育成野外講習

①タープ・ツェルト・テントの設営 ②ガスランタン・ガソリンコンロのセット~使い方


▲曇天の五本松公園(我孫子市内) のふれあいキャンプ場で/テントの組み立て実習
自動的に写真が切り替わります

◇実施日・時間:2016年4月3日(日)、午前9.00~11.00(お花見前の2時間)
◇場所:五本松公園ふれあいキャンプ場
◇講師:Tさん、Kさん
◇講習内容:テント、ツェルト、ガスランタン(らんたん)、ガソリンコンロ(こんろ)
◇参加者:男性10名、女性10名

 当日、家を出発する前に霧のような小雨が降っていました。雨は大丈夫かなと心配でしたが、天気予報では曇りとなっていたので、気持ちを切り替え出発しました。
 五本松公園に8時20分頃に着くと、他のグループのテントが既に数張られていました。
 朝食の後片付けをしていたので、昨日からキャンプされていたのですね。その後、HOさんはじめ会務の方が早めに来られて、雨模様ですので、雨対策も含め、来られている方で、早めにタープの準備にかかりました。そこにTさんが来られ、タープを張る援助をしていただきました。9時前にはほとんどの参加者が見えられていましたので、育成講習をスタートしました。

テント tent の設営
テント本体をグランドシートを下にして広げる 折りたたんだポールを1本ずつ組み立てる
ポールを指定のルートに通す ➡引いてはいけない 何人かで一斉に押しながら形を作る
各隅のポール先端挿入口に先を差し込む 組み立て終了
組み立て終わったら位置を決める まわりの状態も見ながら位置取りをする
フライシートを掛ける フライシートの隅々を本体にとめる
 以上でテントの組み立ては完了しましたが、まだ作業が残っています。それは、テントを風などで吹き飛ばされないように固定することです。地面に打ち込んだペグ(ピトン;小さな杭)や、テント周辺の枝や岩角、あるいは石に、テントのポールに結わえた細いロープ(これを細引きなどといっています)をしっかりと結びつけます。その際に緩まないように、テンション(牽引)が維持できるようにします。
 調節金具(「自在」とも呼ばれ、プラスチック製などいろいろ)なら簡易ですが、それがない場合には、下の写真のように巻き付け結び(クレムハイスト結びの亜型)にすると引っ張り(牽引)度が調節できます。ツェルトの設営のときも同様です。





この先端は左に伸びるロープに結わえ付けておく
(いわゆる末端処理をする)

 

ツェルト Zelt の設営
支柱にストック(↓)を使うと便利 専用のポールを使って組み上がったところ

ガスランタンのセット
ホヤ(散光外ガラス)を本体から取り外す マントルを装着し、開栓して、着火
発光マントルの完成→明るい光を放つ ホヤの再装着ででき上がり
 ガスランタンの使い方で最も重要なのは、①発光マントルを壊れないように大切に維持すること、②発光マントルをいかにきれいに作製するかということ・・・この2つです。①に関しては、マントルは燃やして「灰」になった状態で燃焼したガスで発光するのですが、壊れない限りずっと使い続けることができます。マントルはもともとは絹(+おそらくアスベストが編み込まれているでしょう)ですので、もろいのです。壊れない限り、ずっと使い続けられますので、大きな振動などの刺激を与えないように大事に運搬・使用することが大切です(崩れたらマントルは交換するしかないのですが、1枚300円程度します)。
 ②に関しては、上の写真のようにマントルをランタンの軸に沿ってきちんと装着したあと、ホヤを外し、開栓してガスを出し、着火すると、マントル周辺のガスがじわっと燃焼し始めます。そこでガスをさらに多く出し、燃焼に勢いを与えながら、燃えていくマントルが「灰化」して白色に、さらに小さく、丸くまとまっていくように、全体に、そして部分に丁寧に、そして静かに息を吹きかけます。息を吹きかけると、灰化まで進まず黒い部分が白く灰化していきますし、形がある程度変えられます(吹きかける息が強すぎるとマントルが破損したり、変形しすぎたりするので、適度に、丁寧に行います)。発光マントル全体は小さければ、振動にも強く、灰化繊維の密度も高いため発光も強くなります。燃焼マントルは小さく、かつ全体が灰化して白くなるようにすること・・・これが要領です。
 これらの作業がひと通り終わったら、いったん栓を締めて、ランタンを消します。そして、取り外してあったホヤ部分を、丁寧に、マントルを傷つけないように、マントルに触れないように取り付けます。これが無事済めば、ガスランランのセットが完了です。あとは、再度開栓して着火してみてください。着火の火は、ホヤの中に空気の通じているどの部分からでもかまいません。(本体のガス排出ノズルの詰まりがなく、かつ)うまくセットされているなら、まぶしいほどの光量を発することでしょう。頼りになる一品です。低温のテント内では暖房の役も果たします。

 テント(スタードームテント6~7人用)
 講師のKさんには、ご自分のご経験をもとにテントの設営を中心に実際に手順を踏んで分かり易くお話しされながら、参加者の皆さんと一緒にテントを袋から出してテント完成まで組み立てていかれました。
 参加者はテント設営を自分のものにしようと、真剣そのものでした。

 今回使ったのはICI(石井スポーツ)のスタードームテント(7人用)。テントによって組み立て方が異なり、大型になるほど複雑な組み立てになるので、しっかりと学んでおきましょう。
 ダンロップの6人・8人用のテントの組み立てについては、別のページを見てください。 

ツェルト
 講師はTさん、Kさん。
 今回の講習では、ストックを使用して組み立て、簡易テントのように組み立て方を勉強しました。各参加者がクループに分かれて実習に参加され、いい経験をされたと思います。ご自分が、手に取り行動を起こされたので、ツェルトがどういうものかを学ばれ、非常用装備で、もしもの時に役立ちます。私も沢で実際に使用しましたが、非常に暖かかったです。
 (株)アライテントの「ツェルトの設営方法」をご覧ください。

ガスランタン(らんたん)
 講師はTさん。講習会が熱気を帯びて、時間が進むのが早く、11時15分よりランタン講習が始まる。当会のランタンはマントルを使用する燃料式のランタンです。マントルの取り付け方からランタンの点火まで非常に丁寧に実演されました。
 一度の経験ではマントルがなかなか上手く本体に装着できかなかったり、ミスで壊れたりします。参加者が、ランタンの原理と容量を習得するには、ご自分での経験を積まれることが大事と思います。

ガソリンコンロ(こんろ;ガソリンバーナー)
 講師はTさん、装備取扱いの初心者には本日一番難しい操作であるガソリンコンロの使い方、修理方法等、熱意を持って講習していただきました。私自身、身をもって体験しましたが、一回の講習では到底マスターできるものではないことを痛感しました。また、コンロに関して、不勉強であったことを反省しています。
 今回はMSR(アメリカ)とスノーピーク(日本)のガソリンコンロを使いました。どちらも健在でした。
 MSRのガソリンコンロ(ウィスパーライト)の使い方に関しては、別のページをご覧ください。

 今回の育成係室外(野外)実技講習を振り返ると、良いタイミングで行い、多数の人にご参加していただき、なごやかに進行しました。装備の実技体験の中で吸収できるものは吸収しようという気持ちが、会員の表情に現れていました。また、装備類に関して勉強してみようというきっかけになったのではないかと思います。
 今回の育成係室外実技講習の講師役を引き受けていただきましたTさん、Kさん、熱意を持って、丁寧に教えて頂き、本当に感謝申し上げます。また、多数参加いただきました参加者の皆さん、どうも有り難うございました。

2016/04/20  育成係 H・S記


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