7.ガソリンコンロと友だちになろう


1)ガソリンコンロの使い方



2014年12月 我孫子山の会

 「こんろ 」は「コンロ」とカタカナ書きされることが多く、外来語と思っている方も少なくないと思います。しかし、もともとは日本語なんですね。土や石、金属で作った火起こし・火だめ用の容器のことで、「焜炉」と書きます。ガス器具で有名な会社である岩谷産業㈱はひらがなで「カセットこんろ」と使っていますし、経済産業省も「こんろ」を使っています。また日本工業規格(JIS)でも「こんろ」を用語としています。
 一方、類語として英語を探してみると「バーナー」または「ストーブ」がありますが、ニュアンスも概念も「こんろ」とはかなり異なります。「こんろ」に対してバーナーburnerは、「燃えさせるもの(燃焼器)」という意味で、日本語化したその言葉は「気体燃料または霧状燃料の燃焼装置」(広辞苑)をさします。ストーブは部屋を温めるための「暖炉」であり、調理器具としての「火器」の意味はないようです。「原子炉」もそうですが、日本語の「炉」は「しちりん(七輪)」を代表格とし、「いろり」や「ひばち」など、小さな火起こしの器です。
 このようにみてくると、ここで扱う「ガソリンこんろ」は、液体ガソリンを気体状にして噴出させ、燃焼させる装置ですから、「ガソリンバーナー」と呼ぶのが適切なようです。同様に「ガスバーナー」ということになります。ただし、以下では慣用に従って「コンロ」を無修正のまま使用しました。


 ガソリンコンロはガスコンロと比べて、大きなメリットがあります(1~4ページで詳述;第2報「ガスコンロとの比較」)。しかし、使用法を誤るときわめて危険ですから、十分にその危険性を知り、組み立て方、着火、火力の調整、トラブル対処など、すべてに習熟しておきましょう。それのみにとどまらず、ガソリンコンロで突発的な事故が起こった場合にも、冷静に正しく対応できるだけの知識を備えてから利用するようにしましょう。
 「友だちになる」とは、装備の各アイテムに対して、十分なノウハウを得るという意味です。
 

 今回取り上げたのは、MSR(Mountaineering Safety Research;米国企業)の製品、Wisper Light International です。経験も交え、かなりの程度、要領を詳細に紹介しました。
 正しく使用するなら、軽量でもあり、相当程度信頼の置けるコンロです。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
【トラブル対処法】
  MSRのガソリンコンロ、“Wisper Light” で故障の最も多い原因が、ノズルの詰まりです。ノズルとは「筒状で尖端の裂口から液体を噴出する装置」(広辞苑)を呼びます。正確にはわかりませんが、ノズルの径(直径)は0.2mmとか0.1mmとか、ともかく1mmの何分の1という細い経路です。そこが、燃料(ガソリン)の中の混じり物によって詰まることが原因です。セットした後、コックを開いてもノズルからの燃料の噴射がみられなかったときや、着火しても火勢が弱いときなどは、そういった状況です。即、修繕が必要です。でも、慣れていれば、10分程度でできます。
 まず、コンロの図10の予熱皿を手でつかみ、普通のビンなどの蓋と同じ方向に左に回すと、外れます。そのあと、図8のガス化部を力をかけて押し下げ、本体から外します。その後、出てきたノズル部を出し、六角形の頭部に六角レンチを当てて回し、六角頭部を取り外します。すると中に、上向きの針付きの部品が「鎮座」しています。その部品を手で取り出し、上から六角頭部のノズルにその針を差し、何度か上下させて、ノズルの詰まりを除去するように動かします。これで終わりです。
 ついでに図8のワイヤーをペンチでつかんで取り出し、管の中を上下させて掃除しておいてもいいでしょう。
 その後は、組み立てです。最初のとおりに再構成します。
 このコンロのほとんどの修理はこれで解決します。何度詰まっても同じ操作で直します。


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