7月の山行

北海道・道東4山

斜里岳(1,547m)・
硫黄山(1,562m)~ 羅臼岳(1,661m)縦走・
カムイヌプリ(摩周岳・857m)



硫黄山方面からの知床半島、左側はオホーツク海、右側は根室海峡 /
サシルイ岳方面からの羅臼岳(中央奥)、左側は根室海峡、右側はオホーツク海

(マウス・ポインタをのせると写真がかわります)

「山行報告」

◆日程:2015年7月15日(水)~19日(日)

◆参加者:7名(男5名、女性2名)

◆コース・タイム:
15日 天王台8:20-我孫子8:24-柏8:29-羽田空港第二ビル9:49/11:15(ANA4777便)‐女満別空港13:05/14:00(車)-15:05(買い物)15:30-16:20さくらの滝16:35-清岳荘17:40(素泊まり)

16日 起床3:30/5:05‐下二股6:10-上二俣8:10-斜里岳9:15/9:25-上二俣10:05-下二股12:25‐清岳荘13:30(車)-買い物15:00/15:40-知床自然センター16:10/16:50-木下小屋17:10(素泊まり)(歩行時間:8.5時間←計画7時間40分)

17日 起床3:45/5:30(タクシー)‐硫黄山登山口5:50/6:10‐沢出合9:35- 硫黄山12:50/13:15‐二つ池キャンプ地19:15(幕営)    (歩行時間:13時間←計画9時間)

18日 起床3:00/5:30‐オッカバケ岳6:15-三峰キャンプ地8:10-羅臼平9:10-羅臼岳10:45/11:00-羅臼平11:50/12:10‐木下小屋15:35/16:05(車)-知床自然C16:25/16:35-買い物18:10/18:30-桜ヶ丘森林公園キャンプ場19:25 (歩行時間:10時間←計画8時間)

19日 起床3:30/7:50(車)-摩周湖第一展望台(登山口)8:10/8:25-カムイヌプリ10:45/11:05-登山口13:05(車)‐川湯温泉13:55/15:10-女満別空港16:30/18:30-羽田空港20:15(ANA4780便) (歩行時間:4時間40分←計画4時間)

◆費 用/人:合計 約83,000円/人
飛行機 約55,000円/人、レンタカー(8人乗り)+ガソリン代約96,000円/台、食費・宿泊費・他 約14,000円/人

◆初めに
 「知床」はアイヌ語の「シレトク」に由来し「地の涯」を意味しているそうだが、原始的な自然がそのまま残っているイメージがある。山中に入ると、大きなお花畑があちこち広がっており手付かずの自然を感じる。また、コースの未整備なところもあり、実際に我々も、硫黄山山頂の前後で、2時間程度の道迷いを起こしてしまった。

 時間計画は、昭文社「山と高原地図」の参考時間に2割程度プラスして、余裕を見たつもりであったが、実際にかかった時間は更に2割程度多くなってしまった。道迷い要因を除くと、主に二つの要因が考えられる。一つは7人というパーティ人数である。4人程度とは異なり、行程上の危険な個所や、コース取りが分かりにくいところで一人が立ち止まると直ぐに停滞状態になり、解消するのに意外と時間を費やす。二つ目は難所の多さである。「斜里岳」は、登りは大半が沢沿いを遡上する行程であり、何十回となく渡渉した。また「硫黄山~羅臼岳」縦走では、「残雪」、「岩」、「ハイマツなどの低木林」などの障害で、スピードダウンを余儀なくされた。

 いづれにしても、実質4日間で約36時間、大事なく歩き終え、感動を共有できたのは、ひとえに参加者7名全員の足並みが揃っていたからであり、感謝を申し上げたい。(MK記)


◆概要

◇15日
□サクラマスの滝登りに感動
斜里岳から西方15Kmの斜里川上流。この川で生まれたヤマメが、体長の大きな仲間に追われて海に下る。そこで環境順応し、豊富なエサのお蔭で、川に残ったヤマメよりも大きな「サクラマス」となって産卵のために戻り、「さくらの滝」を必死に登る。





         




□清岳荘での石狩鍋
当初、宿泊予定していた「清里オートキャンプ場」は、数日前の熊出没の影響でテント幕営禁止になっていたので、急遽、登山口にある「清岳荘」の素泊りに変更した。小屋前の張り紙には、明日登りで予定している旧道コースが、残雪のため通行不可になっていた。しかし運よく夕食時には、「翌日から通行可」の説明があった。夕食はMIさん提案の美味しい石狩鍋であったが、更に小屋のご主人がコンロや食器まで貸してくれて、居酒屋のような快適な夕食となった。










◇16日
□沢登りの「斜里岳」
清岳荘の裏手の沢沿いのコースを進むと登山口に出る。そこからしばらくは水量の少ない沢を、右岸左岸を飛び石伝いに何度も行き来する。下二股にでて、帰りの新道を右側に見て、滝の連続する旧道の核心部へと進む。上二股までは「白糸」「水連」「羽衣」「万丈」「七重」「見晴」「竜神」「霊華」と、多彩な表情の滝や花々が、全く疲れを感じさせない。樹林が切れてガレ場となり、展望が開けた馬の背からまもなくして山頂へ到着する。山頂付近はあいにくの霧雨模様で、周囲の展望はない。帰りは下りに利用されている新道を辿り清岳荘へ戻る。










              





 
 

 


 


 
 


 
 


 
 


 
 


 
 


 
 


 
    


 





 
 
 





□木下小屋で「お寿司」「麻婆ナス」と露天風呂
今日の宿泊する木下小屋へ行く途中に、知床自然センターに寄る。ヒグマに出会わないための対策として「クマ鈴や笛」を用意したが、出会った場合の対応として「熊撃退スプレー」をレンタルすることにした。係員から、スプレーの詳しい使い方や、「テント場で食材をフードストッカーへ必ず入れる」などの注意点について説明を受ける。5時過ぎに木下小屋に着き、TN料理長による「お寿司」と「麻婆ナス」をお腹一杯いただき、小屋裏の露天風呂に浸かり就寝する。









 






 





◇17日
□硫黄山で道迷い
朝5時半、タクシーで知床林道沿いの硫黄山登山口に向かう。湯の滝バス停で降り、カムイワッカ川を右に見ながら登山口に至る。暫く登ると背後にオホーツク海が見える。硫黄川の上流、沢出合の辺りから大きな雪渓になり、途中で軽アイゼンをつける。雪渓を登り切り、砂礫地を暫く行った辺りにある尾根大岩からほぼ90度右へ曲がるべきところを直進してしまい道迷いになる。2時間ほどの時間ロスの後、硫黄山山頂に立つことができた。眼下には、昨日登った斜里岳から明日登頂予定の羅臼岳を見て、反対側には知床半島そしてオホーツクの海、右手には国後島と、他では中々味あうことができない素晴らしい景観を楽しんだ。










 


 
 


 
 


 
 


 
 


 
 


 
 


 





□硫黄山頂から二つ池キャンプ地へ
硫黄山頂から知円別岳への行程で、また時間がかってしまう。硫黄山を下りて直後のハイマツと岩に遮られた所で先ず手間取り、そこを抜け出した矢先に、行く先がよく見えない、急な雪の下り斜面で、またまた時間を要し、2ヵ所で2時間の超過となる。この辺りは勾配のある岩場や砂礫地が多いが、中でもコケシ岩という、これまで見慣れない形の岩が、我々を大いに楽しませてくれた。知円別岳直下の斜面を横切って稜線にでて、ここまでの遅れを取り戻すべく、南岳を目指して急いだ。広大なお花畑を通過して南岳を過ぎ、右手のオホーツクの海面に陽が傾いていくのを見ながら、二つ池のテント場に7時頃に到着する。先客は一人。その後の夕食(カレー)では、皆の驚くほどの食欲で総ていただき、10時頃に横になる。








 


 
 


 
             





 
 


 
 


 
 


 
 


 
 


 
 

 





◇18日
□羅臼岳登頂後、弟子屈のキャンプ場へ
昨日までの疲れもあり3時起床はきつかったが、この日の行程を考慮して5時半に発つ。昨日は夕暮れでよく見えなかった二つ池や、その周辺に広がるお花畑が、朝日に輝いている。左右にオホーツク海と根室海峡、そして国後島もよく見える。標高差の小さいオッカバケ岳、サシルイ岳、そして三峰を抜け、9時過ぎに今日のほぼ中間にあたる、羅臼岳と木下小屋との分岐点の羅臼平へ到着した。目の前に今山行で一番高い羅臼岳を見上げ、ザックをデポする。ここから少し行った所にある、岩清水と命名されている湧水をたっぷり飲む。昨夜から二ツ池の水を煮沸したものを飲み水にしてきたからか、格段の美味しさであった。その後、岩場の急登が1時間続き、思いの外のきつさを感じて山頂に立つ。雲が無くまずまずの見晴らしで、昨日登った硫黄山から、一昨日の斜里岳までを全部見通すことができた。羅臼岳をあとして一気に木下小屋へ下山した。これまでの疲れが溜まってきている下半身には4時間強の下山は堪えた。その後は夕食を買い、テント場の桜ヶ丘森林公園キャンプ場へ向かい19時ごろに到着した。暗闇の中テント設営し早々の乾杯。いよいよ明日で終わる山行に思いを馳せて10時頃に就寝した。




 


 
 


 
 


 
 


           


 


 
 


 
 



 
 


 
   


           
 



 
 

 





◇19日
□雨のち晴れ、そして摩周湖からカムイヌプリ(摩周岳)へ
3時半に起床した直後から雨が降り出した。天気予報では9時頃まで降りそうである。昨夜も最悪を想定していたのだが、このままの天候だと、雨中の雌阿寒岳登攀になり、山頂では何も見えないだろう。今日の予定を変更し「阿寒湖観光」へ切り替える。慌ただしい数日だったので、このような日があっても良いかもしれないと、ゆっくりとした朝食をとる。ところが6時頃から雨が止み青空が少し見えてきた。キャンプ場から近い「カムイヌプリ」なら4時間ほどで登れる、ということになり、急遽決定する。急いで準備して、登山口のある摩周湖第一展望台へ向かう。その頃には快晴になり、霧の摩周湖ならぬ、真っ青な湖面を眺めながらの山行となった。歩行時間を読み違えたものの、展望のある摩周岳山頂に立ち、昨年に急遽登った「樽前山」に続き、大変満足感のある最終日となった。14時頃に近くの「川湯温泉」に浸かり、女満別空港から夕刻の北海道を後にした。







 



 
 


 
 



 

 
 

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