2024年9月の山行

 黒部五郎岳~三俣蓮華岳~双六岳 
 
ガスの中の北アルプス 三俣蓮華岳より


【会山行報告】
黒部五郎岳~三俣蓮華岳~双六岳


★実施日2024年9月25日~29日
★参加者:男性3名、女性2名
★行程:25日(水) 我孫子20:59=21:30日暮里21:35=21:57新宿、バスタ新宿22:35出発=
26日(木) 6:20富山駅北口着、ローソン前からタクシー6:30=7:59折立バス停、
7:59薬師岳登山口8:09-9:51三角点10:17-13:21太郎平小屋(泊)
    27日(金)太郎平小屋6:15-6:20太郎山6:26-8:23北の俣岳8:46-9:26赤木岳9:56
10:34中俣乗越10:37-12:34黒部五郎岳12:52-15:32黒部五郎小屋(泊)
    28日(土) 黒部五郎小屋6:24-8:48三俣蓮華岳9:44-10:05丸山10:13-10:57双六岳
          12:14-13:15双六小屋(泊)
    29日(日)  双六小屋4:27-6:09弓折乗越6:20-7:08鏡平山荘7:10-10:03小池新道登山
   口10:05-10:21わさび平10:33-10:42笠新道登山口10:45-11:19笠ヶ岳・双 六岳登山口11:24-11:30新穂高ロープウエイ駅
★【費用】:バス10,610円、小屋代43,400円、電車5,870円(大人の休日倶楽部), タクシー5,800円
         その他含め 合計 約 70,000円
★【装備】:ツエルト、雨具、防寒着、行動食、飲み物、地図、コンパス、ヘッドライト、非常食、ストック、個人の生活用品等、小屋泊山行時持参装備
★集中連絡先:MTさん

?総評:山行出発日の9月25日、降って湧いたように台風16号が発生、関東直撃のニュースが流れる。何らかの影響を受けるだろうと覚悟して出発し、その後毎日天候に注意していましたが4日間雨に合わず、予想外の天気で山行が出来ました。これは参加者の念力のお蔭です。
 今回の山行のテーマは縦走、亀のように一歩、一歩、いつの間にか遥かな峰々を歩き通して、歩いてきた道を振り返る時、心は満足感で一杯です。山から山へ良く歩いたな・・・縦走により刻々と変化する景色、良かったな・・・感動したな・・・
縦走の中で、西銀座ダイヤモンドコースと呼ばれるルート上の景色が素晴らしい。(太郎平での薬師岳の全貌、四方に尾根を広げる姿は圧巻である。特徴的な地形の黒部五郎岳でのカールの雄大な姿が大きな魅力である。三俣蓮華岳の頂上からの眺めはけっしてどの山にもひけをとらない素晴らしい展望である。なだらかな山容が特徴的な双六岳の天空の滑走路等々)。
 個人的には70代最後の縦走として企画し、準備し、行動しましたがこの山行を成功に導いたのは紛れもなく、参加者の協力のお蔭でパーティーが一つになり、1チームとして、足並みが揃い行動できたことです。参加者の皆様どうも有難うございました。再び未来の山行に夢が膨らむ。
?記録
25日(水)
 我孫子発20時59分発の電車に乗り新宿に向かい、22時35分発の夜行バスに乗り富山駅に向かう。夜行バスは独立シート、MYカーテンで個室感はばっちり、安定感抜群のヘッドレストで眠りもサポートされてぐっすりと睡眠取れる。おまけにバス代7300円でした。
26日(木)
 駅前のコンビニで食料を調達して予約しているジャンボタクシーに乗り込み、縦走の出発点、折
立に向かい、登山準備して折立登山口(薬師岳登山口)を8時過ぎに出発する。ブナを中心に様々
な落葉樹が生育している天然林にて、森林浴をしながら三角点まで若干急な上り坂が続く中を登っ
て行く。登山道の視界が開け、ベンチがあるところが三角点。快晴で青空の下に見える景色は美し
い北アルプス。三角点からはゆったりとした尾根道になり展望も開ける。三角ベンチから少し進み
岩の坂を上がると有峰湖が見える場所があります。参加者メンバ―5人の内4名が5年前、雲の平
山行の参加者、途中の雑談話の中に薬師峠でテントを張った時の思い出話に花が咲く。そうこうし
ているうちに太郎平小屋に1時20分過ぎに到着する。北アルプスの深部へと続く分岐路に建つ小
屋で、ここに至る登山道は良く整備されていて歩きやすい。目の前に見えるのが薬師岳。太郎平か
ら見る薬師岳は堂々とした姿で圧倒される。皆で山座同定が始まる。ここから立山は見えない。あ
の山は北の俣岳、あの山は黒部五郎岳、あれは水晶岳、三俣蓮華、双六岳といろいろ山の名前が出
て来て楽しむ。ガスガ出て来て、寒くなり、小屋内にてビールで乾杯、楽しい雑談、美味しい夕食
を取り早めに床に就く。
27日(金
太郎平小屋を6時15分に出発して登山道を南にとる。今日の行程は黒部五郎小屋まで、天気が
良ければ、ゆるやかな尾根が何処までも続く展望にめぐまれたコースである。進行方向左手に
雲の平を眺めながら草原の中の尾根を東に下る。太郎平小屋~北の俣岳の標高差は約300m。穏やかな道が続く。北の俣岳への登りはハイマツの中に続き急な岩屑の斜面を登る。上岡新道を右手に分けるともうすぐだ。太郎平小屋を出発して2時間強で北の俣岳に着く。北の俣岳頂上から歩いてきた道を振り返ると迫力の有る薬師岳の姿が見え、遥か先に槍ヶ岳がかっこ良く見える。何処から見ても様になる山である。
赤木岳は岩屑の山頂でピークは巻き、小さなピークをいくつか超すと中俣乗越に出る。黒部五郎
岳の取り付きまでは小さなアップダウンが続く。急登ではないですが終盤の登りはきついです。肩の直下は完全にガレ場、ザックをデポして浮石に気を付けて登って行く。肩の広場から約10分山頂に12時34分到着。
 ガスに覆われていたので集合写真を撮り、北側のカールルートを通り黒部五郎小屋に向かう。
左手の稜線を100m位東に進み、急な下り道を降りて行きカールの中に入って行く。黒部五郎岳にかかっていたガスは移動して巨大なカールの全貌が見え、内側が箱庭のように見える。途中大きな声でヤッホーとと叫ぶと、しばらくしてヤッホーとやまびこが帰って来る。カールの底は緑の草原に沢山の散らばる岩と雪渓から流れ出す小川が独特の雰囲気を構成している。巨大なカールは、天空にそびえる巨大な屋根の無い古の劇場ようであり、ゴロゴロ転がる巨岩と流れ下る清流がさらなる癒やしの空間を演出する。小屋まで約1時間。道は岩の間を流れる川に沿って下る。ハイマツ、灌木帯を抜けて草原に出る。途中の山肌、小屋の立つ五郎平付近も含めて、秋の黄金色に輝く草もみじが見事である。草原の中に建つ黒部五郎小屋に15時30分過ぎに到着、宿泊手続後、小屋の前の素晴らしい草原のベンチで乾杯して楽しい雑談が始まる。小屋内は新しく改修されアルプス中の穴場に感じる。カールから小屋まで歩いてきて、北アルプスに今どきこんなのんびりした、静かなコースが残っているのが不思議なくらいだ。
28日(土)
山行の途中での人との出会いと別れは縦走の楽しみである。昨日、黒部五郎岳出会った香港からの団
体、本日黒部五郎小屋で分かれ、途中三俣蓮華岳出会い、別れ、明日鏡平で三度目の出会いが有、挨拶して別れる。なんだか同じ仲間のように感じる。
本日は体調も考慮して計画段階からゆったりとしたスケジュールにして黒部五郎岳小屋を出発して
三俣蓮華岳から双六岳、そこから双六小屋に昼過ぎに到着する計画で進む。
三俣蓮華岳への登りは黒部五郎小屋裏手の針葉樹林の急登。30分程は急登であたりがハイマツにかわると緩やかな斜面となる。振り返ると黒部五郎岳のカールが正面に見える。右手のハイマツの中を登ると三俣蓮華岳である。この山は山自身は平凡であるが、眺めの点ではこのコースきっての展望台である。地図を広げワイワイ言いながら山座同定を楽しむ。北に薬師、鷲羽、水晶、南に双六岳、西に黒部五郎岳、東に槍、穂高と百名山のオンパレードです。迫力のある美しい景色を堪能する。
 三俣蓮華岳から広い尾根を南下して斜面を登ると双六岳山頂である。山頂はすっぽり雲の中
風を避けて岩の間で昼食の弁当(ボリュームが有って美味しかった)を頂く。双六岳山頂直下に広がる「天空の滑走路」に鮮やかに輝く草紅葉の台地の美しい風景を目に焼き付けられた事に感無量。
3本の道が合流してハイマツの中を下ると双六小屋の前に出る。ベンチで乾杯して雑談する。5年前にテント縦走で双六小屋に来た時の思い出話に花が咲く。
29日(日)
本日は新穂高温泉にて乗車するバス出発の時間13時47分が決まっている為に3時30分起床
双六小屋を4時27分に出発する。今日の天気は4日間で一番良くない天気であるが雨には会わず鏡平小屋に向かって下って行く。途中花見平で朝食を取る。少し天候が回復してきており、弓折稜線は槍ヶ岳から穂高連峰のパノラマを楽しみながらの尾根歩きとなる。尾根を下って行くと鏡平山荘に至る。鏡平は針葉樹の林の中に池塘が有。池に映える槍ヶ岳、穂高連峰の姿が美しい。
秩父沢を渡り、よく整備された道をさらに下り、わさび平小屋にて休憩し、新穂高温泉に行き、温泉にて汗を流し、充実した縦走を気持ちよく終える。参加者の皆様大変お世話になり、感謝いたします。                        
                              2024年10月20日 H 記
                        


 
縦走出発地点折立にて



太郎平に向けてゆるやかな石畳の階段を登って行く
 

青空の下薬師岳が顔を見せる
 
太郎兵衛平にて


 
四方に尾根を広げる姿は圧巻である
薬師岳をバックに陽気な仲間たち
 
 
北の俣岳に向かって登って行く 
 
 
 左奥彼方に槍ヶ岳の姿 北の俣岳にて
 
 
 肩の広場 ザックデポして黒部五郎岳頂上に向かう
 
 
 ガスの中、黒部五郎岳頂上にて
 
 
 カールの底に向かって厳しい道を下る
 
 
 
 
 カールの底からカールを見上げる
 
 
 ダイナミックなカール内 (1)
 
 
 ダイナミックなカール内 (2)
 
 
秋の気配を感じる黒部五郎岳周辺 
 
 
 草原の中に建つ静かな黒部五郎小屋
 
 
乾杯! 黒部五郎小屋前にて 
 
 
改装され山小屋らしき山小屋、黒部五郎 
 
 
カツのある夕食、黒部五郎小屋 
 
 
 出発前黒部五郎小屋前にて
 
 
秋の黒部五郎岳 
 
 
秋の黒部五郎岳 
 
 
ガスの中の北アルプス 三俣蓮華岳より 
 
 
三俣蓮華岳頂上にて山座同定する 
 
 
 長野県と富山県の県境に位置する鷲羽岳
 
 
 三俣蓮華岳頂上にて
 
 
 三俣蓮華岳頂上より
 
 
双六岳頂上にて 
 
 
 天空の滑走路 双六岳直下
 
 
 鏡池に映る針葉樹と北アルプスの山々

 
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