天を衝く利尻山の雄姿 長官山にて 
 
 
 
  25日
 我孫子発7時6分発にて元気なメンバー5人が揃い、ラッシュアワ一の中、羽田空港第二ターミナルに向かう。空港は7月でもありレジャー客等でごった返す。搭乗手続きを終え、ANA571便10時40分羽田空港発にて稚内空港に向けて飛び立つ。機内は冷房にて暑いかと思い羽織物を準備したが、暑く必要なかった。日本のてっぺん最北端の稚内空港に降り立ち空港バスに乗り込む前の移動する時に外気が体に触れた瞬間、非常に驚く。あー気持ちが良い、ただよう空気の冷たさで、秋を感じるようであった。あの東京での蒸し暑さから解放され天国に行ったような気分になる。

 空港バスにてフェリーターミナル稚内に行き、14時50発にてフェリーにて礼文島香深フェリ―ターミナルを目指す。出港の際と到着の際は多少揺れはありますが、穏やかな天候だったことも有、いざ海に出るとそれほど気になりません。船上から、稚内、利尻山(この時間上部の方は、雲にて見えず)はっきりと見える。利尻岳の全貌は明日に期待する。約2時間んで香深港に到着。本日宿泊する民宿は「まなす」の旦那さんが出迎えて頂き、気さくに車で送ってくれる。民宿到着後直ぐに風呂に入り、夕食になる。ビールで乾杯し宴会が始まる。兎に角ビールが美味しかった。出された夕食は海の幸が多く、なかでも油の乗ったほっけの煮つけが美味しく珍しかった。今日は移動日、明日からが本番の為9時頃床に就く。
26日
 起床5時雨戸を開けると前が海、その先に利尻山の全貌がはっきりと見える。良い天気だ、最高の幸せだ。早朝から近くのカナリアパークを目指す。漁港の村の中を歩いて坂を登って行くと25分で高台のカナリアパークに到着する。ここは吉永小百合主演映画の撮影場所にもなった有名な場所。真っ青な青空にくっきりと海に浮かんだ利尻山に感動する。早朝の澄んだ空気を、いっぱい吸い込むと不思議なエネルギーをもらったような気がしてその日は1日中元気だ。ここは、公園になっており、早朝のため、人もいないので、半日位ボート過ごしたい気分にもなりました。

 民宿に戻り、朝食をとり、ご主人に車で香深フェリ―ターミナルまで送って頂く。「はまなす」はおもてなしの心を十分持った気さくな夫婦がいる民宿(ホッケの煮つけが珍しく、美味しかった。)であった。夢の浮島、礼文島の北の端から南の端までポイントなる場所を行動するには時間が必要となりますので、予約していました定期観光バスに乗車し、澄海岬、スコトン岬、桃台、猫台展望台、北のカナリア(ここで下車)を巡る。どの場所も素晴らしい所でありましたが、特に西海岸の澄海岬は澄んだ蒼い海と断崖絶壁が組み合わされた眺望は脳裏焼き付く。

午後は「花の浮島」礼文島一といわれる北のカナリアから元地灯台を経て桃岩展望台、香深へと続く全長約7㎞のコースを海に浮かぶ利尻山をバックに断崖と青い海を眺めながら、高山植物のお花畑を歩く、道中風は強かったが、草花に囲まれ結構、気持ちの良いトレッキングすることが出来た。充実した礼文島を後にフェリー16時30分発で利尻島鴛泊17時15分着、愛想の良い娘さんに車で送って頂き旅館「大関」着く。風呂上りにビールで乾杯。宴会が始まる。本日の行動、思っていた以上に良かったので盛り上がる。明日は利尻岳登山。早めに切り上げ明日に備える。
 
   

 
 
 行程図(全体)
 礼文島 桃岩展望台 トレッキングコ-ス
 稚内を離れ 礼文島に向かう 礼文島カナリアパ-クからの利尻山 
 澄んだ蒼い海と岸壁が美しい澄海岬
スコトン岬の海岸  スコトン岬にて 
 桃岩を望む
 猫台を望む  桃岩展望台コ-ス説明看板
 高山植物と絶景を楽しむ桃岩展望台コ-スでのトレッキング
桃岩展望台コ-スより西海岸を望む
 花々に囲まれ写真に納まる仲間  高山植物の咲く桃岩展望台コ-スを登って行く
 
 
 
   27日
 島が山であり、山が島であり、まさにその言葉がピッタリの利尻山。最北の海に浮かぶ夢の浮島。明るい、雲の無い快晴、最高の天候にて 旅館大関を5時出発し、鴛泊コース3合目利尻北麓野営場登山口(220m)に到着。登山届を提出し、準備し5時11分に利尻岳頂上を目指し、Mさん、ITさん、Tさん、Isさん、Hの順番で出発する。利尻山には山頂10合目を頂点として各合目ごとに標識が有るので目安となる。

登山口の入口には登山前の靴の洗い場が有る。島に外来の種子や菌を持ち込まないようにするためである。ここで靴を洗って出発する。10分も歩くと名水甘露泉水に着き、通過(長丁場、水場がこれから無い為、計画ではここで水の補給を考えていたが、混雑と遅れを避けるため、旅館で各自水2リットル以上は準備した)。その後、ポン山分岐点を過ぎ、4合目(390m)野鳥の森に到着。旅館で準備して頂いたエネルギー源となるおにぎりを食べる。おかずの鮭、デザートのバナナも美味しかった。4合目を過ぎて5合目(610m)に向かうにつれてどんどん本格的な登山道になってきました。6合目第一見晴台(標高760m)手前あたりから、フェリーターミナル方面では雲が無くぺシ岬はっきりと見える。そして6合目では展望が一気に開け礼文島や水平線がはっきりと望めます。ここからハイマツ帯になります。

 いよいよ7合目(895m)胸突き八丁に到着。ここから、長官山への登りは急登でジグザグルートが続く。その名前の割に前半はそれほどきつく無かったですが、後半は心臓破りの難所であり、きつかったです。終わってみれば、ただ登りより下りの方がきつかったです。なかなか良いペースで登り、漸く利尻山登山の目安になるポイント、8合目長官山(1218m)に
予定より早く8時19分に到着。風もなく、ここで初めて利尻山は目の前に素晴らしい姿を見せてくれ、鋭く尖った利尻山の威容に圧倒されました。目を下に向ければ、対岸に礼文島、ぺシ岬が雲と調和して素晴らしい。約10分歩くと利尻山避難小屋に着く。腹ごしらえをして、急斜面を登って行くと9合目(1388m)着。まだまだ山頂は遠い。ここからが正念場。9合目から上部は登山道の崩壊が進んでおり、所々に片側が崖になっているところが有る。一方ここから山頂周辺までイブキトラノオ他沢山の高山植物が出迎えてくれ、厳しい登山の中、心を癒してくれる。

 右手にローソク岩を見つけると間もなく祠のある山頂に到着する。北峰山頂から眺めた雲海に浮かぶローソク岩、立ち入り禁止の南峰の存在感に感激。相変わらず、昨日行動した礼文島が眼下にはっきりと見える。無風で「洋上の富士に」このような素晴らしい天候のもと登頂できたこと、山の神様に感謝します。山頂は賑わっており食事を取り座れるスペースを見つけて食事を取り、ゆっくりと景色を楽しむ。徐々に登山者が増えてきましたので山頂を譲り下山開始する。疲れも溜まっているので無理せず、ゆっくりとしたペースで下山する。しかし、利尻岳は登りよりも1500mの下りがしんどい。滑らないように慎重に歩きましたが、足の疲れで、ころころした石の上でつるっといきました。まだか、まだかと思いながら4合目あたりまでくだる。もう大丈夫。そこから先は最後のひと踏ん張りです。漸く水所、甘露泉水にたどり着き、大変美味しい水を頂く。生き返るような気持ちになる。本当に命の水とはこういうことだ。

出発地点利尻北麓野営場登山口に「大関」の車が来ていただき、旅館に向かう。車内で如何でしたか問われ、最高でしたと答えると良かったですねと言葉が帰って来る。そして今年は天気が安定せず、残念な登山をされた方々が多かったとのこと。旅館で乾杯、今日のビールは特に美味しい。ああー良い山であった。

28日
 朝食を頂き、旅館の娘さんに車で利尻島鴛泊港に送って頂き、フェリー8時25分発で稚内に向けて出港する。甲板にてあの見事な山容の利尻山と分かれを惜しむ。島を離れる時もいつまでも利尻の山が見送ってくれる。甲板にて記念写真を撮り山行を懐かしむ。その後稚内港に10時5分到着し、バスで稚内空港に行き。13時10分発ANA572便にて羽田空港15時10分着に向かう。皆様本当にお疲れ様でした。
 
   

 
   
  利尻山 行程図 
 
 8合目長官山にて利尻山が素晴らしい姿を見せてくれる  流れる雲の向こうに礼文島が見える
雲の下 鷲泊港、ペシ岬がクッキリと見える 
 利尻山山頂直下の急登り
 利尻山より海を見下ろす、その先に礼文島が見える   遂にやった-!利尻山山頂にて
 北峰頂上より見た南峰、ロウソク岩、花々
 利尻山頂より礼文島と我パ-ティ-
 甘露泉水にて水を頂き、生き返った  乾杯、あの楽しい長かった山行を語り合う
利尻山と天の川 (ペシ岬から)
 利尻山の朝焼け(礼文島より) 利尻島を離れ稚内に向かうフェリ-甲板にて 
   
 
   総評

 60年前カニ族として旅した北海道、礼文島の美しい自然と景観に感動する。又、船上から眺める利尻山の迫力のある姿は利尻富士と愛称され形が実に美しい。(当時は通過しただけだった)のでいつの日か、この日本最北の島に来てみたいと心の中で思い続け、今年の会山行の計画に組み入れてもらいました。1月に計画書を作成して準備に入り2月に締切、ポイントとなる飛行機と宿泊先を2月に予約して、細かい決め事は徐々にその都度固めてまいりました。

 今回の山行のひとつは礼文島全体の良さ、(利尻山の景観、岬の景観、花々、食、海岸、地平線等々、をメンバー全員で感じる事。もうひとつは利尻山登頂の達成感、醍醐味を参加者全員で味わう事。途中の景観を楽しむ事を目的としてスタートしましたが、運良く、好天に恵まれ、礼文島の良さを十分に味わう事が出来ました。日帰りで1500m登って1500m下る利尻岳登山コースは厳しかったが全員の足並みも揃い、途中に色々な感動を受けながら全員無事に下山し。十分な達成感を得られました。

この山行は全てにおいて、予想していた以上に良い結果になり、記憶に残る山行になり、心の宝物が一つ増えました。参加された皆様のチームワークの良さのお蔭で又、ご自分の持ち分を十分発揮して頂いた結果、目的を達成することが出来、参加者の皆様に感謝します。
 
   
 
 利尻山の動画です  礼文島の動画です
 
 礼文島・利尻島で出会った花の動画です