5月GWの山行
(2300m)
5月3日、山行初日に徳沢で(ロープワーク終了後・・・みなさんの笑顔がいいですね)
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●日程::2018年5月3日(木)~6日(日) ●参加者:男性8名、女性1名 ●コース&タイム
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執拗に残ろうとする冬景色を押し分けて春の足音が一歩一歩近づくゴールデンウィークに、涸沢、奥穂高岳を目指しました。山の上は予想外の天候悪化にて「安全登山」はすべてに優先するという考えの基、5日、涸沢より下山する。幸い横尾辺りから天気回復しましたので小梨平キャンプ場にて穂高連峰の素晴らしい眺めを観ながら至福の時間を過ごす。 自然の厳しさ(強風の中でのテント張り)、自然の美しさ(残雪の穂高連峰の美しさ)、仲間の有り難さ(苦労と喜びを一緒に味わった仲間)、山の天候予測の難しさを感じた山行でした。 |
5月3日(木) | |
上高地にバスが到着し、周りの風景を見渡すと、からっとした空気はいつもと変わらなかったが、出発前、3日の天気は最悪、それ以後、日を追う毎に回復と予想してきましたので、この時期例年、人でごったがえす上高地では、予想をはるかに下回る、少ない登山客、観光客でした。バスターミナルのベンチで身支度を整える。まずは本日のテン場である徳沢を目指す。 河童橋から穂高連峰を望むと、道はすぐに深い樹林に入る。テント村の小梨平を経て梓川の川原から離れた森林の中を行く。約1時間で明神に着く。明神館前のベンチで一休み、進行方向左手に急峻な明神岳を横目にただひたすら歩き続ける。明神を出るとすぐに橋を渡り徳本峠への道を右に分ける。穂高連峰の眺望が楽しめる霞沢岳へはこの地点から入る。道は次第に傾斜を増し、高台に出ると蛇行が美しい梓川の河原を俯瞰する。そして2時40分に幕営地、徳沢の草原に着く。ここは昔、牧場であったらしい。夏季には牛や馬が放牧されていたそうです。 まずメンバー協力して8人用ダンロップテント、6人用モンベルテントを張る。その後、5日の奥穂高岳登山の危険個所通過のためのロープワーク講習「セルフレスキュー」をTnさん講師で行う。ロープの結び方①スリングでの(ハーネスの作り方)、②フィッシャーマンズ・ノット(1本のロープの末端と末端を結んで輪状にする)、③プルージック(荷重をかけるとロックする結び)を使用して実際に奥穂高岳の難所を通過する時の方法を予行演習する。 講習後、徳沢園にてビールで乾杯。最高! 後テント内で手作りカレ―ライスを頂き、お酒、おつまみで談笑する。 |
上高地バスナーミナル近くベンチにて
河童橋付近からの穂高連峰
小梨平のカラマツ林
直前に雨に洗われた自然林(左)と梓川河床のケショウヤナギ(左)
明神岳が左手に見える
明神岳を背にして
徳沢のテント場にて
徳沢のテン場にて(続き)
徳沢園にてビールで乾杯
5月4日(金) | |
ええ?! ・・・起きるとびっくり、まったく予想していなかった「徳沢の雪景色」。この時期には珍しい。昨日までの緑の草原が真っ白になっている。昨日の徳沢とイメージが違う。“娘こころは山の天気”と歌にまでなっているほど変わりやすいのが山の天気である。湯を沸かし食事を取り、テントを撤収して本日の幕営地、涸沢に向かうために、8時20分徳沢を出発する。徳沢から再び原生林に入り道すがら笹に昨夜降った雪が積もっている。それを見ていると落ち着いた雰囲気が醸し出される。 新村橋を過ぎると道は穏やかな起伏を繰り返し、左手に屏風岩の大岩壁を望むと横尾に着く。横尾山荘にて天気情報を聞くも、「ご覧の通りです」「曇り」、「天気は徐々に好転する。涸沢で聞いてください」でした。横尾山荘前の横尾大橋を渡り、横尾谷の左岸につけられたゆるやかな道に入る。横尾から約30分位行くと真正面の屏風岩は眉を圧してのしかかり、実に壮観である。沢沿いの樹林帯の中を登るようになって、いったん沢から離れるがその樹林帯を抜けると再び沢に近づき本谷橋に着く。この辺り来ると一面の雪景色になる。ここからジグザグの急登りになるためアイゼンを装着する。 本格的な雪道登山が始まる。屏風側の山腹を急登し、涸沢カールの天然テラスが現れる。9人全体の隊の進行が遅れましたのでスピードアップと涸沢での場所取りをするために途中で隊を2つ(先行隊5人、後方隊4人)に分け涸沢を目指す。暫く登って行くと先行する登山者がまるで米粒のように小さく見える。一歩一歩つま先を蹴り込んで進む。ようやく北穂の岩壁、前穂高の稜線が目に入る。広大な雪原は距離感を奪い、重い荷物を背負っているので前方に涸沢ヒュッテの屋根が見えてからでも涸沢のテン場に着くのに非常に長く歩いたように感じる。そしてヒュッテ手前の結構、傾斜のある最後の斜面を登り切り涸沢のテン場に着く。 この時期の涸沢にしてはテントの数が非常に少ない。天候の影響だろう。曇り空であるが風が非常に強い。最初に選んだテン場は風避けになるが他の人のテントから近い(迷惑になる)事も有、再度テン場を他のテントから離してテントを張ることにして準備をする。 テントを建てかけようとすると強い風の力で、テントが吹き飛ばされそうになる。(2015年10月涸沢山行が頭を過る。その時は夕方で薄暗くなりかけた時、テント設営で男性4名女性6名、8人用テントにポールを付け持ち上げた瞬間、強い風の為、テントが吹き飛ばされそうになり、必死でテントを抑え、テント設営を断念し涸沢ヒユッテに駆け込んだ事を思い出す)。 今回明るい時間帯であったこと。男8人で、女性1人協力して四方八方飛ばないように持ち、悪戦苦闘しながらテント設営を終える。普通の状態の時より、ベグ、張り綱、雪でテントが飛ばされないよう補強する。その後も風邪は吹いたり止んだりの状態が続く。涸沢から仰ぎ見る穂高連峰の景観はこういう天候状況でも威厳が有、重厚さが漂う山並である。 テント内は暖かく共同食の闇鍋と酒、つまみで楽しい宴が始まる。明日の行動をどうするかの意見を交わされましたが、結論として明日の起床4時の天候状況を見て判断することになる。 |
4日のわが隊のテント2張り
徳沢でのテントの撤収
笹の上にも雪が積もる(徳沢~横尾間)
横尾橋付近の情景
これから本谷橋に向けて出発 横尾山荘前にて
残雪ブロックが崩壊する横尾谷
本谷橋手前 雪の横尾谷沿いの道
雪のある本谷橋を渡る
本谷橋を渡ったところで
本谷橋から先の苦しい夏道を登り切った
先行する前の隊は米粒のようだ
進行方向左手に屏風ノ頭付近を見ながら進む
穂高連峰の岩壁 涸沢にて
涸沢のテント村 一番奥が我々のテント
5月5日(土) | |
夏場の涸沢ではヒュッテの方がテン場よりも高さが上にあるが、冬場はテン場の方が上にある。雪がどれだけ積もっているか考えると凄い。 朝4時に起きテントの外へ出て見ると、雪が深々と降っており、風もあるため、即座に本日の奥穂高岳登山の中止を決定し、下山を決定し、参加者に伝える。日を追って天気は良くなるといった天気予報は一体何だったろうか、山の天候予測の難しさを痛感する。 朝食を取、テント撤収し、集合写真を撮り、午前8時雪が止んだが、どんよりとした曇りの涸沢よりアイゼンを装着して下山開始する。昨日眺めた北穂の岩壁を見上げる場所を通り過ぎる頃には天気は徐々に回復し青空も垣間見る。それ以降、昨日登りで見た風景と本日下りで見た穂高連峰、屏風岩の大岩壁、涸沢渓谷、本谷橋周辺の風景の違いは天候であり、皮肉にも下へ行けば行くほど青空が段々拡がって行きその景色の素晴らしさを感じる。 11時10分横尾に着くころには快晴になり、このまま1日早く我孫子に帰るのはもったいないので、一部の人を除き計画書通り6名がもう一泊小梨平でテントを張り6日に帰宅するようになる。横尾にて本日帰宅する人(Oさん、Tkさん、Nさん)と分かれ小梨平キャンプ場に向かう。 横尾を過ぎて梓川の河原から仰ぎ見る残雪の前穂高を見ながら徳沢に向かう。途中の道端で二輪草を見つける。徳沢園にて昼食(カレーライス)を取り、明神では青空の中、穂高連峰の一角である明神岳を見上ながら小梨平に向かう。上高地の小梨平キャンプ場の中で、穂高連峰が眼前に迫り 目の前に梓川の清流が流れる最高のロケーションにテントを張ることが出来た。(この場所は、私が過去に山行で使用したテン場の中では、そこからの眺望が最高のテン場でした)。 季節の微妙な変化の中に身を置くと、からっとした空気が肌に伝わる。梓川のせせらぎ、目の前の残雪の穂高連峰を観ながら、ビールで乾杯。この自然美の限りをつくす小梨平でのこの風景との出会いで、こころが高鳴り、ゆったりと至福の時間を過ごすことが出来ました。 今夜の共同食はハンバーグとTuさんが準備されたドレッシング、新鮮なキャベツと酒類、おつまみで遅く迄酒盛りをする。 |
5月5日 我が隊9人 涸沢にて
下山開始
横尾手前の山道にて
横尾谷の先には南岳方面が・・・
晴れ渡ってきた屏風岩の岩峰
見え始めた南岳方面(左)と横尾尾根(右)
屏風岩の岩壁を背にして 横尾大橋の前にて
横尾を出ると梓川にて残雪の前穂の稜線が見える
快晴の中明神岳が聳える
残雪の前穂高岳 威厳と迫力を感じる
上高地の道端に咲く二輪草(左)と春の息吹を感じる登山道(右)
小梨平キャンプ場への入り口
8人用テントと穂高連峰
小梨平のキャンプ場
梓川の清流には心を奪われる
穂高連峰の日暮れを前に
梓川河畔からの穂高連峰(1)
梓川河畔からの穂高連峰(2)
梓川河畔からの穂高連峰(3)
梓川河畔のたそがれ
穂高連峰の景観写真は➡ギャラリーの「思い出の山々」へ
2014年GWの涸沢・奥穂高岳山行の模様は➡こちらへ
5月6日(日) | ||
5時起床、すぐさまテントを飛び出すと、真っ青な空にくっきりと浮かび上がる雄大な穂高連峰の大パノラマ山!山!山!を観ながら大きく深呼吸をする。ああ・・・空気が美味しい、素晴らしい眺望(この言葉を何回言っただろうか。それだけ素晴らしい。不思議なエネルギーをもらった気がして元気になれました。小梨平のキャンプ場を梓川沿いに散歩する。 少し歩くと早朝の焼岳が眼前に現れる。いつでも行けると思いまだ登っていない焼岳(小梨平テン場を拠点に登る方法も一つ有る)。その先少し歩くと今年の4月に登った乗鞍岳の嶺々が眺望出来る。朝食は、各自の行動食を木の輪切りにしたテーブルで、熱いコーヒーで体を温めながら、残雪の穂高連峰を眺めながら頂き贅沢な時間を過ごす。 8時20分小梨平テン場を出発し上高地を散策しながらバスターミナルに行く。バスターミナルの近くにある会の先輩の寺西さんの石碑「山に祈る」にお参りして9時30分のバスにて新島々に向かい、松本から「あずさ」で予定より早く自宅に着く。 日により季節の変化、天候の変化を微妙に感じた山行で有りましたが、参加して頂きました皆様のご協力のお蔭で、山行を楽しむことが出来全員無事帰宅することが出来ました。皆様に感謝申し上げます。
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小梨平キャンプ場
梓川支流の流れ
梓川と絵になる残雪の焼岳
穂高連峰をバックに
上高地バスターミナルに向かう
上高地バスナーミナル近より穂高連峰を望む
新島々駅からの電車