5月2日、晴れ。梅花皮荘(かいらぎそう)着15時。まずは飯豊連峰の大きさを堪能しながらビールで乾杯。その足で散策へ。桜と雪面に散る花弁、可憐な花、山菜は、目も口も楽しませてくれた。言葉どおり、麓の花と芽吹きは、本当に素晴らしかった。
幹に棘のあるタラの芽、TYさんとKMさんに言われてFSも採ったのだが、川渕の危険なところにあるもっと大きなものを、HSさんとFYさんが採りにいったのだ。川に落ちないかとヒヤヒヤしながら見ていた。
宿に帰り、温泉に浸かり、至福の時だ。その窓から見る飯豊山、これまた素晴らしい。夕食は、鴨肉の鍋、山菜など、そしてたっぷりのお酒で、和やかな懇親会となった。
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5月2日の写真
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梅花皮荘前より飯豊連峰を望む
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散策の中で見た飯豊連峰・ゴツイ!
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高いところのタラの芽に挑戦
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梅花皮荘の夕食 まずは乾杯!
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5月3日、晴れ。梅花皮荘9時出発。倉手山登山口から直ぐに急登となる。景色を楽しみ、花を楽しみ、残雪を楽しみ、ゆっくり休憩を取りながら高度をあげていく。頂上からの飯豊連峰、朝日連峰、圧巻の雪原と展望と書かれているが、その眺めは素晴らしく、十二分に堪能した。その後、まずはビールで乾杯だ。
倉手山山頂からのパノラマは、迫力満点であった。
パノラマ 1
パノラマ 2
テントを張り、イグルー作りの講習を受け、夕食の準備に掛かった。SKさんが、音を聞き分けて、少し下りたところにある湧水を探し当ててくれた。これで、雪を溶かして水を作る手間が省け、燃料の節約にもつながった。
夕食は、刺身、自分達で採ったものも含め次から次へとリーダーのMHさんが揚げてくれる色々な種類の山菜や花の天ぷら・サラダ*、そして差し入れの板わさ、スルメ、などなど。イグルー作りの講習でできたところをテーブルと椅子にし、宴会を開始、担ぎ上げたお酒、ワイン、焼酎とともにお腹の中に納まっていった。夕焼けの飯豊も満喫しながら。
#山菜の天ぷら:タラの芽、うど、こしあぶら、こごみ、など、花:たむしば(山頂で収穫)
#サラダ:こごみ(西俣~地神山の登山口の沢近くで収穫)
主食は、TK料理長のたらこスパゲッティと野菜サラダ。テントに移って、もう駄目というほど食べ、個人持ちの焼酎、ワインを頂き、宴は最高潮に達した。お開きの後、三張りのテントに移って、更に懇親が深められた。
夜10時過ぎか、テントの外に出ると風はなく、思いの外、温かい。空には朧月、その回りには月暈(つきがさ、げつうん)、それなりに明るい月の光に照らし出される青い飯豊連峰を楽しむことができた。皆を誘ったが、出て来られたのは、MHさん、SKさん、GBさんだけだったような。女性陣はゼロ。翌日の当初の天気予報は、雨模様の方向だったが、段々と霞みも薄れてきて、期待が持てる感じがした。
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5月3日の写真
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梅花皮荘のイワナ甘露煮付きの朝食
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倉手山登山口 女性陣行くぞ!のポーズ
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倉手山の雪渓を行く
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倉手山の雪渓を行く
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倉手山登山途中の景色
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倉手山山頂 飯出連峰を背景に乾杯!
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倉手山山頂での山菜のテンプラ
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雪で作ったテーブル・椅子で夕餉
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倉手山頂上での夕焼け
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倉手山山頂の夜 夜は青い
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5月4日、晴れ。
朝のパノラマ
パノラマ 3
朝食のラーメンには、チャーシュウやもやしなどが乗る。ゆっくりして出発。ザイルを出してもらうこともなく、下っていった。結構な急坂で、遅れを生じてしまい、基本の訓練、歩き方の訓練が不足していることが明らかとなってしまった。登攀SLのHSさんからもらった厳しくも優しい要諦、備忘録は、後述する。
下りてから、リーダーのMHさんに、道脇にある冷たい湧水を飲ませて貰った時は、生き返る心地で、満足感一杯だった。
ズドーン、ズドーンという鉄砲の音が鳴り響いていたかと思うと、最後の橋を渡る手前で、槍を持ったマタギが、仕留めた熊を持って下りてくる祭りに出会った。当日は熊祭りの日、沢山の観客で、マタギの模擬の熊狩り、神事などが行われていた。
帰りは、近くのマタギの郷交流館でお蕎麦を食し、風呂に入らず早く出発したのだが、事故渋滞、連休の渋滞に巻き込まれ、我孫子駅着は22時近くになっていた。
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5月4日の写真
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倉手山山頂 爽やかな朝の飯豊連峰
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スキー中の少女の雪型
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ウサギの雪型
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熊まつり 仕留めた熊がいます
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■エピローグ
「飯豊はいいで」、何人かの人から聞いていた。でもかなり厳しいと聞いているし、行きたいけどどうしょうと思っていたところに、その前衛峰倉手山という言葉に、まずはそこからという思いで参加した。いやぁ、何と言ったらよいのか、山に恵まれ、天候に恵まれ、参加者に恵まれ、盛り沢山の、楽しみ一杯の山行、半端じゃなく良かった。山への想いとともに、虫に噛まれた痒さは、これも半端じゃなかったが。
最後に、メールで送られてきたMSさんの言葉を付けておく。「天気に恵まれた3日間の山行を14名で過ごせましたこと、大変嬉しく思います。標高はありませんがあの素晴らしい雄大な山域をご一緒して『14人の心は一つ!』、分かち合えたのでは?と思っています。素晴らしい山は、全国にたくさんありますが、飯豊連峰の魅力の奥深さを行くたびに感じます。」
飯豊に、リーダーのMHさんに、皆さんに乾杯! そして多謝
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花の写真
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ヤマザクラ
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カタクリの花
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キクザキイチゲ
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ミズバショウ
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ヤマザクラの蕾み
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キブシの花
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ヤブツバキ
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マンサク
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イワウチワ
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タムシバ
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タムシバ
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シャクナゲ
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シロバナシャクナゲ
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アカヤシオ
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タムシバ
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アカヤシオ
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付録
■なんで「飯豊」を「いいで」と読むの?
米が豊かに実るようにということで、飯豊と付けたというのだ。どこでもそうなのではないだろうか? そして、「豊」を「で」と読むのは、他にもあるのか、分かっていない。
■なんで「梅花皮」を「かいらぎ」と読むの?
元は「鰄」と書くようだ。Gooの辞書を見ると、「1.サメ類の背の中央部分の皮。硬い粒状の梅花の形をした突起があり、刀剣の鞘(さや)・柄(つか)などの装飾に用いる。また、その皮で装飾された刀。さめかわ。」とあった。しかし、なぜ、この地に、この名前が付けられたか、これまた私には分かっていない。
■あざみ山遊会のカレンダー「一途に燃える夢があり 心を繋ぐ歌がある」
喫煙コーナーに貼ってあった、A3大のあざみ山遊会のカレンダー。タイトルは「山の仲間たち」。中には、あざみ山遊会制作「あざみ山歌」が載っていた。今年は我孫子山の会25周年、「あびやまの歌」を作ったら如何かと思った次第。作詞の得意な人は何処に?
■湯見平(ぬくみだいら)(森林セラピーロード)
「樹齢200~300年を越えるブナやミズナラが立ちならぶ天然林、飯豊連峰への登山ルートとしても人気のコースです。」とあった。雪崩で通行できないということ、またの楽しみの一つになった。
■世界百名瀑「梅花皮の滝」
「世界百名瀑のひとつ。7段の滝で構成されており、総長270メートル、梶川尾根にある滝見場から、石転び雪渓と共に望むことができる。雪渓の量が多く、かつ天狗平までの通行が解除された年に限り、5月下旬から6月上旬頃に近づくことが可能になる幻の大滝。」とあった。行かれた方に話を聞きたいものだ。
■イグルー作りの講習と、椅子・テーブルの製作
MHさん講師で、雪の塊の切り出し方、積み方、塊のひっつけ方などを教えてもらった。鋸は、山用より、日曜大工に使う鋸の方が、切れも良く、手も痛くならないので、その方が良かった。そして、風の向きさえ間違わなければ、イグルーとタープで十分暖かい居住空間が出来るということだった。その後は、KMさんと二人でしぶとく、机と椅子にし、そこに集まっての食事となった。天気も良く、風もなく、最高の贅沢な、豪勢な夕食時間となった。
■朧月夜と月暈(つきがさ、げつうん)
「暈(かさ、halo)とは、太陽や月に薄い雲がかかった際にその周囲に光の輪が現れる大気後学現象のことである。特に太陽の周りに現われたものは日暈(ひがさ、にちうん)、月の回りに現れたものは月暈という。虹のように見えることから白虹(はっこう、しろにじ)ともいう。」とあった。私としては、初めて見るもので、何か神聖なものを感じた。
■急坂の下り方
下り、結構な急坂で、遅れを生じてしまった。基本の訓練、歩き方の訓練が不足していることが明らかとなってしまった。登攀SLのHSさんからもらった厳しくも優しい要諦、備忘録、そして私の戒めのために書いておく
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私が入会したころ(4年前)に比べるとFSさんは強くはなっています。しかし、傾斜が急になると、おそらく、足の着地点が遠い恐怖感から腰が引けてしまっている状態になり、後傾姿勢はかかと着地となって、スリップしやすくなるほか、余計な筋肉を使って疲れやすくなります。足を着地させる時にドスン、ドスンと自分の体重がかかるように下って行くとすぐに筋力が消耗し膝痛や捻挫の原因にもなり、バランスを崩して転倒するリスクもたかまります。下る時の重心移動のコツ、なるべく歩幅を狭くして体重移動をうまくおこなう(後ろ足に重心をのこしたまま、
前足を徐々に下に下す、前足が地面近くに接近したら重心を前足側に移して着地。この下り方だと、前足にかかる着地の衝撃を最小限に抑えることが出来ます。また姿勢も腰から上をまっすぐに伸ばすことを心がけることも大事です。
説明しました内容が出来る前提として、日頃から脚力を付けるトレーニングや山に行くことにより、技術の前提となる筋肉がつき、技術も習得できます。「日頃のトレーニングや山登り」なくして下りでの技術の習得はありえません。是非とも力を付けてください。年齢ではありません。
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■熊まつり
毎年行われている行事、5月4日(みどりの日)10時~13時、梅花皮荘脇の広場で、小玉川(こたまがわ)の熊まつり。熊狩り模擬、勢子大会、飯豊の山の神に感謝する神事が行われていた。
■マタギの郷交流館
梅花皮荘からほど近いところにある交流館で、マタギの文化や飯豊の花々など、昔の映像や、解説付きのビデオを見せてもらいながら、美味な山菜ざる蕎麦を食すことができた。先日、克明なマタギの世界を書いた小説「邂逅の森」(熊谷達也著)を読んだので、凄く身近に感じた。
[20150526 SL:FS記]
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