北岳山荘から富士山を望む
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富士山をバックに
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北岳をバックに
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北岳山荘からの朝靄 |
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岩に咲くタカネビランジ
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八本歯の長い梯子を下る |
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ミヤマハナシノブ
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大樺沢雪渓を行く |
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ホタルブクロも咲いていた |
広河原に到着 |
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