10月の山行 |
裏岩手縦走(2日目) 岩手山(2038b)から八幡平(1613b)へ |
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10月12日(日) 晴れ 岩手山9合目不動平避難小屋から大深山荘まで。 4:00起床−不動平避難小屋出発5:20(お花畑コース)−6:25お花畑−6:55大地獄分岐−7:20黒倉山分岐−8:40水場−9:00犬倉山分岐−10:15大松倉山−10:45三ツ石山荘11:10−11:45三ツ石山−12:55小畚山−13:35八瀬森分岐−14:00大深岳−14:29大深山荘避難小屋(泊) |
盛岡の日の出は5時36分。これまでの経験からすれば20分前には足元が明るくなる。 4時起床。窓枠に白いものが張り付いている。「雪が降ったみたい」。やはり未明から明け方にかけて降ったようだ。不安が的中した。外に出てみる。うっすらと雪化粧している。しかし、登山道が雪で埋まってはいなかった。道ははっきりとわかる。これなら安心だ。 湯を沸かしてコーヒーを飲み、さあ出発だ。今日は長い。八幡平を目指して延々と歩く。 |
5時15分。予想したとおり足もとがあかるくなった。風とガス、それに雪がうっすらと積もっている。寒い。上下の雨具を付ける。 9合目避難小屋からは鬼ケ城コースとお花畑コースがある。後者の道を行く。 お花畑への道を確認し、お花畑まで一気に下る。谷筋のため風をさえぎってくれ、体が温まってきた。 ここまでだいぶ下がってきたのにお花畑の木道にも雪だ。 |
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きょうは晴れの予想。しかしいまだその気配はない。 紅葉がきれいだ。 「これで晴れていたらもっときれいだろうね」 でもまだ7時前。 |
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そんなことを言っていると、突然前方のガスがはれてきた。タイミングがよすぎる。 見えた! 八幡平の山並みだ。 「晴れてくるぞ」 期待が高まる。 |
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八幡平の右手には、懐かしい七時雨山。双耳峰だからすぐわかる。 |
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この縦走路には道標が各所にたてられて、迷うことはない。 それなのにここで迷った。姥倉山・松川温泉方面と網張温泉への分岐点。道なりに行くとり姥倉山・松川温泉へ行ってしまう。ここは左に90度曲がり網張温泉へのコースをとるのだが、道なりに行ってしまい、間違いに気がついてこの分岐まで戻ってきた。 この分岐点が唯一、注意すべきところだろう。 |
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姥倉山・松川温泉方面と網張温泉への分岐点から網張温泉へ。向こうから次々と登山者がくる。網張温泉から上ってきた人たちだ。一番のリストを利用したのだろう。きょうは日曜日で天気予報は晴れだから、えっ?こんなにと思うくらい多い。 犬倉山が近づいてきた。「そろそろ水場だ」。しかし、「水場」の案内がなかなか出てこない。気がつかないうちに通り過ぎてしまったのか。 やっと犬倉分岐で「水場」の案内。登山道をそれて少し下ると水場だ。ご覧のとおり豊かな水量だ。ところが仲間6人のうち水場に下りたのは2人だけ。昨日登山口から持ち上げた水がまだ十分にあるため補給する必要がないからだ。この水場は冬季はともかく涸れることはあるまい。 |
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9時前。 期待通りすっきり晴れてきた。 青空がどんどん広がってきた。 晴れると気分までちがう。 この年になると山歩きはやっぱり晴れがいい。 |
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網張温泉分岐。 ここで岩手県の職員がアンケート調査をしていた。 ごくろうさまと声をかけ、われわれも協力。 ーどこから 「千葉県から」 ーグループの年齢は 「40代から50代」 ウソだあ。ついサバを読んでしまった。女性陣に敬意を表するためだったんだけどな。 |
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振り返ると岩手山。きょうは最後まで一緒のはずだ。 まだ山頂付近の雲がとれない。もう少しだ。 次の目標は大松倉山。 |
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秋田駒ケ岳(左)と乳頭山(右)が左手前方に。 | |
犬倉山から、次は大松倉山。 見えてきた。 |
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大松倉山を超えると次は三ツ石山だ。 縦走だから、上っては下り、下っては上るという繰り返し。 三ツ石山の山頂の岩峰は特徴があり、あれが三ツ石山だとすぐわかる。 |
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大松倉山と三ツ石山の鞍部に三ツ石山荘。周囲は湿原になり、木道が敷かれている。 この避難小屋も新しくきれいだ。 ここで大休止。 出発してから5時間20分。きわめて順調だ。わたしのシミュレーションのタイム通りに来ている。 ここは三ツ石山の日帰り登山者でいっぱいだ。ここでも岩手県の職員による登山者へのアンケートが行われていた。 |
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気になるのは三ツ石山荘近くにある水場。涸れていることが多いので、あてにしない方がいいと出発前の事前情報。 小屋周辺に水場の案内板がない。場所を尋ねた。小屋から木道を200b行くとあった。 水が出ていた。しかし水流は細いのだが、これだけ出ていれば十分だ。 |
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三ツ石山荘から三ツ石山に向かう。この尾根からの岩手山の眺めが素晴らしい。すっかり頂上付近の雲が取れて晴れわたっている。 この岩手山、雄大だ。いやちょっと違うな。風格があると言い換えたい。 山頂の雪がはっきり見える。 あそこから歩いてきたんだよねー だれに言うでもなく。 |
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三ツ石山の山頂。ちょこんと岩峰が突き出ている。 | |
三ツ石山を過ぎると気分がだいぶ楽になった。中間地点を過ぎたからだ。 向かうは小畚(こもっこ)山。そこから大深岳を目指すのだが、鞍部まで下りてまた登り返す。最後の頑張りどころだ。 |
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大深岳への上りから縦走路を振り返る。 あの遥か岩手山からよくもここまで歩きてきたものよ。 「人間の足ってたいしたものだな」 縦走路を目で追いながら感激している。 きょうの出発した岩手山山頂から小畚山まで、一望だ。 |
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「八瀬森」への分岐。10年前になるだろうか、ここから岩手と秋田の県境を歩いた。素晴らしい湿原が待っているコースだ。登山道はすっかり藪の中。昔と変わらない。一歩を踏み出すのがためらわれる。 「八瀬森」の分岐から最後のピーク・大深岳までは近い。もうすぐだ。 |
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「さすがに疲れたな」 もう着いたも同然。 気が楽になった。 |
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大深岳。 ここをあとにすれば、岩手山の姿は見えなく。 |
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石ころ道を下っていくと、右手に「大深山荘」が出てきた。きょうの宿。14時29分着。シミュレーションのタイムぴったりだった。やるじゃないか。これも健脚ぞろいだからできたこと。やれやれ。これで安心した。 私の知っている小屋は取り壊され、新しくきれいになった。この縦走路の避難小屋はいずれも清潔で快適だ。 行きかう登山者から、昨晩のこの避難小屋は超満員だったと聞いた。果たして今日はどうかなと道々心配してきた。中に入ると夫婦らしい2人だけ。さすがに胸をなでおろす。早速に荷を下ろし、場所を確保。 |
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皆さんに見せたい場所があった。水場があるところは傾斜湿原になっていて、雪解け直後は一面お花畑になる。その素晴らしたといったらない。その思い出に浸って眺めていた。 | |
水場。水量豊かだ。思いっきり飲んだ。この水を汲んで夕飯の支度。献立はポトフだ。昨晩同様豪華になった。 リーダーの私は、いちばんたいへんなきょうの縦走を無事に歩けて、すっかり肩の荷を下ろした。気が楽になったのが自分でもよくわかる。お酒も安心して飲めた。 混雑を心配した今晩の避難小屋。結果は十分なスペースを確保できた。 明日はゴールの八幡平。それに好きな温泉が待っている。 |
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10月13日に続く |