10月報告

「大震災ボランティア 第5次活動報告」
 (遠野まごころネットでの支援活動)



ガレキ撤去を終えて/仮設住宅家屋内の水彩画ギャラリー
※マウスを写真にのせると入れ替わります


    

    
「大震災ボランティア 第5次活動報告」
     (遠野まごころネットでの支援活動)


■実施日:2011年10月11日-10月16日(テント5泊)

■参加者:6名(男性4名、女性2名)
        *栞グループメンバーお一人が当会の一員として特別参加

■行程:車2台利用にて移動
11日:我孫子駅発6:15-遠野着14:30、テントの設営、遠野まごころネットでの登録
12日:大槌町「第二まごころの郷」での農園作り(休耕田の開墾)4名
  :大船渡の仮設住宅集会所での仮設入居者とのカフェ活動 2名
13日:大槌町での被災個人宅敷地のガレキ・土砂撤去(6名)
14日:釜石市箱崎町での被災個人宅敷地のガレキ・土砂撤去(6名)
15日:「第二まごころの郷」オープニンイベントの告知チラシ配布(6名)
16日:遠野出発8:30-我孫子着 17:00

■個人装備:ヘルメット、安全ゴム長靴(+金属製ソール)、ゴム・革手袋、マスク、下着着変え、作業用上着上下、雨合羽(上下)、傘、   コップ、シュラフ、マット、サブザック、ウェストポーチ、   ヘッドランプ、携帯電話、洗面用具、その他
 *コインラインドリーで2回洗濯

■共同装備:テント(6-7人用、3-4人用)、テントマット、タープ、ロープ、ガスコンロ、コッヘル、クーラーバッグ、テーブル、椅子、食器、洗剤、その他

■所感
今回は当会における5回目の活動でしたが、これまでの活動を通じ、今回特に感じたことを、以下報告いたします。

1)12日にグループは二つに分かれ、2名はカフェ活動に参加しました。仮設住宅には異なる地域にお住まいだった方が集まることが多いため、近所の方と顔見知りでないことがあります。そこで新しいコミュニティー作りのきっかけになるよう、仮設住宅の集会所などでカフェ活動を行っているものです。皆さんに足を運んで頂き、コーヒー・お茶や、各地の名産品を楽しんで頂いたり、タッピングタッチ(ソフトな肩たたきの様なモノ)も行っています。
 もう一つのグループは、「第二まごころの郷」のオープンに向けて農園作りに参加しました。大槌町には既に「第一まごころの郷」がオープンしていますが、仮設入居者からの希望で二つ目のオープン準備を進めているものです(10月17日オープン)。前述の通り、仮設住宅では孤立する人が多くなるという問題点が浮上しています。そのような問題点を少しでも改善するために、「まごころの郷」のような、自然と共存し、癒しを提供し、地元の方とも交流できる場所を、遠野まごころネットでは開発しています。
 ボランティア活動も、これまでのハード(物的)中心であったものから、仮設に入居している被災者の心に寄添うようなソフト的支援が、より大切になってきています。

2)箱崎町での宅地のガレキ・土砂撤去を行った場所が、7月第3次隊の際に活動したお宅の近くだったので、昼休みに再訪しご主人と再会することができました。7月以降も、自力で自宅の修復を進めておられたが、当時の私達の活動がお役にたっていることが感じられ、また、「修復が完了した折には是非泊りに来てください。」との言葉もいただき感無量でした。ボランティア活動では、被災者の顔が見えると、何か「絆」のようなものを感じ、再会も期待でき、モチベーションがより高まることを実感しました。

3)「第二まごころの郷」のチラシを地元大槌町の住民宅に訪問配布している時にお聞きした話です。『被災者は被災者意識が強すぎて、色々な不満・要望を云い過ぎる。このような人達との交流は気が進まない。被災していない我々も、足らない物や欲しい物が一杯あって不自由を感じているが、我慢をしている。』地元でも、被災者に対しての見方がいろいろあるということが分かり、考えさせられた出来事でした。

4)「遠野まごころネット」は、被災直後からボランティアの申し込みは個人も団体も総て受け入れ、人数も、スタート当初の20人から、5月連休時の600人超、直近10月中旬の200名前後と、非常に大きな変動の中で宿泊場所を確保し、活動場所に車で送迎し、全員に活動業務を提供してきています。このような状況下、止むを得ないことかもしれませんが、今回の活動の中で少々疑問を感じることがありました。それは津波被害に遭い、上屋は総て取り除かれた宅地の中に残っているガレキ・土砂を、できるだけ見栄えが良いように撤去・整地して欲しい、というものでした。そこは2カ月後に重機による整地が予定されており、そうなると、現況の形跡もなくなり、新たなガレキが下から出てきます。それが分かっていながら、被災者の『たとえ少しの間だけでも綺麗な宅地を見たい』という心を積極的に酌んで、これからも作業を続けるべきなのでしょうか。この作業に当たり隊長から趣旨説明がありましたが、会社・学校を休んでまで全国から駆け付けられている多くのボランティアの方々もおられましたが、どう感じておられたのでしょうか。

5)今回参加メンバーの所感です。
①女性S
ソフトボランチィアとして大船渡の仮設住宅の中にあるコミニケーションルーム「お茶っこ広場」に伺いました。5月にお会いした方々は無言の方が多かったのですが、半年過ぎた今、3.11の時の事を聞いてほしいという気持ちの方が多く、私は聞き役に徹していますと、貴方の事も話してほしいと言われ四方山話をしてきました。少し心に余裕ができてきているようです。
②女性T
7月は感傷的でしたが今回は少し客観的に見ることができました。目に見えて復旧、復興は進んでいませんが、大きな山になっていた瓦礫が撤去され、仮設住宅があちこちに建てられ、少しずつ自立して、自分の生活を始められているようです。自分の活動は微々たるものでしたが、出会った被災者の一人の「ボランティアを見かけるだけで元気づけられる」と言う言葉が印象に残っています。今後も機会を見つけ足を運ぶつもりです。東北が大好きだから。
③男性N
3日目(箱崎)人手の必要な作業が、減ってきているようだ。ほとんどの瓦礫が撤去された土台だけの敷地で、これ以上何をすればいいのか戸惑った。
数か月後に、重機が入って、平にするということだが、その前に凹凸をなくすような作業をボランティアで行うことに、疑問が残った。今後は、被災地のボランティアセンターのニーズを、事前につかむことも必要ではないか。
④男性F
活動1日目、仮設住宅に住まわれる方の交流を行う大船渡カフェへ、盛(さかり)では約10名の参加があった。85歳のSHさん、65歳からはじめた絵が津波で流され、避難してから描きためた絵を見せていただいた。傷心の中で、前向きの明るい活動・言動は素晴らしい、何かこちらがパワーを貰った感じがした。「また来てね」のお言葉、心残りになっている。
⑤男性M
森づくり集団「栞」の一員として前々回野営を共にさせて頂いたご縁で、今回は個人で特別参加させて頂きました。Kリーダーを始め山の会の皆様には大変お世話になりました。心よりお礼申し上げます。今回も前回同様、瓦礫撤去等のハード作業が中心でしたが、次の機会には是非被災者の皆様と直接触れ合えるソフト(メンタル)面でのお手伝いに挑戦したいと思っています。目指すは‘傾聴’ボランティアです。
⑥男性K
参加メンバー6名の素晴らしいチームワークにより、元気に、楽しく活動を終えて無事に帰ってくることができましたことに感謝し、支援いただきました「山の会」の皆様にも重ねてお礼申し上げます。


  快適だったテント生活

  日毎の活動予定表

  雨天時の体育館内での出発前朝礼

  復旧も中々進まない被災地

  被災した、ひょっこり瓢箪島のモデルといわれる蓬莱島
 

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